理想の上司 | 営業は科学だ!  Welcome to the Science of Sales

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3K(勘、経験、気合)で語られる営業ではなく理論的に体系だった手法により、第一線のセールスのスキル向上とともに適切な部下の指導や業績管理を行い会社に貢献できる管理職、経営者の一助となる。

営業部門の管理職の責任は非常に重要です。

単に業績を上げるだけではいけません。
前回に書いたように優秀な営業は他に転職してしまうかもしれません。
そういった営業に実力を発揮させ実績をあげさせると同時に会社への忠誠心、組織への忠誠心も育てなくてはいけないからです。

幸いなことに私は理想の上司に仕えたことがあります。
管理職として、自分はその人をロールモデルとして目標として頑張ってきたつもりです。残念ながらその人には遠く及ばないとは思いますが。
その人に仕えている間にも他部門や他社からの誘いも何度かありました。でもその人に仕えたいという気持ちが強かったので異動や転職をせず、その人が定年退職するまでおよそ10年近く仕えました。

ものの本には上司はかくあるべきとよく書いていますので、言葉で書いてしまうとどれだけ凄いかは伝わらないかもしれません。ただ「かくあるべき」という姿を実践出来ている人は世の中には少ないと思います。この人はその数少ない人の一人です。

まず痛切に感じさせられたのは、「部下の幸せが自分の幸せ」と心底思っていることです。
手柄は部下に、責任は自分が、とはっきりしていました。
その人がある大きなプロジェクトを発案し、人脈を駆使してお膳立てをし、私は言われたとおりに実務をこなしました。プロジェクトは大きな成果をあげて高い評価を受けることが出来たのですが、その人はそれをすべて私の功績としてあらゆるところで言ってくれます。おかげで私は色々と表彰を受け昇進もできました。

仕事ですから上司と部下で意見が分かれることもあります。
最終的には上司の決断で上司が責任を取るべきものです。
しかし、意見が分かれて何度も議論しても私が譲らなかった時に、「それだけ言うならお前を信じる。お前の意見で行こう。責任は俺が取る。」と言ってくれました。いくつかの件では私の意見が間違っていて失敗したことがあります。それでもその人は上に対して責任をすべて負ってくれました。
私が委縮することなく伸び伸びと仕事に励むことが出来たのは言うまでもありません。「この人に付いて行こう」とつくづく思いました。

また難しい状況、たとえばトラブルやクレームなどの処理でお客様に叱られなければならない時も率先してお客様にお伺いして頂けました。困難な状況の時こそリーダーの資質が分かると思います。

私も少しでも近づけるように努力をしたつもりですが、どうでしょう。私の部下が聞いたら、一言で否定されてしまうかもしれませんね。

しかし実際にこのような理想の上司に接することができたことは私の人生での宝物です。

金銭的な待遇以上のものだと思います。