はい!

息抜きの時間です!!
ちょっとばかし暗い話が続いたので・・・・
今日は、ピンクなお話・・・・


 「おと」さんこの子は現役女子大生だった。
長身のかなりキャシャだが、凹凸ははっきりしている・・・
かなりスタイルのよい女の子。
右頬の下辺りに泣きボクロがあり、唇がふっくらと肉厚。眼はパッチリ二重のやや垂れ眼をしており、どこか男の下心をくすぐるようなエロさを秘めた容姿をしている。

 おとさんも出勤すると、予約客・写真指名客で・・・・
いつの間にか受付終了になってしまう女の子の一人。

 おとさんは自分でも自覚している子だった。
「自分がモテる」ということを。
だからなのかは分からないが、仕事中も調子がよく機嫌が良い。

彼女を指名する客層は・・・
学生のような20代前半から、働き盛りの30代が多く、結構容姿の整った男が多かった。
 なにやら、このうちの一人から水着をプレゼントしてもらったらしく・・・
おとさんは浮かれていた。
「これ、絶対おとちゃんにしか似合わんと思って・・・
次回、着てくれる?」
と言われたらしい。


 1週間後・・・・
その指名客は、おとさんを指名した。
もちろん、指定コスチュームはあの「水着」だった・・・・


しばらくして、おとさんは恥ずかしそうに部屋から出てきたが・・・・


・・・・思わず噴出してしまった。

ゴールドのスパンコールがキラキラ・・・・
ビキニはビキニだが、海に適した水着ではない。
幅の短いチューブトップが今にもずり落ちそうで・・・
見ている側は冷や冷やものだった。
確かに、おとさんにしか似合わないような、奇抜な水着。

その指名客は、おとさんを見るなり発情してしまい・・・
案内する手前で既に下半身は三角テントを張っていた・・・・


・・・・・・・


お時間終了。

男は、おとさんに連れられ・・・
もうデロデロ。

しかも、そこでも三角テントがピーンと張られてるではありませんかぁ!・・・
だんだけぇ~・・・ヽ(.:≧ω≦:.)ノ
と思いつつ2人のやり取りを横目で伺う・・・


「俺の彼女になって・・・・」

と。

「・・・・わたしも好きよ。」

と、おとさん。
流石だぁ~・・・男をその気にさせるテク。
しかし、「いいよ。」とは言わない。
ずるいなぁ・・・・。
こうして、男たちは色恋売りに恋していく・・・・

おとさんの首周りにたくさんのキスマークを残し、
夢見心地のまま店を後に・・・・

この客に限らず、おとさんに落とされた客は週に1度、おとさんに会いに来るようになった。

「誰からも必要とされていない」
 「何のために・・・・」

 弟の心から離れることはなかった。

自分の居場所も、自分の存在すらも自分の中に見つけることが出来ず・・・・
「必要とされたい」「認めてもらいたい」
そんな気持ちばかりが彼を孤独に、そして不安にさせた。
他人の評価を得ることでしか「自分の存在価値」を認識することができなかったようだ。
 普段あまり感情を表に出さない弟が機嫌を取り、気を遣ったり、ハイテンションで振舞ったり・・・・
そのためか、自分自身のケアがどうでも良くなっていった。
部屋は荒れ放題・・・・
精神的に部屋を片付けれない病気に罹ってしまった。

 休みが合う日には、一緒に映画えを観に行ったり、外食したり・・・
弟自身が、己の感情を自分で心の内から感じれるようになってほしい・・・・自分自身を大事にして欲しい・・・
そう思いながら、外に連れ出してはいたが・・・

日が経つにつれ、面倒くさがるようになった。



 弟は仕事以外で喋ることが少なくなった。
高級クラブ、ヘルス、ソープへ足を運ぶ頻度が増えていった。

異性に対して「自分」を認めてもらいたかったのだろうか・・・・

 幼少時、目の前で母親に裏切られ、知り合いの家を盥回し人されたのが原因なのか・・・

弟の部屋は日に日に、ゴミと成人雑誌とDVDが増えていた。
片付ける気配も無い。

「放って置こう・・・・」
と思っていた。
 しかし、今月の支払いをまだ貰ってい。
黙っておくわけにはいかない。

「今月の支払いちゃんとしてね。
休みあったら部屋片付けりいよ。」

一緒に住んでいながらも・・・・久しぶりだった。

「あぁ・・・わかりました。」

無愛想に一言、そう応えると身支度を整え、部屋を後にした。

 弟のスカウトの実績が悪かったらしく、少し前に上司から絞られていたらしい。
・・・だからか。
仕方ない。今月分は私が出しておこう・・・





翌月になっても支払いは無かった。
流石のわたしでも2ヶ月は待ちきれない。
せめて部屋の片付けをしていてくれたなら・・・

怒りは最絶頂を越えており・・・
弟を見るなり、堰を切ったかように溢れ出した。

・・・・・大荒れの海原
そのくらいお互い荒れた。




弟は・・・・
途中で逃げ出した。





この日から・・・・
支払いもせず、
弟はこの家に姿を見せることは無くなった。


続く。
「7年の空白」。想像以上に壁は厚かった。


「誰にも迷惑かけていない」
「自分ひとりで頑張っている」

と言った弟の言葉が非常に気に食わなかった。
 
なんで、こんなに捻くれてしまったんだろう・・・
悲しくなった。


弟は知らなかった。

母の愛人と父が殴りあったこと。
母の愛人が亡くなっていること。
父がもう片目しか見えないこと。
母が自己破産したこと。
父がひき逃げ犯で約3日捕まっていたこと。
実家がなくなったこと。
借金がまだ残っていたこと。
母は新しい彼氏を作って同居していること。
・・・・。

 



 互いの7年分を語り合った。

 どんな気持ちだったのか・・・・
 これからどうしたいのか・・・・



「また、みんなで一緒に暮らしたい。
確かにお兄ちゃんは暴力振るうけん嫌いやけど、でも、お父さんとお母さんと・・・みんなと住みたい。
そのために何が必要か考えたら『お金』やったけん、ボクは、この道を選んだと。
お父さんと、お母さんが喧嘩する原因はいつも『お金』やったけん・・・・
けど、もう無理っちゃね。家族が元通りになるの。
・・・・・・知らんかった。

 ボクも考えたよ。
何のために生まれてきたとかいな・・・って。
でもね、そんなこと考えたら虚しくなるだけやん。
そんな淋しいこと考えるんやったら、必要としてもらえるように努力しよった方がいいと思って。
頑張りようつもりっちゃん・・・ボク。
少年支援センター(仮)に居ったとき、自分より苦しい思いしてる子が多くて・・・・
親の暴力とか、性的虐待とか・・・親の顔を知らんで育った子とか・・・・
その中で、自分が必要とされたことが嬉しかったっちゃん。
ボクも人の役に立てるんだ・・・って。」



初めて聞いた。
弟の声を。

もっと早くに語り合うべきだった。
弟は、現状の厳しさを知ってかなりショックを受けていた。


「幸せな家庭を築くこと」

弟も、私も。
この言葉が大きく存在していたのは確かだった。





 「兄弟、助け合おう!」
と、心に決めた。

その日は、お酒を交わした。
小さかった頃の・・・昔話をおかずに。
 途中、父の話になり、思い出した。
父が弟に会いたがっていることを。
その旨を弟に伝えると・・・

「今更もう会いきらん。ボクはお父さんを裏切っとるっちゃけん。実家にも泥棒に行きよったし・・・合わす顔が無い。」

と、拒否した。
淋しかった。

自分で言いたくは無いが・・・
父があとどのくらい元気で居られるのか・・・
父の目が見えているうちに会ってほしのに・・・

弟には届かなかった。

仕方が無いのかもしれない。
父とは9年程会っていないのだから。
弟の中で何かが引っかかるのだろう・・・
「会いたい」という日が来るまで待とう。
そう思った。





 兄弟2人、少しづつ歩み寄れるようになった。


続く。