どうも改めましてエリオスです。
昨年6月20日にねこ福にやってきました。自己紹介がまだでしたね。
2月22日「猫の日」だからキミに1枠預けるよと言われた!
では、張り切ってごあいさつしたいと思います。
こんにちわ〜!!!
「エミリオ」から「ミ」を取って音をあわせて「エリオス」。
エミリオって誰?
残念ながらぼくはエミリオくんの生まれ変わりじゃないよ。
ゆきづりで、ここは居心地が良さそうだったから住むことにした。
正確にはね…、
ぼくを迎えにきたえみしゃんがすごく寂しそうに見えたんだ。
だから、ぼくたち兄弟でこの人を笑わせてあげようって心に決めてたんだ。
運ばれてくる間にね。
ま、本人は寂しいとかそんなんじゃ全然なかったみたいで、「あんたが来てから生活がめちゃくちゃよ!」って怒ってばっかいる。
静かにゆったり、じっと考えごとしたり、お家を整えたりして過ごしたかったみたいだね。
ぼく、そんな人間知らなかったしね、全力で好きアピールしたよ。
一緒に拾われたポルクスなんかは「遊んであげる〜♪」って熱心に飛びかかってた。
オレ絶対に喜ばれてるって信じてたよ。
なのに自分の方が手放されることになって、すごく悲しんでたな。
ぼくがここに残れたのは、えみしゃんを呼ぶ時の鳴き声がエミリオさんという大先輩にそっくりだったからみたい。
万が一エミリオの生まれ変わりだったら…と思えてきたらしく、里親さんの募集を中止したんだって。
ぼくは出会ってすぐえみしゃんのことが大好きになった。だから最愛の気持ちを込めて呼んでたの。エミリオさんもえみしゃんのことを本当の母親のように思ってたんだろね。
今はどうかって?
生活が滅茶苦茶になったと言われて最愛でいるのは難しいね。
だけど、人間が猫と同じことをして1日を過ごせるものでもないってわかってきた。
ぼくが素敵って思う世界に無理に引き込むのはちょっと違うみたいだね。
さみしい。
だけど、ずっとここに居たい。
リュシアンさんはとてもやさしい。
ポルクスのように夢中で一緒には遊んでくれないけれど、相手はしてくれる。
プロレスはしたくないみたい。
リュシアンさんはとても心配りの深いひとで、家主が嫌うことをよく心得てる。
ぼくにもよく指導してくれる。
すごいよ、ケーススタディーさ。
わざとテーブルに登って、「コラッ!」っと言われたら引き下がる。そんなのを実演して見せて、チラッとこっちを見るんだ。こうやるんだって。
頼むから家の平和を乱さないでくれ…って感じかな。
ぼくがここに居るのを許されたもうひとつの理由は、ぼく賢そうに見える。
当時のぼくさ。とても聞き分けの良い子に見えたみたいだね。
それで、大丈夫かなと気を許されたみたい。
確かに賢そうだ。
…今のぼくは、愛嬌で誤魔化すって技を覚えた。
やりたいことは全部やって、あれ〜どうしたの?って素知らぬふりをするんだ。
ケロッとしてまた全力でつきまとうの。
みんな根負けするんだ。
もしかして私この子のこと好きなのかしらっと錯覚させるの。
相手は自分の鏡。
ばくがあなたのこと大好き!って熱烈に思っていたら、相手もぼくのことが好きになる。
そんな法則があることに気付いたんだ。
遠慮しないで全力でやりたいことをやる。迷惑も顧みず。
で、おまじないは「あなたのこと大好き!」
これであのアントワーヌさまのことも制したよ。
相変わらず厳しいけどね。でも、出て行けとは一言も言われなかった。
こうやってぼくはぬくぬく我が家を手に入れた。
誰がなんと言ってこようが、子供だけどぼくには修羅場をくぐってきた強さがある。
口内炎がひどくて栄養失調になったポルクスを連れて草むらをさまよった。
食べたいのに食べれない弟のために、ぼくは大きな声で夜通し助けを求めて鳴いた。世間が静まる夜じゃなきゃ、ぼくの声は届かない。
ぼくも声が枯れてしまった。
雨が降った。
信頼できそうな人が住んでるお家を探した。
もうポルクスの足取りがフラフラになってきたある日、お兄さんがチュールをくれた。
そして家の玄関にかくまわれた。
しばらくしたらえみしゃんがやって来た。
そう言うことなんだ。
あの日のぼくとポルクス。
口の中が痛すぎて思うように食べれないポルクスは、ぼくの半分くらいの大きさだった。
今では里親さんのところでモリモリ食べてぼくより大きくなってるよ。
ぼくもポルクスも本当にひもじかった。
触れるとすぐ骨。皮と骨がこんなにくっついてる猫を見たことがないって、えみしゃんはギョッとしてた。
死なせてしまうかもしれない…って、2−3日はもう付きっきりで様子みてくれてたね。
正直、ねこ福に到着したときは安心と疲れと空腹でぼくたちはもう意識朦朧としてたんだ。
『しまった…。』むっちゃ焦ったって後から人に話してるの聞いた。
ぼくたちは覚えてないけど。
あの体験からすれば、世の中全てはバラ色だよ。
懸命に生きなくちゃて思うんだよ。
今となってはブチ切れて睨みつけてくるえみしゃんだけど、懸命に思いつくことを全部やってくれてた。
繋がれた命は100%楽しまなくちゃいけない。
お皿が割れただの、植木鉢が割れただのと、えみしゃんはイキリ立ってくるけれど、それはぼくの懸命さの代償さ。
君はどんなお家で育ったの?って、連れて帰られる車の中でえみしゃんに聞かれた。
ぼくはすごく悲しくなった。
生まれたところに住んでた家族は仲が良くて沢山喋る人たちだった。だけど、ぼくたちにはすごくキツく当たって追い払われてたんだ。
ぼくにお家なんかなかった。
「大事にしてもらえるお家を探そうね。」って言ってくれた。
うん、ぼくの居場所はもう決めた。
ぼくとポルクスですっごく楽しい家にしてあげようって、運転してるえみしゃんの顔をずっと見つめてたんだ。
みなさんの知らないぼくのストーリーは以上です。
ここから先はご存知の通り。
ぼくの圧倒的に相手が好き!って性格は生まれもったものもあるだろうけど、
幸せになるための揺るがない決意の表れでもあるんだ。
このマインド、たくさんの人に感染させたい!