ごきげんよう、ざらめの雨です。

 

夢に「ゆる民俗学ラジオ」パーソナリティの黒川さんが出てきました。

先週のやたらと長い「ゆる言語学ラジオ」の回を見てからです。

 

なぜかはわからないです。

わからないですが、せっかくなのでゆる民俗学ラジオの最近見た面白い動画をまとめて感想もつけてみようかなと思います。

 

☆ゆる民俗学ラジオ

●いま、TikTok民俗学がアツい!!!!!

 2026/03/22配信

 

中国に在住し日本語教師をする傍らで中国民俗学を研究している大谷 亨という先生をお迎えしての3回中の第1回。

TikTokが民俗学調査に使われている、その驚きの手法と「中国民俗学調査の実際」について先生に語ってもらう回です。

 

黒川さんが大谷先生のファンということで、ホクホクのワクテカ状態なのが面白い!

嬉しすぎてホクホクしている人、なんか久しぶりに見たなーと思えました。

 

●「逆立ちする神」は何を意味するのか?

 2026/03/29配信

 

大谷先生を迎えての第2回目。

中国のちょっと不思議な神様について掘り下げる回です。

張五郎という逆立ち(?)した神様を追いかける大谷先生。

 

中国で見た「今」を生き続ける信仰とはどのような姿だったのでしょうか?

 

●中国人はなぜ公園で踊るのか?

 2026/04/05 配信

 

政治的な事情から制約が多く様々な点で不自由な中国。

そんな中国の都会の「隙間にある空間」で自由を楽しむ中国人たちの様子を、

大谷先生が異邦人の視点から切り出し独特の言語センスで分析する。

 

黒川さんが大谷先生に対してハードルを上げまくるのが楽しい回でした。

 

中国の「公共空間」って日本とはちょっと違うみたい!?

私もぶらっと踊ってみたいなぁ。

 

 

  1個目の動画のまとめと感想

 

1個目の動画、TikTokと言っていますが、

実は中国には中国国内版というべきTikTokがあって、

全世界的に使われているもの(国際版TikTok)とはちょっと違うのだとか。

 

このTikTokの民俗学的使い方としては、

基礎的な情報収集のツールになっているとのこと。

 

たとえば、老人がふらふらといなくなってしまい、

何日か後にそれを見つけ出す動画が投稿される。

(大谷先生が「失踪老人動画」と命名)

 

そこに「うちの地元ではこれを○○と呼ぶ」

「うちの地元では○○の仕業と言う」

などの、ローカル情報なコメントが付くそうで。

(大谷先生が「妖怪の名前が書かれる」と説明)

 

中国は当然広いので、いろんな地域にそれぞれ違った風俗がある。

同じ現象に会ってそれをどの地域の人がどのように捉えるのか、というのが覗き見できる。

それが中国国内版のTikTokってものらしい。

 

で、そういう形で情報を収集して、調査対象と調査地を絞り込んだらいよいよフィールドワークですよ。

現地に行って、史跡周辺を歩き回り、住人に聞き込みをして対象に迫っていくわけです。

 

でもでも、物事、そんなに簡単にはいかないのが現実。

意気込んで現地入りしても、全然成果が得られないことだってある。

それが民俗学調査のリアルらしい。

 

そんなガッカリも含む民俗学の「ダサさ」までも

優れた筆致で表した本であると、黒川さん大絶賛!

そんな本はこちら↓

(感想)

民俗学をそもそもよく知らないので新鮮な気持ちで見てました。

やっぱり黒川さんのワクテカ具合がすごい。すごい。(大事なことなので)

 

中国のお話、大谷先生のお話ももちろん面白かったけど、

最後の方、黒川さんのモンゴルのシャーマンの話が印象的でした。

 

〇32分くらい~

 

黒川さん:シャーマンというのは伝統を創出する存在だと語っているのとまさにリンクしていて。

大谷先生:うん、生き大黒様っていうのはシャーマンなんですよね。 

黒川さん:そうなんです。大黒様を下ろしてきて語る。ま、下ろしてくるのか脇にいらっしゃるのか、ちょっとそこら辺は多分もうちょっと厳密に話を聞かないとわかんないし、これが実はシャーマニズム研究の中で割と大事なね、位置づけだったりするんですけども。

 

黒川さん:ともあれ大黒様が下ろしてきた「大黒天様から聞いたこと」っていうのを常に汲み上げて、信仰実践っていうのを変えていく、新たに作っていくっていうのが観察できたっていうこの記述は、「伝統」っていうものについて目まぐるしく変わっていく現代の生活の中で、やっぱり常に考えていかないと…当然失われていってしまうっていう風に、やっぱり(日本では)警戒してしまうとこなんです。 

 

黒川さん:でもじゃあ果たして不遍の伝統なるものが本当にあったのか?っていうことを考えるとか、変えちゃいけないものって何なんだ?というか、「変えちゃいけないもの」ってそもそもあったのか?みたいなところを考えるにあたって、こういう事象っていうのは絶対見逃しちゃいけない。

浦下さん: なるほどなるほど。
黒川さん:伝統って本当はずっと更新されてってるものなんじゃないの?っていうのが『増殖するシャーマン』ほど、読むのにカロリーがかからないこの本で書いてあるってのが、僕はすごいでかいと思うんです。[笑い]

 

浦下さん:ま、あっちはあっちだからね。・・・そうね。 なんとなく「伝統を」って言ったらさ、その下に「守る」が続きそうだもんね、日本語だとね。うん。

黒川さん:そう。もう日本は本当に頭が硬い。一部の人はね。

浦下さん:そこまで言うつもりないですけども。うん。うん。でもそうだね。その「伝統」って言葉を考えるいい機会かもね。これはね。[笑い]


黒川さん:そう。いい機会なんじゃないかなっていう風に僕思うわけです。で、これ僕ブリヤートシャーマンに託宣してもらったことがあるんですけど、その現場でも似たようなものを見ていて。

ちょっと性質が違うんですけど、ブリヤートのシャーマンの方々って自分たちの先祖を下ろしてくるんですよ。

 

浦下さん:モンゴルのね、シャーマン。 

黒川さん:そう、モンゴルのブリヤートシャーマンですね。ま、モンゴルっていう国にはブリヤートっていう、その少数民族がいるんですけど、ま、彼らがブリヤートシャーマンっていう風に呼んでいます。

で、その現場でですね、お世話になったシャーマンの方が、大阪大学に実は一時期いらっしゃった方でめっちゃ日本語うまいんですよ。で、関西弁もペラペラなんですよ。 変なのって感じなんですけど…[笑い]

 

黒川さん:実際に託宣してもらった後に色々インタビューしたお話聞いてたら、僕らブリヤートのシャーマンっていうのは、先祖を下ろしてきているから、いずれ僕も下ろされる存在になる。

大谷先生:うん。

黒川さん:その時はきっと「あれが欲しい、これが欲しいの中で、お酒はきっとエビスビールを頼むだろうね」っていう風に言ってたんですよね。これって伝統的にはモンゴルアルヒって言われる馬乳酒を精製した蒸留酒っていうものを提供することが良しとされるっていう風に、文献とかを読んでいると、思えてしまうわけなんですけど。
浦下さん:めっちゃ伝統っぽいよね。 

黒川さん:そう、伝統っぽいよね。馬乳酒っていうね、遊牧民の文脈に乗ってるわけですから。

でも(今生きていて)実践を行っているシャーマンの様子を見ている「後にシャーマンになる人」が、(先輩シャーマンの)生きていた頃の「そのシャーマン」っていうのを思い起こしながら『エビスビール』っていうのを儀礼の場に持ち込んでくるっていう。

これが、文脈こそ次の世代のシャーマンが覚えていれば、「私のご先祖に当たるシャーマンの方が好きだったから出してるんだよ」ってなるわけですけど、そこが伝えられなくなっていくと由来の分からない伝統になっていくんですよね。

黒川さん:それが起きてるわけじゃなくて、それを展望に加えているっていうのを、シャーマンから話を聞けたのがすごい僕にとって新鮮な出来事で、やっぱこことも繋がってきて…
大谷先生:そうですね。

黒川さん:すごい面白い章でしたね、ここは。

大谷先生:ありがとうございます。 で、中国のね、あの大黒天は赤ワインが大好きでチョコレートも大好き!

黒川さん:ありましたねー!!赤ワイン!!
 

浦下さん:へえ。 赤ワインなんですか?
大谷先生:そういう新しい伝統もなんか創造されていて。

黒川さん: それも大黒様が「いい」って言ってたんですよね。?

大谷先生: そうです。なんで赤ワインが好きなんですか?って聞いたら、「こないだ赤ワインをあげたらグビグビ飲み干してすぐなくなっちゃったからだよ」って言われました。

黒川さん:美味しかったんだ。へえ。 それが生き大黒様の口にあったのか、大黒天様の口にあったのか。でもどっちでもいいわけなんですよね、この場合っていうのはね。

黒川さん:それがどのように解釈されていくかっていうところの方が大事なんで。面白いすよね、大黒様を祀るのにワインとチョコレート。

大谷先生:祭壇にワインがバーって並んでるんですよね。 

黒川さん:あれ変ですよね。

 

 

 

  2個目の動画まとめと感想

 

驚きのビジュアル、逆さまになった神様張五郎のお話。

 

大谷先生が魅かれた中国の神様張五郎は、湖南省の梅山に謎の「巨大な像」があると知り現地に赴いた大谷先生。

果たして、ネットでたくさんアップされていた写真通りの巨像はあった。

梅山文化園というテーマパークに。

 

中国にはよくわからない公園やテーマパークがいくつもあるらしい。

湖南省梅山にはミャオ族やヤオ族という少数民族と漢民族が交わってできた独特の文化である「梅山文化」というのがあり、そこで信仰されている神様が張五郎、というのは確認できたが詳細はわからず、そこで手詰まり。

 

ホテルで意気消沈していると、そこにいたおばちゃんがテーマパークでナビゲーターとして働いている人を紹介してくれて、「生きた信仰を見たいのであれば」ということで、安化県(テーマパーク所在地)から新化県へ。

そこで魂入れの儀式を実際に目撃することになったのだった…。

 

というのが大まかな内容。

 

張五郎の名前の由来や、どうして逆さまになっているのか、何を表したものなのかという話にも少し触れつつ、最後は木の張五郎人形の背面から怪しい薄紙を大谷先生が取り出したのがハイライト。

 

薄紙には魂入れを行ったときの儀礼などの詳細が記録されていて、文献的な調査が可能となっていること。

張五郎にまつわる未解明の問いについてさらなる調査を行っていく予定であること。

などが、先生によって少しお話されました。

 

(感想)

動画の冒頭では、日本では神様は古ければ古いほどよそうに見えるけど、それって世界的な基準で言えばあまり一般的ではないよねという話が少し。きれいに刷新され華美に装飾されたほうが神様も嬉しいでしょ!がアジア的な感覚。

という話があったり、

 

五郎という名が「御霊(ごりょう)」からきている説があるけど、中国語だと当てはまらないよね?の謎とか。

 

張五郎の5人の部下である五猖という獰猛な神様は、悪霊を捕まえる仕事についていて、悪霊並みに恐ろしい見た目をしていて、儀式において鶏の生き血をご褒美として与えて感謝する。その恐ろしい姿を指して、「マル暴理論」と大谷先生は呼んでいる。

 

とかそんな細かい話が面白かったです。

 

 

  3個目の動画のまとめと感想

 

「広場舞」と言われる中国の都会の空き地や公園で行われる踊りについて取り上げた回です。

 

大谷先生曰く、「町の中に隙間があれば、踊る人あり、奇人変人の博覧会みたいなところが中国の公園にはある」のに、なぜ日本にはそういうものがないのかということを考察する内容となっています。

 

不自由だけど「場所さえあればどこでも踊れるという小さな自由」がある中国のゆるい魅力を伝えてくれます。

 

特に、ダンスをする人たちの中でひときわ輝いてお手本のようにふるまう人を指して「恒星的天才」、その周りでその光を受けて輝く人々を「惑星的凡人」と名付ける大谷先生。観察者として人々を詳しくまなざします。

 

集まっている人たちは対等ではなく、1人の飛び抜けた天才と、それを見てそれに合わせて踊る人たちから構成されている。

そんな発見から、日本で「広場舞」が生まれない理由について考察する大谷先生。

 

詳しくは動画をご覧下さい。

 

また、これは動画の内容からは離れた情報ですが、大谷先生のTwitter(現X)を見たら「一緒に踊ってみた!」というご報告があがっておりました(2026/04/13確認)。

 

動画収録時点では傍観者・観察者だった先生も、その後ついに広場舞の当事者になったみたいです!

とても楽しそうでいいですね!!

 

(感想)

私も中国に行く機会があったら一緒に踊ってみたいな。

動画の中にもあったけど、「中国ってちょっと怖い国かも」ってイメージは確かにあるけど、意外とゆるくて楽しい部分もたくさんあるのかなと感じることができました!

 

3個目の動画は、まとめ&レビューが短くなったけど、ガチ民俗学からは少し遠い自分には、実は一番面白かったかも。

日中の文化についてゆる~く比較する内容になったので、海外の文化に興味がある方、おすすめです!!

 

どれも全部面白かったので、よかったら見てみてください!

 

本の紹介

大谷亨先生の著書。

 

 

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それでは今日はここまで。

読んでくださってありがとうござました。

素敵な1日になりますように♪

 

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☆カバー画像は、「逆立ちする神」は何を意味するのか?の動画のキャプチャ(1分36秒)より抜粋。

(神様張五郎のアクリルスタンド)