そう、自然栽培の肥毒を抜いていく道と同じなのよね | 大田区鵜の木さろん楓★料理家 印南真帆のブログ「食べることは生きること」

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さろん楓ふなだまほです。

いつもありがとうございます。



自然栽培と呼ばれる農法があること、ご存知ですか?



これは、無農薬であることはもちろん、
肥料もまったく使わずに、
土、太陽の光、水のみで作物を育てていくという
無農薬無肥料栽培です。



「奇跡のリンゴ」で有名な木村秋則さんの栽培法と同じですね。

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有機栽培というのは、たとえ無農薬だったとしても
有機肥料は使われているんです。



減農薬のものでも有機、オーガニックと呼ばれたりする。



つまりは、法で定められている範囲であれば
たとえいくらかの農薬を使っていても
「有機」と表示できちゃうというトリックがあるんです。



その点において、有機栽培とこの自然栽培は決定的に違うんですね。



その自然栽培のお米や野菜をとり扱っている会社に
ナチュラルハーモニー という会社があります。

…本気の会社です。



最初に宅配をお願いしたとき
泥んこの形の悪い、不揃いな野菜が届くと勝手に想定していたのですが
ぴかぴかの立派な形をした野菜の優等生が届いて驚きましたっけ。



この会社は自然栽培を普及するという使命があります。


それには自然栽培を志す農家さんがいなくてはならない。
そうした先駆者の方たちの生活が保障されなくてはならない。

なので、通常よりは高く野菜を買い取っているのだそうです。


だから、私たち末端の消費者にとっても決してお安くはないという形になる。
だからこそ、自然栽培の中の最上の優等生が届けられるという現実もある。



本来だったら、農薬や肥料の費用がかからない分、
コストは抑えられるはずなのですが、
そうはなっていないところが現代農業の歪みですよね。
(ネパールでは泥つきの自然栽培の野菜のほうが
手がかかっていないためはるかに安いと聴きました)



食べ物を農家の方たちに依存している私としては、
今は、そうやって買い支えることが「できること」というわけで、
ここ6~7年でしょうか、自然栽培のお米と野菜に
からだを支えてもらっています。



でね。



慣行栽培、有機栽培を施してきた土地を
自然栽培に切り替えていくチャレンジをしている
自然農家さんたちが全国に少なからずいらっしゃいます。



その人たちが自然栽培に向かう姿や手記を読んで
私はいつも「そうそう、そうなのよ~」とうなづいています。



まったく同じだなって思うんです。



何が?



自然栽培への取り組みと
ACの癒しへの取り組みが。



舞台が土か、自分の心かという違いだけで
耕し方が一緒なんです。


姿勢が一緒。



この自然栽培が成立するためには、
過去にその土地に蓄積した肥毒を抜いていく必要があるのだそうです。


その肥毒があると、虫がついたり、作物が全滅したりするのだとか。



農薬や肥料を一切やめたその瞬間から
自然栽培の野菜がすぐ育つわけではない。



それはなかなか困難な道。
一朝一夕で叶うものではない。
長い目で、忍耐と信念をもって取り組んでいく必要がある。



ほら、一緒でしょ?
ACの癒しと。



要は、自然の法則に従ってやっているだけ。



こつこつとした取り組みを続けていると、

突然、ミラクルが起きる!



先日も、野菜たちと一緒に届いたチラシに
自然栽培の先駆者である高橋博さんの言葉が掲載されていまして、
またまた、あー、同じこと考えてる!と思ったわけです。



ということで、高橋さんの言葉をご紹介しますね。



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「仕事を持つこと。
このことを本当に新規就農する人には伝えておきたい。

厳しさを迎えることを覚悟すること。
それは肥毒という過去の清算をすることだ。
病気や虫が作物に現れるかもしれない。

そのとき、肥毒が抜けてくれていると思えるかどうかで
気持ちの持ちようは変わってくる。


私は自然栽培を始めてからも農薬を使ってスイカを
11年作っていた。


それはこの農業は自分ひとりの農業ではないからだ。


世界を目指していた。


そして広める力を持つには「裏と表」その両方を知る必要がある。

両方を知って初めて力になるんだよな。


新規就農の人には、裏を見たがらない人も
いるけれど、それでは力にならないこともある。」



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研修を終えて、新規就農した方たちが
いざ自分の土地、現場に戻って、
学んだ自然農法を実践してみる。



けれど、知識は得ることができても、

現実はそう簡単に進まない、ということが起きるといいます。



肥毒を理解できていれば、
肥毒が無くなれば虫は来ないと解かるわけだけれど、
それでも樹が枯れると心が揺れてしまう。



周りの「常識的な」農家さんの言葉にブレてしまう。
学んだこと、自然栽培のセオリーはちゃんとわかっている。


なのに、原理原則に帰れなくなってくる。

田畑のサイクルですから、そこで判断を間違えたら
優に大切な1年を棒に振ることになる。
それは、即、生活にかかってくるわけですから、
その恐怖たるやいったいどれほどのものだろう…。



「でも、」と高橋さんは誌上で語りかけます。



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「いいかい。
「仕事」(ビジョン)をもって、
自然栽培に取り組んでいくと、
必ず心が揺れるようなことが起こる。


こうしたことは悪いことじゃないんだ。
自分を強くするために起こること。
自分が自然に沿っていくために起こることなんだ。


だけど人間は弱い。
常識と違う本来の農業を、
自然な形で地域に溶け込んで進めていくのには
一人ではだめだ。

だから仲間をもつことだ。

自然栽培全国普及会を作ったのもまさにこのためだ。
仲間の経験と思いを共有することが大切だな。」



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ほら、みんなの和の中で自分と向き合おうって
AC勉強会と一緒でしょ?



また、高橋さんは言っています。


「おれとしては研修から出て行っても、
3年は見ていないといけないという思いがあるんだ」



これも一緒の思いなんです。



起こっている悪いことをすべて自分のせいにしてしまうあなたへ


けっこう長い道のりだから
ふなだまほに気に入られようと頑張る必要はないし
私に対して、ムカついたり、反発したり、
そういう思いをもってくれていいよ、と言ってます。



それでも、やめないで一緒に歩き続けられたらいいなって。



そもそもそういう感情を持つことも自然だし、
一度ドロップアウトしてしまうと、帰ってくるのが難しくなる。
再チャレンジが怖くなる。
結果的に何重にも傷つくことになる。



そんなふうにならずに進める道を
共に模索したいんです。



私にとってもチャレンジです。