CROSS ROAD 撮影秘話 | 学生団体S.A.L. Official blog

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今週開催のTheatre of Peace
本日は22日、25日両日上映のドキュメンタリー「CROSS ROAD」(撮影地:カンボジア)の監督、
武井裕亮の挨拶と撮影秘話を紹介させて頂きます。


こんにちは。監督武井裕亮です。

本日は、映画では表現しきれなかった「撮影秘話」なるものをご紹介します。それは地雷原の環境とデマイナーの仕事についてです。まず、地雷原とはその名の通り「地雷の埋まっている可能性のある平原」のこと。そして、デマイナーとは「地雷撤去活動を職業とする人」のこと。地雷原はこの、「可能性のある」というのがミソでして、そこに地雷が1%でも想定されれば、そこは100%地雷原なんです。そして、どんな「地雷原」も同じように丁寧にデマイナーによって手作業で撤去活動が行われます。

よくこんな質問をされます。

 

「地雷撤去は機械化できないんですか?」

 

そうですね。もちろん、機械化できれば効率的ですし、人が危険にさらされることもありません。実際、地雷処理に機械はある程度導入されています。大きなローラーで「わざと地雷を踏みつぶして爆発させる」ことで、処理を進める機械もあります。

 

しかし、この機械には問題が二つあります。

 

一つは、対人地雷にしか対応できないということ。もし誤って、対戦車地雷を踏んでしまえば、この機械もろとも吹き飛ばされてしまいます。そのため、「対戦車地雷が100%ない地雷原」でしかこの機械での地雷撤去はできません。

 

もう一つの問題は平野にしか対応できないということ。そのため、凹凸の多いカンボジアのような地形には不向きと言えます。

 

このような理由から地雷処理は9割以上を手作業で行っているのが現実です。とても非効率的に思えますが、これが地雷問題を解決しうる唯一の絶対的な手段です。こんな地雷原で働くデマイナー達の仕事は、「本当の3Kと言われたりもします。日本で言うところの3Kは「キケン・キタナイ・キツイ」ですが、デマイナーの3Kは「キケン・キケン・キケン」と言われます。もちろんデマイナー達は厳しい訓練期間をとおして、地雷撤去を学びます。しかし、危険性は0ではありません。そのため、ありったけの集中力で撤去活動に当たっています。

 

こうしたデマイナー達の努力の結果、カンボジア国内の地雷事故は確実に減少してきています。しかし、地中にはいまだ多くの地雷が残ります。この地雷を全て撤去し終わるまで、カンボジアの平野はどこまでも「可能性は0」ではありません。何年かかっても、見つめていかなければならない問題です。

 

 

 

僕らがこ映画をつくり始めてから、いくつも季節が過ぎました。そ季節を越える度にこ映画に協力して頂ける方が少しずつ増え、そ仲間と絆も深まっていきました。やる気だけで始まったこプロジェクト、実は途中何度も挫けそになりました。投げ出してしまいそになりました。それでも、今日まで続けてこれたは支えてくれた仲間、そして応援して頂けた皆様おかげだと思っています。こ映画テーマは「CROSS ROAD」、つまり人生道が重なり合い、寄り添い合ことです。カンボジア地雷原に住む村人達は、地雷や内戦傷とい大きな障害に、寄り添いあことで立ち向かっています。前ばかり見て挫けそになっているとき、自分利益ばかりを求めてしまっている時、ふと横に目をやって仲間や友達存在に気づくきっかけになるよな映画になっていれば幸いです。ぜひ、ご来場ください。

慶應義塾大学3年 武井裕亮