さて、脚本は小池修一郎。
(注:BL的画像多めでお送りしております。YOUお気をつけて!)
この方、「ポーの一族」を舞台化することを熱望していらして、このたびようやく実現したんだって
そうと知れば、薔薇の封印 ~ヴァンパイアレクイエムを観た時に、ポーの一族の影響を感じたのは間違いでもなかったのかいな、と今更に解ったりしてね。
「ポーの一族」を萩尾望が別冊少女コミック(別コミって言ってたwa)に描き始めたのは1972年のことらしい。
ずっとオンタイムで読んでた。
こんな長い時を経て、よもや舞台化されるとは思ってなかったよ、いやマジで
「トーマの心臓」はスタジオライフの舞台を観た事がある。
セリフも設定も原作に忠実で、なかなかなものだった
そーいえば、スタジオライフは男ばかり、宝塚の男版だ。
同作家の時を同じくして描かれたコミックが、
方や男ばかり・方や女ばかりの
劇団によって舞台化されるのも興味深いことね
(判ると思うけど、左から2人目が小池氏、
3人目が萩尾望都氏)
わたしは漠然と、作家にとってもランドマーク的な作品だから、舞台化に首を縦に振らない萩尾望都先生を小池先生がやっと口説き落としたのかと思ってたんだが、パンフを見たら、全然違ってた
かつて偶然 萩尾先生に隣り合わせた小池氏が、今を逃したら次は無いかも、と思って舞台化を願い出て、萩尾氏は承諾。
以後、他所から打診されても「先約があるので」と断り続けていたとのこと。
なんと萩尾望都って義理堅いのだろう
というか、やはり宝塚に期待していたんだね。
小池氏は宝塚に入った時からポーの一族をやりたくて、また劇団でも既に検討されたらしく、制作部の書棚に全巻並んでいたとのこと。
ただ、年を取らない少年が主人公かつバンパネラという負の存在がネックで見送られていたようだ。
が、しかし80の爺ちゃんが赤姫を演る歌舞伎をごらん
私は昔、南座で仁左衛門の直次郎に寄り添う先代中村雀右衛門の三千歳をそれは愛らしく観たのであるが、この時、雀右衛門ちゃま83歳やったからね
まさに芸のチカラであることよ
さらに、ルパン三世までやってしまった宝塚に、もうタブーなど無いだろう
そして、明日海りおという逸材を得て、満を持しての脚本やでー
期待も高まるがな
なんでも小池先生は遅筆で知られており、台本が来ない。
次のお稽古のセリフがコピーされて配られる、そんな日常茶飯らしいのだが、今回はめちゃ早かったと情報通の友人の弁。
ずっと折に触れて考えておられたんだろうか
入れ込み具合ハンパないな
脚本として、一番気になったのは不死のバンパネラの長い物語をどこをどう取捨選択して2時間半におさめるのかだよね、まず。
エドガー生きてたら、今277歳だもん。
ポーの一族の年表はこちら参照 ★
(これリンク張っていいのかな?NGだったらごめんなさい)
宝塚不可欠といえる美男美女のロマンスも無いし、もしかしたらエドガーとアランのBL的風景になってしまうのかいな
ひーーッそれもエエぞ、わたし的には
って、そんなワケないがな
ポーの一族はBLにあらず。強いて言うなら哀切な孤独の物語。
物語は冒頭、エドガーとメリーベルの幼い兄妹が森に捨てられるところから始まる。
拾って育ててくれるのがバンパネラなわけね。
そんで、アランに出会って、彼を仲間に加え2人でドイツのギムナジウム(寄宿学校)に入るまでが描かれていたよ。
さて、バンパネラの正体を知ってしまったエドガーは時が来たら仲間に加わるよう迫られて、妹をどこかへやってくれたら、と答える。
(可愛い妹を化け物にしたくないんよ)
この後エドガー達が村人たちから焼き討ちに合い、この時点でエドガーは14歳にも係わらず例外的に大老ポーにパンパネラに変えられてしまう。
ちょっと原作と違う部分あるけど違和感はない。
それから8年、13歳に成長したメリーベルは失意のどん底にあり、エドガーと一緒に行くことを決意。
(14歳で時を止めたエドガーと1つ違いになったわけだ。追い越してなくてよかった)
原因となったユーシスとの悲恋はほぼザックリ削られていたわ
メリーベルが仲間に加わったのちは、エドガーとメリーベルはフランクとシーラの男爵夫妻の子どもとして4人で行動を共にしてたわけ。
メリーベルが時を止めてから、アランに出会うまで、120年ほど経ってるのだけど、それだけの年月の経過をもう少し明確に判るようにしてほしかったな、という気持ちは残る。
アランと出会うホテルブラックプールの場面も創作。
ただ大人数の出演を必要とする宝塚にはこういった場面は必要だったのかな、と。
父親も婚約者(昔のイギリスの貴族階級では幼いころに婚約者がいるのは普通のこと)も事故で亡くし、莫大なトワイライト商会の利権狙いの伯父から自分の娘と結婚するよう迫られているアラン。
彼のやり場のない焦燥感は、級友みたく自分におべんちゃらを使わないエドガーと死んだ婚約者にそっくりなメリーベルへの傾倒に繋がる。
ホテルで降霊術師が大老ポーを呼び出して彼が海辺の小屋に近づくな、とか言うのは原作になかったかと。
だって大老ポーはまだ眠り続けてるんだもん。
その後、男爵夫妻が仲間に引き入れようとしたクリフォード医師にシーラが正体を見破られ、夫妻とメリーベルは消滅してしまう。
ここら辺も若干場所の設定とか変えられてたりするけど、しゃーないかな。
うん、全体の流れとしては非常によくまとまっていました
二度目の鑑賞のときは6名で、ご一緒したうち2名は原作を読んでいないとのことだった。
あとで訊いてみたら、読んでなくても理解できた、と言ってたよ。
ひとりになったエドガーがアランに言うの。
ぼくは行くけど・・・
どこへ?
遠くへ・・・君はどうする?・・・くるかい?
・・・
おいでよ・・・おいで・・・ひとりではさびしすぎる
ここ、泣きそう
ってか原作でさんざん泣いたからね。
月の光の中でアランの手を取るエドガー
ふたりの時をめぐる旅が始まる。
ゴンドラに乗っております。
ジャニーズと違ってがっつり安全ベルトしとるね
出逢いの時。
怪我したアランの血にくちづけて
(これって美味しいのかな?やっぱ)
首のリボンを解いて巻いてやるところ。
そういえばエドガーは「小鳥の巣」でのエピソードでも血が出てるテオの指を口に含んでテオをドキっとさせ、包帯を巻いてやってる。
血を見るとくちが近づくのはバンパネラの性か
世話焼きでもあるのぅ
ロケットの絵に見入るアランの首筋を狙うエドガー
宝塚の公式ツイの画像
右上がドイツのギムナジウムの制服。
左下がアランの住む港町の学校の制服。
制服フェチやからめちゃテンションあがった
このまま続くギムナジウム編を切望します
いつまで書いてもキリがないわ
久しぶりの胸キュン
(我ながらキモいでもしゃーないやん!そうなんやから)
ポーの一族ならびに風と木の詩はいつまでも色褪せないで私の中にあったのだな~
ジルベールとセルジュは、その、BLな関係やので、わたしはエドガーとアランが好きやったけどな