(雅紀)



大学入試に備えてめいっぱい勉強する毎日。

しょーちゃんの近くに行きたいって、動機が不純なのは自覚があるから、余計に一生懸命に勉強してるカモ。

そんな俺の様子を見て、和くんが何かを察してしきりに探りをいれてくるけど何とかかわしてた。

そんな毎日を過ごしていたら、季節はもう夏が過ぎ秋が過ぎ、そして冬になり……もうすぐ俺の誕生日。

クリスマスイヴが俺の誕生日だから、これまでずっとクリスマスパーティーじゃなくて俺の誕生日パーティーをしてた。

プレゼントはクリスマスと誕生日祝いが一緒にされてるけど、それでもお父さんもお母さんもちゃんと誕生日をお祝いしてくれて、おーちゃんと和くんもお祝いしてくれるから気にしてなかった。

でも、俺が大学に行ったらここを出ようとしてるって和くんが知ると、今年は俺の誕生日パーティーとクリスマスパーティーを両方するって言い出した。



「別に今まで通りでいいのに」
「ダメです。私の辞書にはクリスマスってものはありません。つまりまーくんの誕生日しか存在しないですが、今年は特別です。まーくんのとこで誕生日を祝うのは当然として、別日にオジサンとこでクリパしましょ」
「クリパってw」



俺にナイショで和くんは計画を立ててたらしくて、和くんに激甘々のおーちゃんがそれに巻き込まれたって感じ?らしくて。

おーちゃんのトコ……つまり、しょーちゃんも居るあのコーポ。

そこでクリスマスパーティー。

なんだかドキドキしちゃう。

けど……でも……多分しょーちゃんは………



しょーちゃんの傷は癒えていない。



『雅紀』が居なくなってからまだ1年と少ししか経ってない。


夏に会ったしょーちゃんは、まだ哀しみの塊みたいだったから。


あれからしょーちゃんの夢はみてない。だから今のしょーちゃんの状態がわからない。


しょーちゃんが居るあの場所で騒がしくクリスマスパーティー……しても大丈夫かな?しょーちゃんはもう大丈夫になってるかな?







もし……『雅紀』の誕生日と俺の誕生日が同じだって知ったら、しょーちゃんはどう思うんだろう………