本好きの下剋上 女神の化身3⃣259ダームエルの視線 ハルトムートの名捧げ | 私のみてる世界。

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日々思ったコトやら感じたコトやら。
だらだらと不定期に書いていくつもりです。
まあ主に漫画・アニメについてで、自分用の覚書な最近ですが。

 

コルネリウスも考えたい。付いてくにしても

結婚前について行くのか、結婚後について行くのか、

夏に結婚してしまった方が良いのか、

「わたくしはコルネリウスに従いますよ」

エルヴィーラにも印刷業務の引継ぎもあるから、相談したい。

 

コルネリウスとレオノーレからいつの間にか距離を置いているダームエル。

「ダームエルはどうしますか?」

色々な事情を知っているダームエルに来てほしいけれど、エーレンフェストでも下級貴族で苦労しているのに強制はできない。

下町の兵士達には顔が売れていて頼られているので、ここで下町を守ってもらうのも悪くないとも思う。

なるほど。

「……とてもすぐには決断できません。私も少し考えさせてください」

 

ユーディットは少し悲しそうに微笑んだ。

あらまあユーディットお見合いしそうなのね。

「名捧げをしてまでついていく勇気は持てません」

家庭問題もなく命の危機もないのに名捧げできないよね、常識人いた。

「ユーディットは何だか罪悪感のようなものを感じているようですけれど、未成年が残るのも、親の許可が得られないのも、名捧げができないのも普通です。ハルトムートとクラリッサがおかしいのです」

「ブリュンヒルデもオティーリエも残るのです。残る選択が悪いわけではありません。ユーディットもエーレンフェストに残って、ブリュンヒルデの力になってあげてくださいませ」

「はい!」

 

リーゼレータがポンとユーディットの肩を叩き、「一緒に頑張りましょう」と微笑んだ。

「わたくしは跡取り娘ですし、すでにヴィルフリート様の側近と婚約もしています。エーレンフェストからそう簡単には出られません。ローゼマイン様が中央へ行った後は、ブリュンヒルデの側仕えとして仕え、ローゼマイン様のためにエーレンフェストの本を送る役目をいたしましょう」

跡取り娘なんだ!次女なのに!あの婚約者くん婿入りか〜

 

「アンゲリカはどうしますか?」

「ローゼマイン様はどうすれば良いと思われますか?」

 ……いや、質問してるの、わたしだから。アンゲリカの人生の選択だよ!?

 相変わらず自分で考える気のないアンゲリカに頭を抱えたくなった

「お姉様はローゼマイン様と中央へ行った方が良いと思いますよ」

「お姉様がボニファティウス様と本当に結婚することになるよりは両親も安心するでしょうし、

中央の騎士団はエーレンフェストの騎士団よりよほど強いですから」

「行きます」

即答。もうちょっと考えてほしい。

ボニフォティウスかトラウゴットてあれは?

結婚は

「できなくても特に問題ありませんし、ローゼマイン様以外の主に仕えられる気がしません」

 ……それはそうかもしれないけど、そんなにキリッとした顔で言うことじゃないよ!

これもエルヴィーラに相談だ(笑)

 

「ローゼマインはもう休んだ方が良い」

コルネリウスはダームエルを指差す。

「ずいぶんと疲れる話し合いだったのではないか? 

顔色が良くない、とダームエルが先程心配していた」

「ダームエルが?」

側仕え達が何も言わないので、別に体調が悪いということはないと思う。

「ダームエル、わたくし、顔色が悪いのですか?」

「……顔色というよりは、姿勢というか、

動きというか……えーと、その……」

 ものすごく言いにくそうに言葉を濁した後、ダームエルは体を屈めて小声で囁いた。

「神殿でフェルディナンド様の後ろを

ついて歩いていた時のような不安定さが

見えたような気がしたのです。

余計なお世話であれば、申し訳ございません」

「……ダームエルに気付かれるとは思いませんでした」

ひえええええ。

 アウブ一家の家族らしいやり取りを見て、すごく誰かに甘えたい気分だった。そのせいで、きっと神殿で初めての冬籠りをした時のような気分になったのかもしれない。

それに!ダームエルが気付くのか!!

ハルトムートもコルネリウスもわからないだろうな!

後ろを付いて歩いていたあの頃…

マイン視点だけでは一回二回だったけど、ダームエル視点の小説描き下ろしかな?何度か甘えに行く姿があったんだよね………?!

 

「隠し部屋でフェルディナンド様にお手紙を書いてきます」

「それは明日になさってお休みくださいませ。

お顔の色が良くありません。フェルディナンド様に叱られますよ」

 リーゼレータがお小言シュミルを作動させる。

「側仕えの言うことをよく聞きなさい」

何だか体の力が抜けた。他のお小言も聞こうとしたら、取り上げられた。

「お休みの準備をしましょう、ローゼマイン様」

 あれよあれよという間にお小言シュミルと一緒に寝台に放り込まれた。

リーゼレータはシュミルのぬいぐるみの扱いによほど思い入れがあるのか、「こうして眠ると良いですよ」と腕に抱えさせて、角度やら位置やらを微調整すると、やりきった満足顔で何度か頷いた後、天幕を引いて去っていく。

 その夜はリーゼレータに言われた通り、お小言シュミルを抱えて眠った。寝るまでずっとお小言だったので、無性に図書館の隠し部屋で「大変結構」を聞きたくなってしまった。

お小言聞きたくなる(笑)かわいい…寂しい……

お小言再生してるの、しばらく部屋にいただろう側仕えには聞かれてるのかな

 

 

「おはようございます、ローゼマイン様。私の名を受けてください」

「本当に一晩で準備したのですか……」

 ハルトムートが「爽やか」と「気持ちが悪い」のちょうど境目くらいの笑顔で名捧げの石を差し出す。見届け役を務めるオティーリエがそっと視線を外した。

 ……見届け役が目を逸らさないで! わたしなんて正面から見てるのに!

 皆が苦痛の表情を浮かべる名捧げで、魔力に縛られながら「これがローゼマイン様の魔力ですか」と恍惚の表情を浮かべるハルトムートがあまりにも怖くて、涙目になりながら一気に魔力を叩きつけて、できるだけ早く名捧げを終わらせた。

「クラリッサは素材が集められていないので、まだ先になりそうです。とても悔しがっていました」

「そうですか……」

 こんな疲れる思いを一日二回もしたら寝込んでしまいそうだ。クラリッサの素材が集まっていなくて幸いだった。

 

隠し部屋でお手紙。

 領主会議の間、地下書庫で現代語訳を頑張ったご褒美として、連座回避と隠し部屋の獲得に成功し、夏の葬儀の時に養父様と王族に確認してもらうようになったこと。

銀の布とオルタンシアがディートリンデに言っていた意味のわからない言葉。

誰に読まれても不審にならないカモフラージュの文面、そんなやり取りだけしてると思ってるジルヴェスター、不思議にならないかな、世間話をそんなにするほど仲が良かったか?みたいな。

 

実家(笑)に帰るまでの間に、あちらこちらへ向けて手紙。

イルクナーのブリギッテに魔紙の準備、

図書館のラザファムへフェルディナンドの荷物のこと、連座回避と待遇改善の要求が通ったこと。

ラザファムも安堵してくれるよね。

神殿に向けて春の成人式までに戻ること。

忙しい商人達へは今年の領主会議の報告を手紙ですませる。

 ……ただ、中央へ向かうこと、ベンノさんだけには伝えたいんだよね。ルッツは今、キルンベルガだし。

そっかルッツ知るの遅れるのか。

 

コルネリウス、レオノーレ、アンゲリカ、リーゼレータと一緒にカルステッド宅。

詳細な事情を口外できない以上、アンゲリカの両親に意見を求めることはできない。そして、アンゲリカに尋ねても無駄なことをエルヴィーラは嫌という程知っている。そのため、事情を知っていて、アンゲリカの家の跡取りでもあるため一族としての意見を言えるだろうと判断されたリーゼレータが招待された。

 ……アンゲリカも一応招待されてるけど、お母様、きっとリーゼレータがいればアンゲリカは必要ないって思ってるよ。