—トルメラン—
フェーダについたダーポとベクト。
「降りるぞ。」
「ラジャー」そう言って着陸しようとしたベクトをダーポが腕を押さえて止めた。
「住民が嫌がるじゃろう。」
「じゃあどうやって降りるんだ?」
「これだ。」ダーポから渡されたのはパラシュート。
「なんだこれ。」ベクトが渡されたパラシュートをビンビン伸ばしている。
「こらこら。破れるだろう。これで降りるんだ。徹夜で作ったんだぞ。」ダーポがなぜか得意げだ。
「お手製?」ベクトが口をぽかんと開けている。
「古代からの知恵だぞ。縄を結べ。飛び降りるぞ。3、2、1。それええぇぇ。」なんのためらいもせずおりたダーポ。
慌ててベクトも飛び降りる。
「わわわ!」パラシュートはすぐに開いた。意外とゆっくり落ちていく。しかしベクトはある欠点を見つけてしまった。
「帰りはどうすんだ?上昇もできるのか?」着地したベクトがダーポにきいた。
「帰りは、ハシゴをセットした。」そう言ってポケットからハシゴの起動スイッチらしきものを取り出したダーポ。
「行きもハシゴでいいんじゃないか?」素朴な疑問だ。
「行きはパラシュートだ。」当たり前だという風に言うダーポ。この時ベクトはやりたかっただけなんだなと理解した。
地面に降りると、フェーダの代表らしき人が出迎えてくれた。上に浮いている船を怪訝そうに見上げたが、パラシュートという降り方は気に入ってくれたようで、笑顔で挨拶してくれた。隣ではダーポが挨拶に応え、パラシュートを送っていた。どうせ帰りには必要ないから。
「こんど来るときは、花柄をプレゼントしようかの?」すっかり上機嫌のダーポ。
「こんどはハシゴで降りるからな。」こっちは不機嫌である。
「ここがフェーダの中心です。」大きな桜の木が立っていた。樹齢500年といったところだろうか。
「ほう、ご案内ありがとうございました。」ダーポが礼を言った。
「こちらアップルパイです。お土産にどうぞ、みなさんで。」ずっしり重い箱を渡された。
「これはこれは、嬉しいですな!!」またまた上機嫌なダーポ。代表が帰ったあと、ダーポはアップルパイの箱を丁寧に草地に置いた。
「では、シールドをはろう。わしはこの木より右側を、お前は左側を作れ。」
「は?え?星全体にはるのかよ!えっ!無理だろ。だったら機械で作った方が楽だろ。」キレ気味のベクト。
「何度も言っているが、この星の住民は電子機器類を非常に嫌う。それに、人の手で作った方が、」
「半永久的だろ?ったく。面倒な奴らだ。」
「彼らにとっては我々が変わっているのだよ。」
「分かってるよ。」眉を上げて見せるベクト。
「失敗してもいい。失敗しても、消さずに残しておけば何重かの丈夫な網になる。」
「はいはい。」
そして、二人は背中を合わせ両手を体の前にだした。
—フェーダ—
「初めたようね。」彼女がフェーダ国の王、ルリアンだ。宮殿のバルコニーに出てダーポ達の様子を見ている。水色の髪が日に当たってとても綺麗だ。
「はい。お二人ともアップルパイ、とても喜んでおられました。」喜んでいたのはダーポだけだが、よしとしよう。
「そう。フェーダにしかない材料で作った特製アップルパイだもの。おいしいわよ。」まだ食べてはいないが・・・。
「ねえ、もしシールドが完成して、本当に船が入れなくなったら、彼らはどうするのかしら?」
「きっとパラシュートで降りてきますよ。」
「パラシュート?」使いはさっきもらったパラシュートをさっと広げてみせた。
—トルメラン—
多少失敗し、ぼこぼこの部分もあるが、一応フェーダ全体を覆うシールドは完成した。
「失敗した分だけ入りにくくなっている。」満足げに言うダーポ。
「はぁ。もう帰ろう。」こっちは疲れ気味である。
「分かっておる、アップルパイを持ってこい。」それからハシゴのスイッチらしきものを押した。ウィーン。上空の船が自動操縦でダーポ達の真上に来る。船の一部がパカッと開き、スルスルとハシゴが降りてきた。ダーポとアップルパイの箱を抱えたベクトがハシゴに捕まると、ハシゴが巻き上げられ自動で登っていった。
「体重計算をしておいたのだよ。」ダーポがまたまた得意げに言うのだった。
—デーグン—
その日の夜
「ドソ隊からの連絡です。」デーグン愛用のロボットのエリックだ。
「なんだ、そのドソ隊は?」デーグン帝は初耳だぞ!?という顔でエリックを見た。
「ドラゴンソウサク隊、略してドソ隊です。」
「許可なしに略すな!ややこしい。」
「では許可を。」すかさず合成音で言うエリック。
「う。許そう。そんなことより、速くドソ隊との連絡を。」
「はいは~い。」そう言うとエリックはくるりと回り、背中のスピーカーをデーグンに向けた。
「デーグン様、大変です。」いつもの連絡係の声だった。
「どうした?」
「フェーダ星に入れません。前回ははいれたのですが。強行突破しようとすると船が破損してしまいます。機材なしでの捕獲は難しいかと。」
「ふむ。分かった。しばらくチャレンジを続けてくれ」
「フェーダってそんなにすごかったですか?」エリックは通信が終わると同時に話し出した。
「王の力とかいう伝説は聞いたことがあるがそんな力はないはずだ。」
「どうしましょうか?未完成のままいきますか」
「いやチャレンジの結果を聞いてから考えよう。それより、連合に入ってないか?」
「我が国ですか?」
「バカもん!フェーダだ。フェーダ!」疲れた様子で頭を抱えるデーグンだった。
—トルメラン—
その日1日その゛彼゛は寝ていた。暇だし、と言って起きるのは三度の飯だけ。しかし、そんな平和な日々は続かなかった。
「今からお前にある感覚を送る。それをもとにシールドをつくる練習をしろ。」ダーポに無理矢理起こされた上の一言。彼とはベクトのことだった。
「おいおい、じいさん!めちゃくちゃだな!そんなの無理だ。」
「お前ならできる。いくぞ。」ベクトの感覚がダーポにのっとられ目が強制的に閉じられた。こうなったらもう抵抗なんて無駄以外のなんでもない。両手を体の前に伸ばす。指先に力が入り、フッと体が軽くなったと思ったら目の前にうすい紫の膜ができた。広がれ、広がれ!二つの手を左右に広げていくと、膜も広がっていく。ハッと急に今までのぼーっとした感じがなくなり目が覚めたような気がした。
「どうだ?できるか?明日の朝までだ。いいな?また明日。」ベクトの意志なんて関係なし、すたこらさっさと行ってしまった。
「無理だろ。」と言いながらも練習を始めるベクト。チラッと野球ボールくらいの紫の玉が見えた。イケるな。直感でそう思ったベクトは、その日は1日紫を広げていた。
次の日。
「できたか?」
「完璧だよ、じーさん。」口をいーして笑っている。
「よし、行こうか。」そういうとくるりと背を向けて歩き出した。
「おいおい。どこ行くんだ?」ベクトも慌ててあとを追いかける。
「フェーダ」
「フェーダ?あの妖精さんがプカプカ浮いてる国か?なんでまたあんな所に?」
「デーグン兵がうろついとるらしくて。強化シールドをはることになったんだ。」
「じいさん一人で行けばいいのに。」完全にめんどくさがっている。
「いんや、一人では無理だ。」
「おっ、めずらしい。弱みをみせるなんて!」おおげさにワーオのジェスチャーをするベクト。
「専門外でね。お、着いたぞ。」ダーポが小型の船を指さして言った。
「また古いので行くんですね。」
「これの方があの星になじむし、なによりこちらの予算組がこれ以外は使わしてくれん。」
「ご苦労様です。」そう言いながら、二人は中へ乗り込みエンジンを起動した。
—ジェリアス—
「お父様。お話が。」この国の次期王のヌーゼル・ソードだ。
「なんだ?息子よ。」王であるマーゼル・ソードは白髪が出始めている。
「実は、この国を一気にリニューアルしたいのです。」
「は?」マーゼルは意味が分からないという顔で息子を見ている。
「先進技術の船は我が軍にはたった二隻。それにひきかえネオチルアは全て最新のものです。」
「そりゃ、相手が科学の国だ。それにもとの船も少ない。」困惑した表情になっている。
「我が国も対等の技術を持っています。古い船をリサイクルして作れば、コストも抑えられます。」ヌーゼルの目が輝きはじめている。
「うーん。しかし建物を替えたばかりだからな。」
「その建物に似合う船を。」その一言で勝敗は決まった。
「分かった。一任するよ。」
「ありがとうございます。」
—ネオチルア—
ヌーゼルいわく、最新のシステムのネオチルアでは管制官達がいそいそと働いていた。
「ヘルペア様。ジェリアスから連絡です。」
「直接受け取ろう。」
「いえ、もう終わりました。」
「あそう。」少しふてくされているようだ。
「しばらくは兵を出動できないそうです。」
「どうして?」
「さあ?理由は言ってませんでした。」
「しばらくは、平和でいてほしい。」そう言ってため息を吸い込んだ。
その日1日その゛彼゛は寝ていた。暇だし、と言って起きるのは三度の飯だけ。しかし、そんな平和な日々は続かなかった。
「今からお前にある感覚を送る。それをもとにシールドをつくる練習をしろ。」ダーポに無理矢理起こされた上の一言。彼とはベクトのことだった。
「おいおい、じいさん!めちゃくちゃだな!そんなの無理だ。」
「お前ならできる。いくぞ。」ベクトの感覚がダーポにのっとられ目が強制的に閉じられた。こうなったらもう抵抗なんて無駄以外のなんでもない。両手を体の前に伸ばす。指先に力が入り、フッと体が軽くなったと思ったら目の前にうすい紫の膜ができた。広がれ、広がれ!二つの手を左右に広げていくと、膜も広がっていく。ハッと急に今までのぼーっとした感じがなくなり目が覚めたような気がした。
「どうだ?できるか?明日の朝までだ。いいな?また明日。」ベクトの意志なんて関係なし、すたこらさっさと行ってしまった。
「無理だろ。」と言いながらも練習を始めるベクト。チラッと野球ボールくらいの紫の玉が見えた。イケるな。直感でそう思ったベクトは、その日は1日紫を広げていた。
次の日。
「できたか?」
「完璧だよ、じーさん。」口をいーして笑っている。
「よし、行こうか。」そういうとくるりと背を向けて歩き出した。
「おいおい。どこ行くんだ?」ベクトも慌ててあとを追いかける。
「フェーダ」
「フェーダ?あの妖精さんがプカプカ浮いてる国か?なんでまたあんな所に?」
「デーグン兵がうろついとるらしくて。強化シールドをはることになったんだ。」
「じいさん一人で行けばいいのに。」完全にめんどくさがっている。
「いんや、一人では無理だ。」
「おっ、めずらしい。弱みをみせるなんて!」おおげさにワーオのジェスチャーをするベクト。
「専門外でね。お、着いたぞ。」ダーポが小型の船を指さして言った。
「また古いので行くんですね。」
「これの方があの星になじむし、なによりこちらの予算組がこれ以外は使わしてくれん。」
「ご苦労様です。」そう言いながら、二人は中へ乗り込みエンジンを起動した。
—ジェリアス—
「お父様。お話が。」この国の次期王のヌーゼル・ソードだ。
「なんだ?息子よ。」王であるマーゼル・ソードは白髪が出始めている。
「実は、この国を一気にリニューアルしたいのです。」
「は?」マーゼルは意味が分からないという顔で息子を見ている。
「先進技術の船は我が軍にはたった二隻。それにひきかえネオチルアは全て最新のものです。」
「そりゃ、相手が科学の国だ。それにもとの船も少ない。」困惑した表情になっている。
「我が国も対等の技術を持っています。古い船をリサイクルして作れば、コストも抑えられます。」ヌーゼルの目が輝きはじめている。
「うーん。しかし建物を替えたばかりだからな。」
「その建物に似合う船を。」その一言で勝敗は決まった。
「分かった。一任するよ。」
「ありがとうございます。」
—ネオチルア—
ヌーゼルいわく、最新のシステムのネオチルアでは管制官達がいそいそと働いていた。
「ヘルペア様。ジェリアスから連絡です。」
「直接受け取ろう。」
「いえ、もう終わりました。」
「あそう。」少しふてくされているようだ。
「しばらくは兵を出動できないそうです。」
「どうして?」
「さあ?理由は言ってませんでした。」
「しばらくは、平和でいてほしい。」そう言ってため息を吸い込んだ。
—フェーダ—
「ルリアン様。また謎の兵達が目撃されました。」
「またですか?あぁ、この国もおしまいです。」
「そんな、気をお確かに」
「連合に、連合に頼めば守ってもらえるのかしら?」
「・・・。外部の者にこの国を荒らされたくありません。」
「それは私も同感です。でももう荒らされているのです。それに連合は自国の風流を尊重してくれると聞いています。」
「ルリアン様がお決めになっているなら、どうぞ。」
—ネオチルア—
ネオチルアは、昔は小さな国がいくつもあった。今もその国は街という単位で残っており、ほとんどが自治。だから、ヘルペアもなかなか大統領としての仕事がなかった。他の理由もあるが、そのため連合の事務系はほとんどがネオチルアに任されている。
「ヘルペア様、フェーダ国からルリアンと名乗る方が来ています。」
「ほぉ。めずらしい。」フェーダ国は他の国とは違って独自の動物や植物がたくさんあり、外部の人が入ると荒らされたといってかなり怒るため、距離を置かれていた星だった。
「お通しして。」
すぐに小柄な女性が現れた。白い肌に水色のい髪をお雛様のように結い上げていた。目も深い水色だった。
「本日は、お願いがあって参りました。わたくし、フェーダ国の王のルリアンです」流暢なナチュ語を話す。
「お願い?」ヘルペアが眉をひそめた。
「連合に加入させてほしいのです!」
「へ!?どうなさったのですか!?」今までどんな組織からの勧誘も拒んできたフェーダが自ら連合に加入したいなんて。
「実はー2ヶ月ほど前から、何度も何者かが我が国に出入りしているのです。あれは間違いなくデグン兵です。何をしたいのかはわかりませんが、彼らが通ったあとの道はもうぐちゃぐちゃ。花も草も踏み荒らされていて。おまけに誰も怖がって近づこうとしないため、一時村まで占領されて・・・。」
「あら。また変な話ですね。先端技術を駆使している彼らがまたなぜフェーダに?」
「分かりません。でも嫌な予感がするのです。これは私の勘ではなく、国が与えた王としての勘です。助けて下さい。」もう涙目で今にも泣き出しそうだ。
「我が国は何もありませんが、果物や食物はたくさんあります。もちろん毒草だって。戦力になりますでしょ?」
「まあ、なりますね。他の国からの了解がでれば。」
「おねがいします。」すぐに二つの国に連絡した。返事はもちろんOKだった。
「うーん」
「どうなさいましたかヘルペア様。」
「うん。それがフェーダ国には通信設備がないんだよ。」
「ああ。」待女も言葉がでない。
「手紙を出したらどうですか?紙とペンを用意します。」
「そうだな。葉っぱの形のうすい緑のにしてくれ。」
「はい。」笑いをこらえるような顔をしていた。
—フェーダ—
「大変です。ルリアン様、大変です!」
「また来たのか?」もうやめてくれというように眉をハの字にしている。
「はい。今回は来ただけではありません。」
「なに?」
「ドラゴンが一匹やられました。」
「ああ、なんていうこと。なぜドラゴンを。」
「分かりませんが、遺体も一部取られていますし、かなりひどかったようです。」
「なぜあの美しきドラゴンを。貴重なドラゴンを。残り何匹だ?」
「あと12匹ですね。保護場を合わせれば18匹です。今ある卵がかえれば20匹は超えます。」
「何色だったのだ、やられたのは。」
「赤茶色です。」
「絶滅種でないだけましだ。新しくうまれるヒナには彼の名を付けてやろう。」
「はい。」
—デーグン—
「とれたか、よし。」白衣をきた男の人がデーグン5世と話している。
「本当に、ドラゴンをとってよかったのでしょうか?」
「大丈夫だ。フェーダのドラゴンは人の言うことを理解するという。」
「上手くいくといいですね。」
「ふむ。もう出て行ってよいぞ。」出て行っていいとは出ていけという意味だ。
「はい。」出て行ったのを確認してから、エリックを呼んだ。
「エリック。彼らが捕まえたドラゴンの情報を。」
「はい。」ピピピピッという電子音とともにデーグン帝の前に放映機から実物大の茶色いゴツゴツした肌のドラゴン回転しながらが移し出された。
「レッドツリードラゴン、赤い木という意味です。その名の通り赤茶色いデコボコした肌をもち比較的乗りやすいです。」
「知っておるわ。だからこれを採らせたのだ。」
「はい。どんな環境でも生きていけるが水中は無理。体は大きいが、脳は小さく頭は少々悪いようですが、保護場のデータからするとなつきは早いようですから、頭がよく気難しい種類よりかは扱いやすいかと。」
「努力が水の泡にならぬようにな。」そう言ってデーグン帝は不敵な笑いを浮かべた。
—ネオチルア—
そのころネオチルアではヘルペアがルリアンの対応に困っていた。
「そうですか。少し遅かったんですね。」
「えぇ。本当に遅かった。」そう言いながらベーベー出てくる涙をしきりに拭いていた。
「本当は、二度目の来訪時から行こうと思ってましたの。でも国民が反対すると思って、でも実際は反対する者なんていなかった。だーれも。ならもっと早く来ればこんな事にはならなかった。」
「あなたのせいではありませんよ。きっと私たちが行ったとしても、戦闘時に森がめちゃくちゃになっていたでしょうね。」
「そんな!!では、我々はどうすれば?」
「という事です。みなさん意見は?」ネオチルアの会議室。3Dのテレビ会議といった所だ。
「空に防衛線をはるのはどうです?」ジェリアスの皇太子ヌーゼル・ソードだ。
「それよりも空にシールドをはって船の侵入を防ぐ方がいいと思うが。」会議室の奥の方から声がした。
「そうね。その方がいいわ。はれる?」ヘルペアがダーポの方を見た。
「うーん。フェーダは小さいとは聞いているが、さすがに星一つはな・・・。難しい。」
「でも空で火花を散らすのも住民が反対しますし。元から断つのが一番かと。」
「う~ん。と言われても、抵抗物質は専門外だからの。」
「では、他の物で作れないのですか?水とか。」
「膜は作れるが通り抜けられるだろう。氷だと、太陽光で溶けるし、星が極寒になってしまう。」
「・・・・・。」みんなが必死に考えている。
「他にはいないんでしょうか?」
「我が師が、物質専門だったのだ。」
「ではなぜ、ダーポ、あなたも?」
「それは、テレパシーで伝わってきた感覚・・・、そうだ。我が弟子に習わせますかな。二人ならなんとかなるだろう。」
「間に合いますか?」
「彼ならやります。」
「ルリアン様。また謎の兵達が目撃されました。」
「またですか?あぁ、この国もおしまいです。」
「そんな、気をお確かに」
「連合に、連合に頼めば守ってもらえるのかしら?」
「・・・。外部の者にこの国を荒らされたくありません。」
「それは私も同感です。でももう荒らされているのです。それに連合は自国の風流を尊重してくれると聞いています。」
「ルリアン様がお決めになっているなら、どうぞ。」
—ネオチルア—
ネオチルアは、昔は小さな国がいくつもあった。今もその国は街という単位で残っており、ほとんどが自治。だから、ヘルペアもなかなか大統領としての仕事がなかった。他の理由もあるが、そのため連合の事務系はほとんどがネオチルアに任されている。
「ヘルペア様、フェーダ国からルリアンと名乗る方が来ています。」
「ほぉ。めずらしい。」フェーダ国は他の国とは違って独自の動物や植物がたくさんあり、外部の人が入ると荒らされたといってかなり怒るため、距離を置かれていた星だった。
「お通しして。」
すぐに小柄な女性が現れた。白い肌に水色のい髪をお雛様のように結い上げていた。目も深い水色だった。
「本日は、お願いがあって参りました。わたくし、フェーダ国の王のルリアンです」流暢なナチュ語を話す。
「お願い?」ヘルペアが眉をひそめた。
「連合に加入させてほしいのです!」
「へ!?どうなさったのですか!?」今までどんな組織からの勧誘も拒んできたフェーダが自ら連合に加入したいなんて。
「実はー2ヶ月ほど前から、何度も何者かが我が国に出入りしているのです。あれは間違いなくデグン兵です。何をしたいのかはわかりませんが、彼らが通ったあとの道はもうぐちゃぐちゃ。花も草も踏み荒らされていて。おまけに誰も怖がって近づこうとしないため、一時村まで占領されて・・・。」
「あら。また変な話ですね。先端技術を駆使している彼らがまたなぜフェーダに?」
「分かりません。でも嫌な予感がするのです。これは私の勘ではなく、国が与えた王としての勘です。助けて下さい。」もう涙目で今にも泣き出しそうだ。
「我が国は何もありませんが、果物や食物はたくさんあります。もちろん毒草だって。戦力になりますでしょ?」
「まあ、なりますね。他の国からの了解がでれば。」
「おねがいします。」すぐに二つの国に連絡した。返事はもちろんOKだった。
「うーん」
「どうなさいましたかヘルペア様。」
「うん。それがフェーダ国には通信設備がないんだよ。」
「ああ。」待女も言葉がでない。
「手紙を出したらどうですか?紙とペンを用意します。」
「そうだな。葉っぱの形のうすい緑のにしてくれ。」
「はい。」笑いをこらえるような顔をしていた。
—フェーダ—
「大変です。ルリアン様、大変です!」
「また来たのか?」もうやめてくれというように眉をハの字にしている。
「はい。今回は来ただけではありません。」
「なに?」
「ドラゴンが一匹やられました。」
「ああ、なんていうこと。なぜドラゴンを。」
「分かりませんが、遺体も一部取られていますし、かなりひどかったようです。」
「なぜあの美しきドラゴンを。貴重なドラゴンを。残り何匹だ?」
「あと12匹ですね。保護場を合わせれば18匹です。今ある卵がかえれば20匹は超えます。」
「何色だったのだ、やられたのは。」
「赤茶色です。」
「絶滅種でないだけましだ。新しくうまれるヒナには彼の名を付けてやろう。」
「はい。」
—デーグン—
「とれたか、よし。」白衣をきた男の人がデーグン5世と話している。
「本当に、ドラゴンをとってよかったのでしょうか?」
「大丈夫だ。フェーダのドラゴンは人の言うことを理解するという。」
「上手くいくといいですね。」
「ふむ。もう出て行ってよいぞ。」出て行っていいとは出ていけという意味だ。
「はい。」出て行ったのを確認してから、エリックを呼んだ。
「エリック。彼らが捕まえたドラゴンの情報を。」
「はい。」ピピピピッという電子音とともにデーグン帝の前に放映機から実物大の茶色いゴツゴツした肌のドラゴン回転しながらが移し出された。
「レッドツリードラゴン、赤い木という意味です。その名の通り赤茶色いデコボコした肌をもち比較的乗りやすいです。」
「知っておるわ。だからこれを採らせたのだ。」
「はい。どんな環境でも生きていけるが水中は無理。体は大きいが、脳は小さく頭は少々悪いようですが、保護場のデータからするとなつきは早いようですから、頭がよく気難しい種類よりかは扱いやすいかと。」
「努力が水の泡にならぬようにな。」そう言ってデーグン帝は不敵な笑いを浮かべた。
—ネオチルア—
そのころネオチルアではヘルペアがルリアンの対応に困っていた。
「そうですか。少し遅かったんですね。」
「えぇ。本当に遅かった。」そう言いながらベーベー出てくる涙をしきりに拭いていた。
「本当は、二度目の来訪時から行こうと思ってましたの。でも国民が反対すると思って、でも実際は反対する者なんていなかった。だーれも。ならもっと早く来ればこんな事にはならなかった。」
「あなたのせいではありませんよ。きっと私たちが行ったとしても、戦闘時に森がめちゃくちゃになっていたでしょうね。」
「そんな!!では、我々はどうすれば?」
「という事です。みなさん意見は?」ネオチルアの会議室。3Dのテレビ会議といった所だ。
「空に防衛線をはるのはどうです?」ジェリアスの皇太子ヌーゼル・ソードだ。
「それよりも空にシールドをはって船の侵入を防ぐ方がいいと思うが。」会議室の奥の方から声がした。
「そうね。その方がいいわ。はれる?」ヘルペアがダーポの方を見た。
「うーん。フェーダは小さいとは聞いているが、さすがに星一つはな・・・。難しい。」
「でも空で火花を散らすのも住民が反対しますし。元から断つのが一番かと。」
「う~ん。と言われても、抵抗物質は専門外だからの。」
「では、他の物で作れないのですか?水とか。」
「膜は作れるが通り抜けられるだろう。氷だと、太陽光で溶けるし、星が極寒になってしまう。」
「・・・・・。」みんなが必死に考えている。
「他にはいないんでしょうか?」
「我が師が、物質専門だったのだ。」
「ではなぜ、ダーポ、あなたも?」
「それは、テレパシーで伝わってきた感覚・・・、そうだ。我が弟子に習わせますかな。二人ならなんとかなるだろう。」
「間に合いますか?」
「彼ならやります。」
—トルメラン—
「ダーポ様、着きました。」レナリアがダーポに言った。
「マーゼルに連絡を。」
「もしもし、マーゼルさん?」なぜかアルカがやっている。
「はい、こちらマーゼルです。」
「こちら位置につきました。」
「こちらも準備万端です。」
「みなさん、ヘルペアです。東に向いてつきましたか?敵船接近中。ステーションNo.26も防衛準備完了です。」
「よしよし。ではアルカ、船に残れ。ベクトは、まぁ、ついて来い。あとの者も防具を着て外へ。」
「外!?」それはものすごく危険なのでは?
「ステーションに乗らせてもらうんだ。」
「ああ、ビックリした。」
ステーションの上は球形になっていてとても乗りづらかった。
「ダーポ様?」連れてきた兵達のリーダーがおそるおそるきいている。
「ふん?」
「どうしてステーションの上に乗るのですか?船からでも十分攻撃はできますし、それに、ここは滑ります。」
「わしも好きで乗っている訳ではない。会計委員のヤツらに船を壊すな、と言われてな。」
「はぁ・・・。」だからといって、ステーションの修理の方が大変じゃないか?
「きっと王妃の治療でだいぶ使ってしまわれたのだろう。」
「はぁ・・・。」兵達の間に流れ謎の空気。
「レナリア、火器の固定を手伝ってあげなさい。」
「はい。」そういうと、レナリアはさっきからしきりに滑り落ちる脚立のようなもののついた銃を止めようと必死になっている兵士のもとに行った。彼女の手がふれるかふれないかのその瞬間、滑り落ちていた銃がピタリと止まった。隣の兵士が口を開けて拍手していた。
「全員注意!敵船2隻接近中。」
「位置に着け~!!」ジェリアス側の将軍が叫んだ。ザーッという音がして、前を見ると見事にジェリアス軍が並んでいた。トルメランは・・・、もともと20人程しかいないせいか、固定銃を4人一組で担当することになった。
数秒後、バンっという爆風とともに2隻の大きすぎる船が現れた。すかさず一斉攻撃。ビュンビュン、という音と光で満たされた。
「じいさん、そろそろシールドを強化しないと、もたないぞ。」ベクトが叫んだ。
「ふーむ。」シールドをはると敵の攻撃が届かないかわりに味方の攻撃も弱まってしまう。
「まずは、敵の船内の電源を落とす。その後の動きを見てからだ。」ダーポはそう言って目を閉じた。
「早くな!」
敵船の動きが止まった。ベクトがダーポにちらりと目をやる。やったのか?
「一応落としたが、予備電源なんぞつけらたら終わりだ。」
「俺が船内を水で満タンにしたら?」
「中のヤツらも溺れるだろう。ムダな死は防げ。」
「じゃあ、中心だけでも。」
「場所がわかればのぉ~」もう完全に他人事扱いだ。しょうがない。こうなったら頼みの綱だ。ベクトは腰に掛けてある通信機を取った。
「アルカ?」
「はいはい?ご用ですか?」
「敵船の中心の場所は調べれるか?」
「おっまかせー
」ブチッ。
「・・・大丈夫か?」
「はい!分かりました。船の後尾部分ですね。」
「おおっ。どうやって調べた?」まさか、勘?
「あの船の設計図があったんですぬ!多分保管ミスですね。」
「ドジじゃの」聞き耳をたてていたダーポがつぶやいた。
「よし後ろか。」
端から見たらベクトが居眠りしてるんじゃないかというくらいベクトの体がガクンと揺れた。そのなかでも拳は固く握られている。その拳が放されたとき、ベクトは感覚で水が動力室にたまったのが分かった。
「入った。場所さえ間違えていなければ、多分機械はビチョビチョで使い物にならない。電力自体が落ちただろう。」
「よし、船が引き返したりするなら、一斉に狙い撃ちだ!」
—デーグン船内—
目の前のモニターが次々と消えていく。
「指揮官、船がダウンしました。」
「なに?故障か?」
「はい。動力室に大量の水が入っていたようです。」いわれてみればこの司令室は妙に乾燥しているような気がしなくもない。
「ファルトか!くそっ!いまいましいヤツらめ。すぐに直せ。手動操縦できるまでにしろ。でないと帰るにも帰られん。」
「引き返すのですか?」
「もちろんだ。船を無くすのだけは避けなければ。」
「はい。では、その間は?」
「応戦しろ!!」
「ステーション狙ったのが間違いなんだよな。誰か、電気を直しに行け。」
—トルメラン—
「うまくいったようだ。」
「はい。ダーポ様。今日は早く帰れますね。」レナリアだ。
「ラチアが待ったおるの。」
「はい。きっと土産話を楽しみにしています。」
「全員によいお知らせです。」ヘルペアのアナウンスが流れてきた。
「敵船撤退中。見送ったら本日は解散です。」
「あ~、疲れた。」レナリアが伸びをする。
「怪我人をナースステーションへ運べ!」ジェリアスの将軍が叫ぶ声が響いていた。
—デーグン—
「設計図が公開ファイルになっていただと?」デーグン5世はそうとう怒っていた。
「エリック!」
「私じゃあありませんよ!!」首を飛んでいきそうな勢いで振っている。
「分かったから早くなんとかしろ!」
「はい。もう隠しました。」
「本当に、はぁ~。」大きなため息をつくデーグンだった。
「ダーポ様、着きました。」レナリアがダーポに言った。
「マーゼルに連絡を。」
「もしもし、マーゼルさん?」なぜかアルカがやっている。
「はい、こちらマーゼルです。」
「こちら位置につきました。」
「こちらも準備万端です。」
「みなさん、ヘルペアです。東に向いてつきましたか?敵船接近中。ステーションNo.26も防衛準備完了です。」
「よしよし。ではアルカ、船に残れ。ベクトは、まぁ、ついて来い。あとの者も防具を着て外へ。」
「外!?」それはものすごく危険なのでは?
「ステーションに乗らせてもらうんだ。」
「ああ、ビックリした。」
ステーションの上は球形になっていてとても乗りづらかった。
「ダーポ様?」連れてきた兵達のリーダーがおそるおそるきいている。
「ふん?」
「どうしてステーションの上に乗るのですか?船からでも十分攻撃はできますし、それに、ここは滑ります。」
「わしも好きで乗っている訳ではない。会計委員のヤツらに船を壊すな、と言われてな。」
「はぁ・・・。」だからといって、ステーションの修理の方が大変じゃないか?
「きっと王妃の治療でだいぶ使ってしまわれたのだろう。」
「はぁ・・・。」兵達の間に流れ謎の空気。
「レナリア、火器の固定を手伝ってあげなさい。」
「はい。」そういうと、レナリアはさっきからしきりに滑り落ちる脚立のようなもののついた銃を止めようと必死になっている兵士のもとに行った。彼女の手がふれるかふれないかのその瞬間、滑り落ちていた銃がピタリと止まった。隣の兵士が口を開けて拍手していた。
「全員注意!敵船2隻接近中。」
「位置に着け~!!」ジェリアス側の将軍が叫んだ。ザーッという音がして、前を見ると見事にジェリアス軍が並んでいた。トルメランは・・・、もともと20人程しかいないせいか、固定銃を4人一組で担当することになった。
数秒後、バンっという爆風とともに2隻の大きすぎる船が現れた。すかさず一斉攻撃。ビュンビュン、という音と光で満たされた。
「じいさん、そろそろシールドを強化しないと、もたないぞ。」ベクトが叫んだ。
「ふーむ。」シールドをはると敵の攻撃が届かないかわりに味方の攻撃も弱まってしまう。
「まずは、敵の船内の電源を落とす。その後の動きを見てからだ。」ダーポはそう言って目を閉じた。
「早くな!」
敵船の動きが止まった。ベクトがダーポにちらりと目をやる。やったのか?
「一応落としたが、予備電源なんぞつけらたら終わりだ。」
「俺が船内を水で満タンにしたら?」
「中のヤツらも溺れるだろう。ムダな死は防げ。」
「じゃあ、中心だけでも。」
「場所がわかればのぉ~」もう完全に他人事扱いだ。しょうがない。こうなったら頼みの綱だ。ベクトは腰に掛けてある通信機を取った。
「アルカ?」
「はいはい?ご用ですか?」
「敵船の中心の場所は調べれるか?」
「おっまかせー
」ブチッ。「・・・大丈夫か?」
「はい!分かりました。船の後尾部分ですね。」
「おおっ。どうやって調べた?」まさか、勘?
「あの船の設計図があったんですぬ!多分保管ミスですね。」
「ドジじゃの」聞き耳をたてていたダーポがつぶやいた。
「よし後ろか。」
端から見たらベクトが居眠りしてるんじゃないかというくらいベクトの体がガクンと揺れた。そのなかでも拳は固く握られている。その拳が放されたとき、ベクトは感覚で水が動力室にたまったのが分かった。
「入った。場所さえ間違えていなければ、多分機械はビチョビチョで使い物にならない。電力自体が落ちただろう。」
「よし、船が引き返したりするなら、一斉に狙い撃ちだ!」
—デーグン船内—
目の前のモニターが次々と消えていく。
「指揮官、船がダウンしました。」
「なに?故障か?」
「はい。動力室に大量の水が入っていたようです。」いわれてみればこの司令室は妙に乾燥しているような気がしなくもない。
「ファルトか!くそっ!いまいましいヤツらめ。すぐに直せ。手動操縦できるまでにしろ。でないと帰るにも帰られん。」
「引き返すのですか?」
「もちろんだ。船を無くすのだけは避けなければ。」
「はい。では、その間は?」
「応戦しろ!!」
「ステーション狙ったのが間違いなんだよな。誰か、電気を直しに行け。」
—トルメラン—
「うまくいったようだ。」
「はい。ダーポ様。今日は早く帰れますね。」レナリアだ。
「ラチアが待ったおるの。」
「はい。きっと土産話を楽しみにしています。」
「全員によいお知らせです。」ヘルペアのアナウンスが流れてきた。
「敵船撤退中。見送ったら本日は解散です。」
「あ~、疲れた。」レナリアが伸びをする。
「怪我人をナースステーションへ運べ!」ジェリアスの将軍が叫ぶ声が響いていた。
—デーグン—
「設計図が公開ファイルになっていただと?」デーグン5世はそうとう怒っていた。
「エリック!」
「私じゃあありませんよ!!」首を飛んでいきそうな勢いで振っている。
「分かったから早くなんとかしろ!」
「はい。もう隠しました。」
「本当に、はぁ~。」大きなため息をつくデーグンだった。



