映画『ジャコメッティ 最後の肖像』 | 山里リトリート 古民家ギャラリーねこ福 大阪高槻 神峰山の里

山里リトリート 古民家ギャラリーねこ福 大阪高槻 神峰山の里

Timeless Comfort ~ 時間が止まる龍宮城 ~
築130年古民家をリノベーション、大地からの贈り物に包まれて内観するための空間をご提供しています。こだわって過ごす交流の場にも。大阪駅・京都駅から1時間、奇跡のアクセスで桃源郷へ♪

最近、芸術家の伝記もの映画の製作が流行っているのですかね。

今日は、アルベルト・ジャコメッティという彫刻家の映画を観てきました。

 

あ〜、疲れた。

 

これ、よくぞ日本で公開したなと思いました。

作家自体もそれほど知られていないうえに、

作家の製作過程を描写した息詰まる展開で決して楽しい作品ではない。

 

東京と名古屋で大きな回顧展をやっていたから抱き合わせ企画なんだろうな。

ファンなら嬉しいけれど、それ以外の人は楽しめるのか?

不思議に思いながらの鑑賞でした。

 

 

アルベルト・ジャコメッティとは、

こんな作品を製作して20世紀前半パリで活躍した芸術家です。

 

 

以前にも記事にしたことがあるのですが、

この人物たち、なにか我を見ているようで他人な気がしません。

回顧展は行けなかったけれど大阪で映画があるなら行かなきゃ、

しかもロングランには決してならないはずだから急がなきゃ、

ということで年明け早々、予想通りに重苦しい映画を観ることに。

 

彼のモデルを引き受けたアメリカ人芸術評論家が目撃した製作活動を

リアルに再現していく単調なストーリー。

伝記ものでは変に脚色がないのが誠実で良いけれど…。

 

芸術家を主人公にした映画は奥深いところでの抑揚表現を追求するので、

娯楽としてみるにはちとツライことが多い。

そこのところ、フランス映画はエスプリを利かせて埋めあわせるのだけれど、

アメリカ映画にはその機微を期待できないので、惜しい出来栄えだったかな。

バルボッサ(笑)には芸術家らしくプッツンと切れる線の細い演技をして欲しかった。

 

製作の合間に彼がこぼすセリフは人生哲学そのもの。

芸術家はその作品の中に自身の人生を生きているのですね。

正解もなければ完成もない。

どこかで折り合いをつける点を見失うとドツボにはまる。

製作活動中に名声を得ると世間の目が気になりだして、

かえって自信を失ってしまう。

高尚な領域に挑む割には人間くさく、脆い。

 

写真の普及で絵画に写実性をもたせる価値がなくなったこの時代の作家たちが

直面する新しい表現方法への挑戦。

「目に見えるままに描きたいのだ」

と作家は何度も叫んでいましたが、

その目に見えるとはいわゆる視覚で捉えた物体ではないでしょうね。

だって、こいった作品に仕立て上げるのですから…。

 

      

 

作家のひととなりの片鱗を知ることができて、

なぜ彼の作品があのような表現をとるのかが、

なるほどなぁっと思えて興味深かったです。

 

 

 

この後も、アーティスト映画は目白押しのようです。

ゴーギャン『タヒチ、楽園への旅』

ゴッホ『最期の手紙』(油絵アニメーション)

ロダン『カミーユと永遠のアトリエ』

 

楽しみのような、また重苦しいのか…と、ちっと二の足も踏む。

今までにもこの手の映画は、映像は抜群に美しかったから

もう一度観たいと思いながら観たことはない(笑)

 

それくらい創作活動とは産みの苦しみをともなうもの、ということですね。


 

 

『ジャコメッティ 最後の肖像』

 

私は楽しめたけれど、皆さんにお薦めできるかというと微妙かな。

徒然映画紹介でしたm(._.)m


 

 

 

ギャラリーねこ福では月1回、映画鑑賞の交流会をやっています。

今月はこちら。

映画好き集まれ〜♪「リトル・ブッダ」鑑賞会&語り合うランチタイム
【日時】1月20日(土)11:00〜15:30
【内容】映画上映、鑑賞後ランチ会
(お惣菜は各自ご持参下さい)
【料金】3000円(ご飯とお味噌汁をご用意します)
【場所】Galerieねこ福
 今回から参加費を変更させていただきました。

開催要旨はこちらで詳しくご案内しています。


お申し込みはこちらから♪


共催の加藤由加里さんも案内記事を書いてくださっています。

今年も開催します!!今月のテアトルねこ福のご案内♪

 

是非ご参加ください♪