毎年行ってる茂山狂言。
昨年末で大阪能楽会館が閉鎖されたので
今年は大槻能楽堂にての開催でした。
舞初式
京都・茂山千五郎家にて、一門社中のお正月行事として行われるものだそうです。
普通見ることが出来ないものなので、興味深かったですね
狂言「鎧」の語りで始まり、狂言の小舞を神様に奉納するんだって。
いつもはお正月興行でもこういったお正月飾りはされていませんでした。
社中のお正月行事をそのまま能楽堂に移した、という態なのでしょうか
その後、新春トークで宗彦サンがしゃべってくれたのですが・・・
すぐにブログを書かないものだから、きれいサッパリ話の内容を忘れていることに今気づきました
ま、大したことない話だったのだろう(ミもフタも無いな)
縄 綯(なわない)
狂言でよく出てくる太郎冠者は主に仕える召使。
この演目では主が博打のカタに太郎冠者を差し出してしまうの。
太郎冠者はただのお使いだと思って出かけていったら、借金のカタにされてた
それで仕事なんか全然しないでふてくされている。
怒った先方に文句を言われて、いったん太郎冠者を自宅に呼び戻す主。
先方に太郎冠者は働き者だと見てもらおうと、縄をなうように命じます。
機嫌よく縄をない始めた太郎冠者。
主と先方の男が入れ替わっていることに気づかずに、男の悪口を並べ立てて・・・
みたいなストーリー
太郎冠者に茂山千作。
これはね~太郎冠者の愛嬌というか、主が大好きでお調子者で、ってところをどう演じるか。
それだけの芸なのね
ひょうきんを演じていないのにひょうきんであるように演る。これほど難しいことはないよ~
「素襖落」に通じる可笑しみ
髭 櫓(ひげやぐら)
すごい髭を蓄えた男がいて、宮中の行事で大役に選ばれ大喜びするも、奥方はなんと面倒な!準備の金もないし!と言う。
そんな髭だから目立つのだ、髭を剃れ、いや剃らないでケンカになり、奥方は打ちすえられて負けてしまう。
近所の女房達の加勢を得て、大挙して戻ってくる奥方。
男は髭を守るために頭から櫓を被って応戦するが・・・
男ひとりが沢山の武器を持った女たちに散々にやられる演目(笑)
男の髭が黒々とたくさんで、たくさん過ぎるらしく
重みで下がってくるのを、時々手を添えてひっぱり上げてるのが面白かった(ソコか!)
しっかし、正月早々召使を借金のカタに差し出したり~
奥方をさんざん叩いたり~~の演目を選んだのはナゼだろうな
もちろん楽しかったのだけれど・・・
先代千作の福笑 ハァーーハッハ~!
揚幕の向こうからまだ響いてくる笑い声に屈託なく笑いながら、福を戴いたような満ち足りた気分で1月の外気に触れたあの頃が懐かしい