わたしの思う世界をみる視点 | 学生団体S.A.L. Official blog

学生団体S.A.L. Official blog

慶應義塾大学公認の国際協力団体S.A.L.の公式ブログです。

1986年4月に起きたチェルノブイリ原発事故。

私にとってはまだ生まれる前の出来事であり、実体験としてそれがどのくらい悲惨なものだったか、当時の状況は想像の世界でしかない。

それでも、史上最悪の原発事故であるという認識は私を含め、多くの人が持ち合わせているのではないのだろうか?
また、「知ってるけど、遠い国の話、自分には関係ないよ-!」というように、自分とひきつけて考える機会そのものがないため、なんとなく視野の狭い考え方をしてしまったり、ということも当然なのかもしれない。

今回私がこのブログで伝えたいことは、物事には表面と裏面があること、つまり物事を見る時に多面的な視点を持たなければならない、ということである。

話を戻して、チェルノブイリの原発事故で被爆した地域は放射能汚染の濃度が非常に高かった。そのため事故後、立ち入り禁止区間として、地域への人の出入りを禁じた。つまり封印、である。

そして事故後、その封印され廃墟と化した跡地には約800万トンの放射能を帯びた金属が放置されていたという。

だが、しかし現在は約200万トンしか残っていないということだ。

4分の3の金属はどこへ消えたのだろうか?


要するに、立ち入り禁止区間にこっそり入り込み、持ち出すというケースがあとを絶たない、ということだ。

『金属はカネになる。』
これが消えた金属の所以であり、人々は金属売ってお金を得るために危険を冒して禁止区域に入っていくのである。

そして、違法取引された放射性金属は、ロシアや中国に密輸され、再び加工されて全世界に流通しているものと見られる。


原発事故の悲劇は24年たった今でも、終わりを告げることなく、むしろ再び悲劇が繰り返されつつあるともいえる。そして今回は全く目に見えない、誰もが予期しないかたちで・・・・・・。

グローバル化されたこの時代、世界はかならずどこかでつながっていて他国の影響を受けたり与えたりすることまで容易になっている。

日本で買ったノートを引き換えにマングローブが破壊されていたり、はたまた中国で排出された硫黄化合物が大気や海洋を通じて日本まで流れてきたり、しかしそれを中国が排出することで日本にいる私たちが洋服を安く買うことができていたり・・・・・。
また、過酷な児童労働のもと、私たちがおいしいチョコレートを食べることができたり。

広い視点でものを見ると、自分本位で考えていたら見えていないことが見えてきたり、逆に自分に引き寄せて考えたら見えてくるものもあったり。

想像力を働かせて、先を見通すことがとても大切で、今自分が何をすべきかだとかどういう選択をするかとかが、それによってかわってくると私は考えている。

世界が負の連鎖を引き起こさないために、そういった視点で再考してみてもよいのではないだろうか。