さろん楓ふなだまほです。
いつもありがとうございます。
先週、ミッドタウンでやっている
星野道夫さんの写真展
に行ってきました。
星野道夫さんは、写真家としてだけでなく
文筆家としても、心動かされる作品を遺してきた方で、
どれだけ書棚のダンシャリをしても
その著作や写真集は我が家に残る本となりましょう。
星野さんの作品は、見るたびごとに
今までとは違う新たな感慨を私の中に湧き起こしてくれます。
「自然と人との関わり」を追求し続けた写真家と
評されるけれど。
その日、思いました。
この人は「性=生命力に震え続けてきた人」なんだって。
紅葉がたった一日で終わって
即、冬に突入するような極北の地で、
だからこそ、より際立つ性を見つめ続けた人。
だから、星野さんの写真は、なんとも言えずにセクシーで、
表現しがたい、ゾクッとする感じがある。
からだの奥がうずくような…。
…ムースの交尾の写真がありました。
雄は雄同士の闘いを終え、
雌のテリトリーにやっと入れる。
雌は雌の群れの中で発情している。
その中の1匹が雄と交尾するのだそうです。
しかも、ムースの交尾はたった一瞬。
その一瞬を撮った写真がすごい。
「シャッターを押す手が震えた」という言葉が添えてありますが、
見ているほうも息を呑む。
カリブーの季節移動をヘリから撮った写真は
本当に圧巻でいつ見ても鳥肌が立ちます。
「この土地が内包する生命という潮の流れ」という
キャプションにあった言葉を見て、
ああ、その流れこそ女性の潤いであり、流れだなって思いました。
毎回この写真を見て鳥肌が立つ理由が
自分の中で腑に落ちた気がします。
ドキドキするような、
でも言葉にならない、
でも子宮がズキンとするような感覚。
だから、星野さんの写真は、
私は大切な人とだけシェアする
宝物のようなものなのかもしれない。
★ ★ ★
「性」を見つめるひとつのアプローチとして、
自然界の営みに目を向けてみるのも一案と思いました。
『性を見つめる その1』
でも書きましたが、
16日のはるちゃん主催の会から、
さろん楓での19日までのジェムリンガの集いを通して
「性」「セクシャリティ」の話に圧倒されてしまった方も
少なくないと思うのです。
どうか「私はまだまだ」「未熟」などと解釈しないでくださいね。
「性」「セクシャリティ」は、勉強することではなく、気付くもの、感じるもの。
既にあなたの中にあるものです。
「性」に関して、人間が余計にくっつけてしまった
尾ひれを取り払って、自然界の当たり前の営みの中の
「性=生命力」「いのちの本質」を感じてみる時間もすてきです。