今思えば公民館系のプラチナサルサで顔のない曲と言っていたのはON2に向いた曲だったように思う。ボーカルもなく、ひたすらリズムで構成されていたためON1しか知らない矢吹にとっては踊り難いことこの上なかった。
またプラチナサルサでは、この頃から、有名ダンサーを招待してミニWS(ワークショップ)を行うようになっていた。しかもまったくなじみのないON2だ。シャインまでならなんとかなるものの、女性をリードするとなると何をやってるのやら、やってる本人が一番わからない。
その日はHya-Queのa-junとNaomiがレッスンを担当したがペアパートはずたぼろでブロークンハートだった。もちろんレッスン直後はON1でいつもどおり踊り倒したのは言うまでもない。
さて残り3曲となった時、a-junがフリーでふらふらしているのを発見!躊躇なく声をかけた!踊った!ON1で!しかもなんちゃってキューバンで。しかしなんか曲と違和感がある…なんだろう…
「あのーこれチャチャチャですよ?」
「はい?なんすかそれ?」
ソーシャルなんぞ一度も顔を出したことのない矢吹は脳内物質がすべて「?」で埋め尽くされるのを感じた。
「チャチャチャはON2の足型で、間にチャチャチャが入るんです。こんな感じです。」
踊れないガンダム見事復活!on2が怪しい上にチャチャチャだとう?なんじゃいそりゃー。(松田雄作風に)曲の残り時間1分30秒身体中の悪い汗が全部できったところで1曲終了した。岩盤浴でもこんなに悪い汗は出ないはずだ。
ひとつの欲望が矢吹をうずまいていた。イントラ相手にそれはタブーだということは基礎知識として持っている。。。でも今のはあんまりだ!残り3曲でチャチャチャってそりゃムチャだ。認識が間違っていなければプラチナはON1のイベントだ。
「あのーもう一曲踊ってもらえませんか?」
勇気を振り絞ってa-junに告ったその刹那、慈愛に満ちた微笑が般若の面のようになるのを確かに見た。
うわあああ ごめんなさい ごめんなさい。。。もうしません!とりあえず頭部を守って防御の姿勢になっていたら、
「生徒さんたくさんいるから、ホントは2曲続けてなんてありえないんですよ?特別ですよ?」
また慈愛に満ちた、それでいて攻撃的な表情に戻ると、矢吹のリクエストどおり2曲目のリクエストに応じてくれた。
踊り終わるとそそくさと北沢タウンホールの12階から一人お先に失礼した。モタモタしてると2基しかないエレベーターが混み合うからだ。
エントランスフロアを通りかかると、見れば必ず踊って「ごめんなさーいサルサ下手なんですー」を連呼する女性が、ふさふさの胸毛の男に食いついていた。そんなに好きならいっそ撫で回せばいいのに・・・思いながら通り過ぎようとしたら
「やぶきくんブッキーこの後なんかある?サルサ下北沢に遊びに来るよう言われてるんだけど、一緒に付き合わない?」
矢吹にとって行動圏外の場所なので、なんとも回答しにくかったが、聞けばお客さんがいないという。まあ仕方がないか。ボディガード代わりに・・・ということだろう。「一杯おごるから」という条件でサルサ下北沢に向かった。
予想通りサルサ下北沢には客が一人もおらず、かかっている曲もサルサですらなかった。
「ゴメン」謝る女性に「いいよ。疲れたから喫茶店に来たと思えば」
2人で乾杯して歓談を始めたころにマスターが突然言い放った。
「これからa-junとNaomi来るから。」
「うそー??キャー??」
矢吹も今日が初対面で、彼女らが未だに何者かも知らないくせに、はしゃいで見せた。
狭い店内で当然のように密集して座る。A-junと俺の脚は現にひざが交錯している。これはマスターの仕組んだキャバクラ攻撃なのか?そして、その目的は?もしかして法外な席料を請求されないだろうか?
「やっぱサルサはon2やっといたほうがいいと思うんですよ。」いきなりa-junが口火を切った。今日on2の概念を知った俺は極力目を合わせないようにした。そしたら隣に座ったNaomiも援護射撃に回る。絵に描いたようなチームプレイだ。「さっき2回連続で踊ったんでしょ!?もう決まりだね!ガハハハハ!」とNaomiが背中をバンと叩く。いやまじ痛いんすけど。。。
連れの女性の方はというと、この攻撃に対し
「私は社交命なんで、サルサは遊びです!かけもちでやるつもりはありません!」
とブーマーにブラッシュボールを投げるような発言をしていたが、幸い他のダンスにも一定の理解とリスペクトを持っている二人は、その発言が理由で般若の面になることはなかった。
ってことは、2人の攻撃を俺一人で受け持つはめになるわけで・・・
「ブッキーやってみたら?楽しそうじゃん。」
て・てめえ寝返りやがったな。
その後a-jun講演会だった「ON1とon2は何が違うか?それはとる拍が表拍でとるのがon1、裏拍がon2」「つまりJazzノリ・マンボノリはon2に向いていてで、それ以外はOn1ということになります。」「ON1に向いた曲、On2に向いた曲いろいろありますが、基本的にすべての曲はどちらでも踊れるようになっていrます。たとえばOn1に向いた曲でも2-6にアクセントがある曲はたくさんありますし、ベースは裏を奏でていることがほとんどです。ただここで向いているというのは、あくまでも向いているだけであって踊ろうと思えばすべての曲はON2でも踊れます。同様にOn1も」
。「さっき2回連続で踊ったんでしょ!?もう決まりだね!ガハハハハ!」Naomiが背中をバン!!と叩く。マジ痛いんすけどー。
昔新入社員の頃に組んだなんの役にも立たなかった無限ループプログラムを思い出した。これでいうとY/実行をしない限り永遠にうんちく >勧誘 >うんちく > 勧誘 そのループから逃れられない。
10数回目のループのとき
「わかりました。明日スタジオにPFレッスンの見学に行きます。終電近いんでそろそろ…」
根負けした。
終電目際だったし。帰れなくなるし。
見るだけで終わるなんて甘い幻想は今までの数々の経験でさすがに学習していた。
【続く】
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その日はHya-Queのa-junとNaomiがレッスンを担当したがペアパートはずたぼろでブロークンハートだった。もちろんレッスン直後はON1でいつもどおり踊り倒したのは言うまでもない。
さて残り3曲となった時、a-junがフリーでふらふらしているのを発見!躊躇なく声をかけた!踊った!ON1で!しかもなんちゃってキューバンで。しかしなんか曲と違和感がある…なんだろう…
「あのーこれチャチャチャですよ?」
「はい?なんすかそれ?」
ソーシャルなんぞ一度も顔を出したことのない矢吹は脳内物質がすべて「?」で埋め尽くされるのを感じた。
「チャチャチャはON2の足型で、間にチャチャチャが入るんです。こんな感じです。」
踊れないガンダム見事復活!on2が怪しい上にチャチャチャだとう?なんじゃいそりゃー。(松田雄作風に)曲の残り時間1分30秒身体中の悪い汗が全部できったところで1曲終了した。岩盤浴でもこんなに悪い汗は出ないはずだ。
ひとつの欲望が矢吹をうずまいていた。イントラ相手にそれはタブーだということは基礎知識として持っている。。。でも今のはあんまりだ!残り3曲でチャチャチャってそりゃムチャだ。認識が間違っていなければプラチナはON1のイベントだ。
「あのーもう一曲踊ってもらえませんか?」
勇気を振り絞ってa-junに告ったその刹那、慈愛に満ちた微笑が般若の面のようになるのを確かに見た。
うわあああ ごめんなさい ごめんなさい。。。もうしません!とりあえず頭部を守って防御の姿勢になっていたら、
「生徒さんたくさんいるから、ホントは2曲続けてなんてありえないんですよ?特別ですよ?」
また慈愛に満ちた、それでいて攻撃的な表情に戻ると、矢吹のリクエストどおり2曲目のリクエストに応じてくれた。
踊り終わるとそそくさと北沢タウンホールの12階から一人お先に失礼した。モタモタしてると2基しかないエレベーターが混み合うからだ。
エントランスフロアを通りかかると、見れば必ず踊って「ごめんなさーいサルサ下手なんですー」を連呼する女性が、ふさふさの胸毛の男に食いついていた。そんなに好きならいっそ撫で回せばいいのに・・・思いながら通り過ぎようとしたら
「やぶきくんブッキーこの後なんかある?サルサ下北沢に遊びに来るよう言われてるんだけど、一緒に付き合わない?」
矢吹にとって行動圏外の場所なので、なんとも回答しにくかったが、聞けばお客さんがいないという。まあ仕方がないか。ボディガード代わりに・・・ということだろう。「一杯おごるから」という条件でサルサ下北沢に向かった。
予想通りサルサ下北沢には客が一人もおらず、かかっている曲もサルサですらなかった。
「ゴメン」謝る女性に「いいよ。疲れたから喫茶店に来たと思えば」
2人で乾杯して歓談を始めたころにマスターが突然言い放った。
「これからa-junとNaomi来るから。」
「うそー??キャー??」
矢吹も今日が初対面で、彼女らが未だに何者かも知らないくせに、はしゃいで見せた。
狭い店内で当然のように密集して座る。A-junと俺の脚は現にひざが交錯している。これはマスターの仕組んだキャバクラ攻撃なのか?そして、その目的は?もしかして法外な席料を請求されないだろうか?
「やっぱサルサはon2やっといたほうがいいと思うんですよ。」いきなりa-junが口火を切った。今日on2の概念を知った俺は極力目を合わせないようにした。そしたら隣に座ったNaomiも援護射撃に回る。絵に描いたようなチームプレイだ。「さっき2回連続で踊ったんでしょ!?もう決まりだね!ガハハハハ!」とNaomiが背中をバンと叩く。いやまじ痛いんすけど。。。
連れの女性の方はというと、この攻撃に対し
「私は社交命なんで、サルサは遊びです!かけもちでやるつもりはありません!」
とブーマーにブラッシュボールを投げるような発言をしていたが、幸い他のダンスにも一定の理解とリスペクトを持っている二人は、その発言が理由で般若の面になることはなかった。
ってことは、2人の攻撃を俺一人で受け持つはめになるわけで・・・
「ブッキーやってみたら?楽しそうじゃん。」
て・てめえ寝返りやがったな。
その後a-jun講演会だった「ON1とon2は何が違うか?それはとる拍が表拍でとるのがon1、裏拍がon2」「つまりJazzノリ・マンボノリはon2に向いていてで、それ以外はOn1ということになります。」「ON1に向いた曲、On2に向いた曲いろいろありますが、基本的にすべての曲はどちらでも踊れるようになっていrます。たとえばOn1に向いた曲でも2-6にアクセントがある曲はたくさんありますし、ベースは裏を奏でていることがほとんどです。ただここで向いているというのは、あくまでも向いているだけであって踊ろうと思えばすべての曲はON2でも踊れます。同様にOn1も」
。「さっき2回連続で踊ったんでしょ!?もう決まりだね!ガハハハハ!」Naomiが背中をバン!!と叩く。マジ痛いんすけどー。
昔新入社員の頃に組んだなんの役にも立たなかった無限ループプログラムを思い出した。これでいうとY/実行をしない限り永遠にうんちく >勧誘 >うんちく > 勧誘 そのループから逃れられない。
10数回目のループのとき
「わかりました。明日スタジオにPFレッスンの見学に行きます。終電近いんでそろそろ…」
根負けした。
終電目際だったし。帰れなくなるし。
見るだけで終わるなんて甘い幻想は今までの数々の経験でさすがに学習していた。
【続く】