以前、私の受講生であるネイルサロンのオーナーがこんなことをぼやいていました。
お客様から電話で、専門的な質問に答えられないでオドオドしているスタッフがいても、
なぜ、側にいるのに電話代わってあげないの?というと
「頼まれたら代わったのですが、特に頼まれなかったので・・・。」
接客業、特に美容サロンですから
スタッフは優しく気遣いや気が利く性格であるに越したことはありません。
今日は対人関係の極意:優しさについて、前回に続きエゴグラムの指標に照らし合わせながらお伝えして参ります。
エゴグラムにおける「NP(Nurturing Parent:養育的な親)」は、
人の世話を焼くこと、他者に対する共感や支援の姿勢を表します。
美容室やエステサロンのようなサービス業において、NPのレベルは特に重要です。
20点満点中、最低12点以上が望ましですね。
サロンの現場での例を挙げて、NPが高すぎる人と低すぎる人の特徴を説明します。
◆NPが高すぎる人の特徴
過度のお世話焼き:
例:顧客のニーズに対して過剰に反応し、必要以上のサービスを提供してしまう。
自分の健康やプライベートな時間を犠牲にしてまで、顧客の要望に応えようとし、休日出勤や時間外労働、不要なお誘いを断れないなど。
◆NPが低すぎる人の特徴
共感の欠如:
例:顧客の感情やニーズに対して無関心であったり、共感できない。例えば、顧客が寒そうにしていて気づかず、暖房や温かいお茶などリラックスさせる努力をしない。
咳をしていても大丈夫ですか?お水か飴をお持ちしますか?などと声をかけれない。
このような気づかいや、気が利かないスタッフというのもNPが低い典型です。
NPが低い人は、他者のニーズや感情に対して共感を示すことが少なく、
積極的に他者のために行動を起こすことが少ない特徴があります。
他者の感情や立場に立って考えることが難しく、
他者の困難や必要性を自然と理解することができません。
他人の問題や困難に対して無関心であるか、それが自分の責任範囲外であると感じることが多いです。
では、どういう人がNPが低くなるかというと
子供の時に養育者から
子供が他人のために何かをしようとしたときに、
「余計なことはしなくていい」「自分のことだけを考えなさい」
「自分のことは自分でやりなさい」というように育てられた場合や
子供の自立性を強く重視し、他人への依存や介入を奨励しなかった場合。
ほかにも、スキンシップや愛着行動が少なかった場合が考えられます。
次に、このようなスタッフが自社にいる場合、どうしたらよいでしょうか?
(まずはNP12以下を採用しないことが懸命ですが)
1, 明確な役割と期待の設定:スタッフには具体的に何が期待されているか、どのような行動が求められているかを明確に伝えます
2, フィードバックとサポート:スタッフの行動や姿勢について定期的なフィードバックを提供し、改善に向けたサポートを行います。
3, チームワークの重要性を強調:チームとして協力し合う文化を育成し、それぞれが他者の支援にどのように貢献できるかを強調します。
一方、NPが高過ぎ(18~20/20点満点)もまた問題があります。
過保護になりすぎ、部下が育たない、あてにされる、甘くみられる(どうせやってくれる)
サービス業は優しさと気遣いが売りです。
顧客対応だけでなく、サロン内のチームワークにも関わります
まずは採用が一番
次に気遣いのデキるスタッフの行動やふるまいに脚光をあて、
ことあるごとに褒めることも効果的かも知れません。