親を信頼して生きることができなかった人々。
それは本当に哀しいこと。
自分で道を切り開かなければならなかったから
生きてくるのがものすごく大変だった。
でも、その憤り、不安、失望がその人を強くした。
その人に降りかかったあらゆる体験が
その人の道徳観や責任感、使命感を強くした。
それは確実にその人の力になった。
それは、誰のおかげ?と考えたとき、
あくまでもその人の力ではあるけれど、
よりズームアウトして眺めてみると
それは「ダメ親」のおかげなのだ。
これぞ「反面教師」
でも、反面であれ「教師」であることに変わりはない。
そんな「ダメ親」ですが、
ご先祖さまからは有難がられ、
しっかり守られているそうですよ。
なぜって?
その子をこの世に誕生させたから。
「ダメ親」のおかげで
子が「しっかり立った」から。
…田中数人さん
から聞いたお話です。
私は、父の生き様から
「どんなに才能があっても、
どんなにいい仕事をしても、
どれほど人から評価されても、
自分の評価をすべて人に委ねてはダメなのだ。
自分で自分を評価しなければ、幸せではない」
ということを強烈に学びました。
同時に、人との繋がりを大切にしなければ、
孤独で寂しい人生になるということも強烈に見せ付けられました。
思えば、ものすごい教えを頂いていたのですね。
反面であれ、教師であることに変わりはない。
「親は、正しい教えでもって子を導かなければならない」
という固定観念に邪魔されていましたね。
父を卑怯だと憤り、責めてきた時期を経て、
「こんな親だったけど、
それは哀しいことだけど、
そこから私は多くを学んだ」と
今まで捉えてきていたのですが、
また、私の物語が書き換わりました。
「こんな親だったから・・・」ではなく
「あの父のおかげで」今の私があるんですね。
不器用だけど、嘘なく生きてきた人であることは紛れもない事実。
中学生のとき、この写真好きだなぁ…と思って眺めていた
とある出版社の広告の写真が、父の作品だと知ったとき、
本当に驚いたっけ。
子は、勝手に親の背中から学ぶべきものを学んでいく。
だとしたら「親として」ではなく
「自分として」ただ信ずる道を進むのみ、だなと
改めて思う6月の夜。
この季節、いのちの成長のために必要な潤いがそこここに溢れていますね。