違和感 | 学生団体S.A.L. Official blog

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慶應義塾大学公認の国際協力団体S.A.L.の公式ブログです。

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8月15日、広島の原爆ドーム前にて。

ピースサインをしながらドームを背景に写真を撮る人。
手をつなぎながら歩くカップル。
核反対の署名活動をする人々。

終戦記念日の原爆ドームには私のような観光客をはじめ、
多くの人々で賑わっていました。

その中で気になったのは、観光客の行動。

原爆が落とされて、数秒のうちに中にいた人全員がなくなった原爆ドームの前でピースサインをして写真を撮る人々の光景に、私はひたすら違和感を感じました。

「なんで、多くの人が亡くなったところで笑顔で写真が撮れるの?」

そして、ほとんどの観光客は写真を数枚撮ったのちに次の観光地へ向かいます。まるで美術館の展示品を流し見するように。
こうしてドームを眺めた人々は、一体何を感じたのでしょうか?

私は原爆ドームを目の前にしたとき、胸がざわっとしました。
何かに掴まれたような、見たくないものを見てしまった時のような
そんな胸騒ぎです。

写真も撮っていいのかすごく悩みました。
もし自分がここで死んでいたら、もし被曝していたら…
そう考えるだけでも空恐ろしくて、悲しくなってカメラを向ける気力が起きませんでした。

だけど、行ったからには、見たからには撮っておきたい
あとからこのドームの迫力、重さ、存在感を思い出すために撮っておきたい
そう思って撮ったのが冒頭の写真です。


原爆ドームに限らず、歴史の負の遺産に触れるとき
私は必ず「想像」すべきだと思う。

そこに暮らしていた人、その時代、その瞬間を
そして「もし」自分や家族がそこにいたとしたら、と。

そういったことを想像するだけでも、ものの見方は大きく変わります。
私の感じた違和感も、きっと「被曝」という過去の悲しい出来事と
「幸福な人々」というふたつのギャップを感じたことから生まれたのだと思います。

以前、メンバーの書いたTake actionも、こうしたものの見方の変化から始まるのではないでしょうか。
おかしい、何かしなきゃ。
そう思った時がチャンスです!

文字にするなり、行動に移すなり
さまざまなactionの仕方があります。
観光の夏から、観考する夏にちょっと変えてみる。

そのちょっとの努力を怠らないで、みなさんにトライしてほしいと思います。


赤津