( 雅紀 )



俺の名前は相葉雅紀。高3の受験生。



進学希望で、俺が志望してる大学が夏休みにオープンキャンパスを開催するから、どんな感じなのかなって行ってみた。



「ワタシも付き添います。どんなところなのかしっかりとチェックしないと」
「なんで?和くんまだ受験じゃないでしょ」
「ワタシはまーくんの保護者ですからね。ワタシがぽやっとしてるまーくんの分まで大丈夫なのか判断するのが必要でしょ?」
「自分で判断出来るよぉ~ (*’◇’)」



俺にツッコミをいれてるのは幼馴染みの二宮和也。和くん。

和くんが自分も行くって言って俺にくっついて来て、自分も受験生みたいな顔して一緒に色々と見てまわりながらチェックいれるから笑っちゃった。


でもここ楽しそうな雰囲気だし、ここなら頑張って勉強すれば合格出来る圏内だから、ちょっと気合いが入ったかも。



いろいろ見てまわって疲れたから、帰りに大学の近くでカフェを見つけて入ったら幼馴染みのおーちゃんが居た。

おーちゃんの名前は大野智。



「おーちゃんが住んでるトコって、ここから近いの?」
「そうだな。まーくんも一緒に住むか?」
「オジサン?ワタシを捨ててまーくんに乗り換える気ですか?」
「カズぅ~あせる



おーちゃんと和くんは恋人同士。

だけどおーちゃんが画家になるために実家を出ちゃってて、久し振りに会えたから和くんがツンデレ発揮しちゃってるって会話を温かく見守ってたら………



バタン!ドサッ ───



おーちゃんと一緒に居た人が突然倒れた。



「翔くん!?どうした?大丈夫かっ?!」
「サト待て、過呼吸かもしれない」
「甲斐!どうすりゃいい?」
「……ここじゃ寝かせられないから、琥珀のところへ連れて行く」



すっごく焦ってるおーちゃんと冷静な男の人が会話してて、男の人が倒れた人を抱き上げた時に……髪で隠れてたその人の顔が見えた。



『………しょーちゃ…ん?』



その人の顔は……初めて見るのに初めてじゃないような、ううん、俺はこの人を知らないけど知ってる。




…………知ってるんだ。しょーちゃん。