邦画「シャニダールの花」と言う不思議な感覚の映画です。


SFでもなく、近未来ものでもなく、ミステリーでもなく、オカルトでもない。


異世界と言うか異次元と言うか、この世界のようにみえるけど、時間軸がずれてると言うか。


映像美で現す心象風景にしてはストーリーがあって、感覚を刺激する映画?


ストーリーを簡単に説明すると、限られた女性の胸に花が寄生し、その花が新薬開発に有効だとかで


大手製薬会社が花を持つ女性達を任意で実験施設に収容し、胸の花を咲かせ収穫するのですが


開花した花を切り取ると女性は死んでしまうのです。


(もうこれだけ書いただけで、突っ込みどころ満載なんですが、それを指摘したらこの映画の存在価値が


なくなってしまうのですよ(/_;)/~~)


物語の軸になる部分は製薬会社に雇われて花の世話をする植物学者と、収容されている女性達の


精神的ケアをするカウンセラーのLoveStoryです。


花にしか興味になかった植物学者が恋をすることで、花よりも恋人の方に気持ちがシフトしてゆき


カウンセラーは自分もまた胸に花を寄生させたことで、花を咲かせることに心を持っていかれるのです。


植物学者はカウンセラーに無断で彼女の胸に宿る花の芽を切り取ってしまいます。


それは満開の時期を越すと花が人にとって有害になるというデーターからのことなのですが


花と同化し理解しようとしていたカウンセラーには受け入れることができませんでした。


被験者の死亡が明らかになり実験施設は閉鎖され、カウンセラーは植物学者の下を去ります。


そしてある日植物学者に花の種が届けられるのですが、彼は不用意にその種を捨ててしまいます。


数日後窓の外を見ると・・・・そこにはあの花が咲いているではありませんか。


そこで彼は気づくのです。彼女が花を宿したときに言っていた事を。







ものすごく好き嫌いの分かれる映画なんだろうと思います。


「面白い?」と聞かれても、おいそれと推称することはできません。


「なんで観たの?」と聞かれれば、ミステリアスな綾野剛を見たかったのと、幻想的なストーリーに


単純に興味があったから。


とても静謐な映画なんで、瞼が閉じてくる人もいるかと思います。


だからと言ってテンポが悪いわけじゃない。


隔離された異次元空間に流れる時間はとてもゆっくりなのです。


映画の後半、終盤近くは不条理劇のようで「わけがわからない」と感じる人もいるかな?


でも・・・・・わけがわからなくてもいい・・・・・・・・・・と私は思いながら見ていました。


その不思議さが私にとっては大変面白かったから。


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