イソップの「ウサギとカメ」のお話は知らない人はいないと思います。
以前「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉をご紹介しましたが、この話はまさにその通りです。カメにとってはラッキーで勝てて、負けたウサギは油断という理由がありました。
もう一度競走すればウサギは同じ失敗をせずにウサギの勝ちとなるでしょう。
ですからこのお話はエリートであるウサギに対する教訓話ということです。
ではエリートでない凡人である我々カメはウサギに勝つことができないのでしょうか。
このウサギと別のカメが競走することになりました。
カメが「あの山まで競走しよう」と言いました。
そして用意ドンとスタートしました。ウサギは居眠りなどしていません。
さて、どちらが勝ったでしょう。
この競走もカメが勝ったのです。
何故でしょうか?
実はゴールである山に行くにはライオンのいる草原を横切らなくてはならなかったのです。
ウサギは草原を横切ることができません。
カメはライオンが来れば甲羅の中に身をひそめ、ライオンが去ればまたノコノコと動き出し、ゴールにたどり着きました。
このカメはラッキーで勝ったのではありません。作戦で勝ったのです。その作戦とは競技ルールを自分に有利なものにしたことです。
営業で言えば、お客様の提案依頼の要件、いわゆるRFP(Request for Proposal)を自分の有利なものにすることです。
前回の私の成功事例もこれに当てはまります。
先日、関西地方の人気深夜番組「ビーバップハイヒール」という番組で、日本選手がルール変更に泣いてきた話をしていました。バレーボールしかり、柔道しかり、スキーのジャンプしかり。
そこで面白いことを言っていました。日本人はルールを守ろうとするが、欧米人はルールを変えようとする、と。
私は外資系企業に長らくいますが、上司からいつもチェックされたのは「RFPを我々に有利な物にするための活動をしているか」でした。長年の経験からそういうものだと思っていました。
ところが出向で日本企業で働いてみると、皆RFPが出るのを待ち、そのRFPに精一杯答える努力をするのです。で、ほとんど負けてきます。
RFPが出た時点では勝負は8割方決っているのです。
参照)
- 朝日放送 ビーバップハイヒール 3月20日 世界に負けない日本の底力 ~戦いはルールつくりから始まっている~
- 3月26日ブログ「私の成功事例」