私の成功事例 | 営業は科学だ!  Welcome to the Science of Sales

営業は科学だ!  Welcome to the Science of Sales

3K(勘、経験、気合)で語られる営業ではなく理論的に体系だった手法により、第一線のセールスのスキル向上とともに適切な部下の指導や業績管理を行い会社に貢献できる管理職、経営者の一助となる。

少し私の経験を書いてみます。

私はIT業界にいます。
もうン十年前の話です。
当時私は誰もが名前を知っているアメリカ系グローバル企業を担当していました。日本法人はアジア地域の本社でもあり、アジアの数カ国に現地法人がありました。

お客様の中でアジア地域全体のネットワークを含むITシステム全体の見直しがおこなわれることになりました。それまでは国ごとに、あるいはシステムごとに(営業システムとか生産システムとか)IT業者はまちまちでした。俗にいう部分最適が行われていたわけです。それを全体最適な仕組みに作り直そうというものです。

検討するにあたって経営コンサルタント会社が入ることになりました。
経営コンサルタントの最初の仕事は現状を知ることです。
コンサルタントはシステム担当役員に「全体を最も知っているのは誰か?」とたずねました。するとその重役は社員でもない私の名前を上げたのです。
確かに部分最適のシステムなので社内に全体を把握している人はいませんでした。
私は普段から、私のビジネスにはならなくても、その役員には色々なお役に立ちそうな情報をお届けするようにしていました。またよく現場を訪問するようにもしていました。
そういったことから信頼を得ていたのだと思います。

コンサルタントが私を訪れてきました。そして色々なことを訊ねます。その中で私は私の意見も述べ、こうあるべきだと提案をしました。彼がそれに対して反論すると修正案を出したりもしました。

3カ月のコンサル期間が終わり、コンサルの報告書が提出されました。
そこにあるシステム要件は私が彼に言ったことがベースになっており、その要件をすべて満たすことが出来るのはわが社だけでした。

これを基にITベンダー各社に提案書が求められましたが、案の定わが社が落札することができました。

自分のお客様はコンサルタントなんかは雇わない。こんなのは特殊な例だ、とおっしゃるかもしれません。確かに特殊かもしれません。
ただ、後に説明しますがキーパーソンという考え方があります。その中にインフルエンサー(Influencer  影響者)というのがあります。コンサルタントというのはこのインフルエンサーの典型です。コンサルタントでなくてもインフルエンサーとなりうる人がいます。こういった人を抑えることは重要なことです。

また、選択基準をわが社に有利なものにすることができました。これができれば8割方勝負はついたようなものです。言いかえれば競技ルールを自分に有利に変えたようなものですね。

しかしやっぱり基本となるのは信頼を得たことでした。

この案件は私の最も成功した案件のひとつです。