黒蟻は目が悪く、敵を臭いで判断する。巣に敵が侵入すると、嗅覚鋭くその敵に群がって集団で襲い、撃退してしまうのだ。……そんな中、黒蟻の臭いを真似し、まんまと巣に入り込むのが得意な蟻がいる。トゲアリである。……彼らは、巣に入り込むと、女王アリに近づき、彼女を倒して巣を乗っ取るのである。
ところが、トゲアリの中にも出来の悪い奴がいて、女王アリに近づく途中で自分の臭いを出してしまい、兵隊アリにやられるのも居るそうだ。
…………
因幡の白兎は、向こう岸に渡る為、鮫に『どちらが数が多いか数えてあげよう』と、鮫を並べさせてその上を飛び渡り、後もう少しと言う所で『やーい、鮫よ、本当は向こう岸に渡りたかっただけなのに、騙されたな!』と、鮫を笑ってしまい、鮫を怒らせて皮を剥がれてしまった。
…………
中国共産党は、鄧小平の改革開放以来、その爪を隠して来た。世界中に経済面で入り込み、『世界の工場』としての地位を確立し、国力を増強して『GNP世界第二位』の国にまで成長、そして、軍事面でも軍備を着々と拡大し、もう少しでアメリカに追いつく所まで来ている。
ところが、習近平が国家主席に就任してから様相が一変した。『戦狼外交』を前面に押し出し、南シナ海に人工島を作って進出。一帯一路では、世界の国々に高利で金を貸し、返済不能と見ると港湾を担保として手に入れる等して、軍事拠点としている。……彼らの触手は、香港に及び、次は台湾。そしてその次は、沖縄だろう。
中国の軍事気球が、今、世界の話題になっている。爪を隠さなくなった中国だけに、世界の警戒度は、頂点にまで達している。
習近平が、もう少し『したたか』であれば、軍事力でアメリカを追い抜いてから馬脚を表し、世界中が騙され、世界は中国の支配下に収められていたのであろう。正体を現すのがちょっと早すぎたのだ。
神様は、世界を守る為に、習近平を歴史の表舞台に立たせたのかも知れない………