妻は車上の人となった。

そういえば、妻父の職場の電話番号を聞くのを忘れていた。

あわてて104で会社の電話番号を問い合わせる。

幸いにも、妻父の会社は一度聞いたら忘れないかいしゃであったので、すぐ調べられた。


番号をメモり、深呼吸。
 「病院に運ばれましたが、命に別状はないです」

そういう答えだったらいいのに。

そう思いつつも、正直心は最悪の事態のみを予感していた。

こういう予感、当たることの方が多いというのも困ったものだが、完全ではない。

「はい、私ですが…」

妻が話していた会社の人の声。

「あのう、私、働いているYの娘婿ですが、状況はどうなのでしょうか?」

これでよかったか?
何しろあまりない状況で、どう言っていいのかわからない。

「実は、お亡くなりになりました」

あっさり言われた。
本当なんだろうな。でも実感はない。当たり前だ。2ヶ月前電話で話したときは元気だったのだ。

妻がえきに到着したら、そのまま病院に行ってくれるとその同僚の人。

頭真っ白だが、こういうときはすぐに行くしかない。

上司に状況を説明し、1時間早く会社を早退。実家に電話をし、状況を説明。信じられないと言われても、とにかく
北海道についたら連絡すると電話を切る。

人生こうも思いとおりにいかないものか?
初孫を、本当に楽しみにしていたことだろう。

僕ができる、唯一の恩返し

そう思っていたが。

  
Android携帯からの投稿

まずはうさおのプロフィールから


夫 うさお 現在40歳


妻 にゃんこ  30歳後半


長男 カボキチ 平成18年5月生まれ 現在5歳





カボキチが生まれたときは、まさに不幸がまとめてやってきた叫び





午前中仕事をしていたら携帯着信。





にゃんこから。にゃんこは北海道にカボキチくんを生むべく里帰りをしていた。





僕の場合、里帰り出産をすること自体は、本当にありがたかった。





理由1 離れて暮らす妻の両親に、娘と孫を思い存分可愛がってもらえる。





理由2 仕事が不規則なので、(当時は3交代勤務)、育児は思うとうりにヘルプできない。





理由3 実家の両親と妻の関係が良くないので、実家にくだらない介入をされずにすむ。





まあ主だった理由はこんなものか。





子どもが生まれるにあたって、妻と夫の実家が離れている場合、





どこで生むかという問題がある。





うちの場合、妻と僕の両親の折り合いが悪い。





夫としてはうまくやってくれればそれにこしたことはない。





でも、他人がうまくやるということは、そんなに簡単ではない。





結婚して2年目に、妻から離婚覚悟で訴えられ、





悩んだ末に出した答え、





          自分の親は自分で対処をする





それでなんとか夫婦生活つづけてこれた。





里帰り出産も、スムースに進んでいった。





妻の父と電話で話したときに、





いつごろからそちらに帰ったらいいと思うか素直に聞いたら、





「はやい方がいいと思う」





と、さびしそうな声





これは、なるたけ早い方がいいと思い、ぎりぎりに帰ると言い張る妻を説得。





結局出産予定日3ヶ月前に北海道に行くことに。





そこまではまあ順調といっていいかと思う。





にゃんこからは2週間に1回電話





実家の両親もご満悦





僕は一人暮らし暦が長いので、家事はどうってことはない。





休日は自分の為だけに使える。





夫は本当に楽だと思う。





しかし、こんなことになるとは。





「お父さんが病院に運ばれたって、会社から電話があった。娘さんも来たほうがいいっていうのだけど」








まさに臨月、いつ生まれてもおかしくない時期、妻のおとうさんは単身赴任していて、汽車で2時間かかる帯広にいた。





不幸なことは考えたくないが、会社の人が娘も来いというからにには、ただならぬ状況。





それを行くなとは言えない。





まあ生まれたらそのときはそのときだと思った。





「バスタオルを一枚持っていきなよ。もし生まれてもそれで平気だから」





以前雑誌で読んだ記事を思い出した。





かくして、妻は車上の人に。