在韓日本人界隈、最近この話題が注目を集めています。




    孔徳洞にあるジャパニーズバーに捜査が入って、ワーホリ資格で働いていた日本人16人が強制退去になったというもの。



   この問題、病巣がいくつかに分けられそう&それぞれにヤバい強制退去予備軍も多そうなので、ちょいとこの問題について書いてみたいと思います。


外国で働くということ

   就労系のビザを持っていない場合、基本的には就労してその国で収入を得ることはできません。おそらく通貨の流出を防ぐというのが一番の理由でしょう。就労系のビザの場合は、指定の会社でのみ就労が可能で副業などを自由にできるわけではありません。


   留学ビザは留学を目的に滞在しているということなので本来働くことを目的とはされていません。

   結婚ビザは結婚が滞在目的ですが、結婚とは生活であることだからということなのか、これは自由に就労できます。結婚ビザのデラックス版とも言える永住ビザも同じく就労自由です。ただし、なんらかのビザで滞在している人の家族がもらえる同伴ビザは結婚してるからという理由で発行されますが就労はできません。


   この中で自由に働ける結婚または永住以外のビザで働く場合、滞在資格外許可の申請をする必要があります。働くのではなくても、就労のビザで滞在しながら学校に通うような場合も滞在資格外活動許可が必要ですけどね。


   ワーホリビザは観光就労ビザなので、働くことができます。しかし観光がメインなので働かないことも自由です。というか、本来働くためのビザではありません。医療や風俗などの業種は就業不可です。



    長くなりましたが、以下の場合『あなたもなれる!不法就労外国人』。

1. 留学や観光のようなビザで滞在資格外活動許可を申請せずに働いた場合


2.ワーホリビザであっても就労禁止職種で働いた場合


今回の件は2.のパターンだと思います。




不法就労の責任は?

    自分のビザではその業種で働いてはいけないとは知らなかった…、いくら知らなかったでも、責任は免れません。今回の事件で、このことは多くの人が指摘しています。それと同時に、1.のパターンで不法就労している人のことも念頭において発言してるなと思えるコメントも目にします。この1.のパターンについて少し気になることがあるのでそれを書いていきたいと思います。



   本来、滞在資格外活動許可の申請は働かせる事業所が申請すべきものなのです。この大前提を理解していないまたは理解していないふりをしている事業所が99%。そのため、資格外活動許可を取ることなどについて話を持ち出すのはだいたい被雇用者となります。外国語で外国の法律をよく調べて、自分がそれに該当するか確認し、必要な手続きを把握する。よほど 物好きな まじめな人でもなければ、これをしなきゃと思いたちもしないかもしれません。

  が、状況はそればかりではありません。先程も書きましたが、多くの事業所は申請の責任は自分だと思っていません。そのため、頑張って資格外活動許可の手続きが必要だということを突き止めて、それをやりたいというと、被雇用者側のワガママなお願いを事業所が聞いて、やる必要もない面倒な契約書発行などをやってあげる、というスタンスになります。ただでさえ強い雇用主の立場がさらに強くなり、ワガママを聞いて資格外活動許可の申請をさせていただいたので、今後は出来るだけご迷惑をかけないように雇用主のなすがままになります、くらいの関係になりかねないわけです。


  繰り返しますが本来資格外活動許可は雇用主が入管に申請するものですが、なぜか、バイトさんたちのワガママで申請したがってるので雇用主が協力してあげるスタンスになっているのです。


   そのため、資格外活動許可の申請手数料などはバイトをする人が自腹で払うことになります。



  本来は雇用主が申請書類である雇用契約書や事業者登録証のコピー、申請書、手数料などを準備して申請をするはずのものが、『学生の留学資金稼ぎのために働いてもいいことにしてあげよう』という行政側の謎の思考が軽く挟まってるせいで、現状は、働きたい学生が雇用主にお願いして契約書などを発行してもらった上にワガママにもすぐに働くこともせず、雇用主に特別待遇として勤務開始日を待ってもらって入管に行き、自腹で◯万ウォン払って行政と雇用主にお願いして取らせてもらうものとなってるんですよね。




    この手数料。バイト初日の日給分くらい飛んで行ったりします。はっきり言って、わりに合わないなんて仕事だらけです。いきなりクビにもなるし、時短にもなるので余計に。多くの場合、『アルバイトなんだから、契約書なんてないでしょ、普通』と、せせら笑う雇用主を相手にバトルして、ええ、バイト開始前に雇用主とバトルして、自腹切らせていただく制度なのです。


   …よほどの 物好きの変人 真面目さんでもない限り、これを何度もやるモチベーションは保てないでしょう。




    もちろん、だからといって、不法就労を大目に見ろとか、不法就労は仕方がないとは言いません。簡単に「留学中にバイトしよう」って思ってる人はこのことを念頭において欲しいし、簡単に「働きたいなら許可取ればいいじゃん」って人ごととして言ってる人にもこの状況は念頭においておいて欲しいと思うんですよね。

    ついでに言うと、どんなに合法的にしっかり許可とろうとしてても、どうしても許可取れない(入管が面倒がって取り合ってくれない、または、入管が暗黙の目こぼしするから許可とりとかこないで欲しいと思ってる)こともありますからね。それが意外と多いってことも頭の片隅に置いておいてほしいです。ここのグレーラインの扱いはほんと難しいですよ。














おまけ)資格外活動許可申請を面倒くさがって不法就労させようとする雇用主を脅す文句をお教えします。今回のように不法就労が発覚すると、働いてた方も働かせてた方も罰金(&国外退去)が課せられます。聞いた話では1億ウォン(条件などあるので実際は違うかもしれません)。多少盛ってるとは思っていますが、次のように言うと比較的動いてくれます。

「もし、私が資格外活動許可を取らずにあなたの会社で働いてるのが入管にバレたらあなたの会社は1億ウォンの罰金を取られますよ」

  「私が国外退去になるんです」なんて言ったって「どーぞ、どーぞ」と言われるだけですので、雇用主の会社が多大な罰金取られると言ってください。数字はもちろんホントの数字の中で最も高額の場合のが効果的です。








    というわけで、今回の不法就労摘発事件から、資格外活動許可をめぐる事情と私の考えを書いてみました。