まずは案件の棚卸をやってみましょう。
エクセルなどで表を作っておくと後々便利かと思います。
案件ごとに、受注(売上)見込み金額、今どういう段階か(セールスステージ)、受注確度、受注見込み月(日)を自分なりに査定して表にしてみてください。
セールスステージや確度についてはとりあえず自分なりの基準で結構です。
表が出来上がったら眺めて見てください。
今期受注見込みの見込み金額の合計はどの程度ありますか?目標の何倍ですか?
セールスステージがまだまだなのに確度が高いってことはありませんか?
これだけを見ていても結構「気づき」はあると思います。
では次に、1週間後にもう一度棚卸をしてください。
この1週間で、案件は増えましたか?セールスステージが進んだ案件はありますか?確度が上がった案件はありますか?
これが貴方のこの1週間の進捗です。
もし「進捗がない」ということでしたら、成果主義的観点でいうと貴方は仕事をしていないのと同じです。
一つの案件だけ見れば1週間で必ず進捗があるとは限りません。しかし保有している全案件を見ればどれかの案件は進捗しているのが普通です。
あるいは2週間後はどうでしょうか?
一営業として自分の案件の棚卸を毎週毎週行って見て行くと自分の足りない部分、何を重点的に行わなくてはならないかが見えてきます。
また、管理者の方々にとってはこの案件の棚卸を見ていれば営業日報などの報告は不要となってきます。
管理者ならば複数の営業を部下に持っているわけですが、それを並べてみるとある営業は案件が足りない、ある営業は確度が低い、ある営業はセールスステージがいつも同じ所から進まない、などそれぞれの営業の問題点が見えてきます。これを分析理解した上で個別に指導を行っていくようにしてください。営業会議で全員一律にああしろ、こうしろと言っても効果はありません。個別の営業の抱えている問題点や欠点に応じた指導が重要です。
ここでひとつお願いがあります。
このような管理表を作るとすぐに数値目標を設定したがる管理職がいます。
たとえば私が言った「それぞれの効率を26%アップすれば売上が2倍にできる」といったことを基にして「今期中にXXXを何パーセントアップしろと」かいった類です。
数値目標を単純に下に割り当てる管理職は管理職とは言えません。
ちょうど今サッカーの日本対キプロスの試合を見ています。
サッカーではボールポゼション(保有)率という尺度があります。
監督がその分析データを見てもっとボールポゼションを上げる必要があると考えたとします。だからといって選手にボールポゼションをXXパーセントにしろなどという指示をだしますか。出さないでしょう。出しても無意味だからです。ポゼション率を上げるためにどうするかを考えるのが監督の仕事です。その分析に基づいてそれぞれの選手にそれぞれの指示をします。
営業の管理職も同じです。営業によっては案件を50%増やせという指示をする場合もありますし、ある営業には見積もり提出になかなか至らない理由を一緒に考えたりします。
それが管理職の仕事です。
目標管理手法というのを誤って理解し、管理職のするべき仕事をしていない管理職をよく見かけるので一言書いてみました。
実際の案件管理についてもう少し書きたいと思います。