ずっと放置してた。

放置してたぶん、ちゃんと充実した生活だったよ。


もう5か月たった。

もうすぐ6か月になる。

今の彼とつきあって。


はじめて、恋人のいる春を迎えた。

ここは北国だから、今が桜の季節。

今日が満開だったみたいだ。

昨日、学校の中庭だけど、一緒に夜桜を見た。

ほんのちょっと。ちょっとだけ。

美しさに畏怖すら感じていた桜が

今年は柔らかくてあたたかいものに見えた。


きれい。すごくきれい。


また来年も、昨日みたいに

一緒に桜が見たい。

来年も再来年も、ずっとずっと

いっしょに季節を見たい。


桜も、夏の青空も、秋の紅葉も、冬の真っ白な雪も。

ずっとずっと、一緒にみたい。


このままときをとめて

どこかとおく だれもいないばしょへ

このままときがふたりを

つれさってくれてもいいから



生きてる時間はなんて短いんだろう

毎日毎日、一緒にいられる時間が減ってく。


いつか、セックスもできなくなる。

いつか、抱きしめられなくなる。

いつか、キスもできなくなる。

いつか、愛してるも言えなくなる。


いつか、姿を見ることさえ叶わなくなる。

いつか、触れられない遠くに行ってしまう。


最近、こういうこと考えるとすごくこわい。

大好きで、だいすきで。

いなくなったとき。耐えられる自信がない。


少しでも長く。長く。いっしょにいたい。

バイトも断ろうかな。

パブだから、夜遅いし

一緒にいる時間、減っちゃう。

おとこのひと相手のお仕事だから、

すごく不安がってるのが、やめてほしいのが丸わかり。

無駄な心労かけたくない。

だから。


だいすき。あいしてる。


彼のあいしてる、と、キスがなきゃ、ねむれない。

はやく帰ってきて

キスして。

だきしめて。


あいしてる。

2008年 最初の日記。

実は今年、大殺界。



先日は、彼のバースデーだった。

プレゼント、迷って迷って、

バイトにもつけていけるように、カフスボタンをあげた。

一応ブランドだから、8000円くらい。

学生だから、1万円前後が精一杯。


喜んでもらえるのは幸せなことだ。


その日は外食した。

雪道を、手をつないで歩いて行った。

私がおごろうと思ったのに、靴はいてる間に彼が支払っちゃった。

かなり食べたのに、金額教えてくれないの。


そのあと、ゲーセン行ってプリ撮った。

恋人とプリ撮るとか、私には初めてのこと。

それもこれも、今までが普通の恋愛じゃなかったから。

彼なりの気遣いというか、サービスというか。

私が普通の恋人同士みたいにしてみたいって思ってること、知ってるから。


普通であることの幸せを、感じた日。



同時に、いなくなることの恐怖を感じた日。


彼は、大学に在学しているうちに、留学しようと思ってる。

1年間の短期留学。

その間、私は一人で頑張らなくちゃいけない。

彼も外国で頑張るのだろうから、お互い様なんだけど。


同じ屋根の下、毎日顔を合わせて、一緒に眠って。

これが当たり前の生活になっている中で、

この「当たり前」がなくなることを想像する。


……できない。


不安しか見えないからだ。

卒業も1年違ってしまう。

私が看護師として働いている時、彼はまだ大学生で。

時間も合わなくなる。

ただでさえ、私の病棟実習が始まったら、一緒にいられないのに。


そんな風にマイナスにばかり考えていたら、悪い夢ばかりみるようになった。


私が死ぬ夢。

彼が死ぬ夢。

彼がいなくなる夢。


当たり前、は

当たり前じゃないんだと


認識を改めなくては。



1年間、待てるくらい強くなるために。




今年、はじめて

恋人がいるクリスマスを迎えた。


プレゼントどうしよう、とか

なにしたら喜んでくれるかな、とか


そんな風に悩むことがこんなに幸せなんだって

初めて知った。


大切な人が笑ってくれる。

喜んでくれる。

自分が悩みぬいた結果。

こんな贅沢な悩み、抱えられるだけで幸せだ。


一緒に住んでるから、プレゼントとか準備してたらすぐ分かるだろうって思ってたのに、

知らないうちに用意してあって、

イブの夜にサークルのライブで疲れてたところにサプライズ。

ずっと買おうとして買えずにいた手袋。

女性服売り場を身長180cm近い男がウロウロしてたんだって

想像したら、笑ってしまった。

そんな風に、相手も一生懸命だったんだ、って

思ったら、嬉しくなった。


恋愛って、究極の非生産行為だって

彼が言ってた。

けれどそれは、自分たち2人以外に対してであって。

当人たちにとっては、これ以上ないほど幸せな行為。


そこで生まれるのは、相手のためだけに行われる行為だから。


恋人たちにとっては、これ以上のことはない。

本当にそうだと感じる、2007年の暮れ。

前に書いた人と付き合って、1か月が過ぎた。

実はずっと、彼の家で生活している。

いわゆる、半同棲とかいうやつか。


最近サークルの仕事に追われて忙しい。

きっと一人だったら、とっくに体を壊している頃。

今元気なのは、彼が私のことをものすごく気遣ってくれるから。

食事もすべて、彼が作ってくれる。

私の体調に合わせて栄養バランスも考えて、全部。

ものすごく、申し訳ない気持ちになる。


でも、そんな私の気持ちを知ってか、彼はあたしに言った。


「あったかいご飯作って待ってるから、

 思う存分 無理してきなさい。」


一度請け負ったことは身を呈してでも遣り遂げたい私の性格をわかってて、

そんな風に言ってくれる。


確かに、ずっと無理して走ってきた。

私が頑張らなくちゃ、って、そう思ってた。

誰かの役に立ちたいが故。綺麗事みたいだけど、本心だった。

自分の無力さを感じることに、酷く怯えていた。

大切な誰かの為なら、自分なんてどうでも良かった。

それで大切な何かが救われるなら。


そんな私の事、彼はちゃんと見抜いてた。

私はずっと欲してた。

安らぐ時間を。

安らぐ場所を。

必死になる自分を止めてくれる何かを。

私を宥める言葉を。


もうひとりで頑張らなくていい。


そうやって、頑張ってた私を認めてくれるのを、

そしてそれを止めてくれるのを、待ってた。


そして、それを見つけた。

それが、今なんだ。


 愛してる


その言葉をどれほど自分が欲していたか、ようやく分かった。

愛なんてない。

そう考えてきた荒んだ自分に、光が射している。


目覚めた時に両腕に感じる温もりが、

何気ない言葉が、

絡む眼差しが、

髪の毛が、指先が、唇が。

すべて愛なんだ。


そう感じることが、今

幸せで仕方ない。




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付き合う事になった。
しばらくの間、体を重ねてた人。
実は7歳年上だ。
すごく迷ってた。私がずぅっと抱えてた片思い。
諦めきれるのか、迷ってた。
だけど
「俺と付き合ってくれる?」
って言われた時
「うん」
って言ってた自分が居た。
この人は本気であたしを愛してくれる。
そう思った。
真っ直ぐに愛してるって口にする彼に、ちゃんと愛してるって返せるようになった。
ああ…幸せだな。
こんなにゆったりした恋愛、初めてだ。
焦ることもなく、怯えることもなく。
互いが唯一怯えているとしたら、自分の過去に。
自分の所為で相手が傷付くことに。

今は互いに相手を傷つけてしまうことがすごく怖い。

互いに離れていたくない。
ずっと側にいたい。
ずっと抱き合っていたい。
願うことは同じなのにね。

限られた時間だから、大切にしたくなる。
もっと、を望むから、少しでも時間を見つけて一秒でも長く…と願う。

時間が止まればいいのに、と、思う。
その気持ちをそのまま彼に伝える。
そうだね、と言って抱き締めてくれる。
私は安堵する。

今の幸せの中に居たいと願うのは私だけじゃないってことだから。

心地よい温もりに漂って居たいから。

ふわふわふわ

心は何処へ吹かれゆく。
降り続く綿雪のように。