夏休み。
受験勉強の息抜きで近所の神社でやってた夏祭りに行ったりもした。
互いの浴衣姿に見惚れてモジモジする俺と雅紀に、潤が大笑いして俺らの背中をバシバシ叩いたり。
とにかく騒がしく楽しい時間を過ごしてた。
「じゃあ俺、クラスの友達とまわる約束したから翔くんと まぁ でゆっくりしなよ」
「潤くんアリガト♪」
「気を遣わせて悪いな、潤」
「2人がイチャイチャするの見せつけられるのも悪くないケドねw」
「くふふ (*`艸´)」
「見せ物じゃねぇしw」
気を利かせた潤が別行動をしてくれて俺と雅紀の2人きりになると、こっそりと互いの手を繋いで歩いて。
でも屋台の前まで来ると食い気が勝って、手分けして焼そばやたこ焼きとかを買いまくって半分こして食べた。
「あとでかき氷も買お?」
「ベビーカステラも捨てがたいんだよな」
「オレぶどう飴食べたい♪」
「腹壊すなよw」
「しょーちゃんもねw」
雅紀と肩を寄せあって過ごす時間に幸せを感じてた。
屋台が並ぶ場所を少し離れると人通りも減るから、人目につかない。そんな場所を選んで無言のまま歩く俺と雅紀は、繋いだ手に緊張を感じつつ神社の裏手まで来た。
「……なぁ…雅紀」
「ちょ///しょーちゃ…んっ…」
雅紀の事を抱き寄せて、そっと浴衣の裾から雅紀に触れて、キスで雅紀の言葉を塞いで。
雅紀の浴衣姿に欲情してた自分を抑えきれなくて。
でも派手に着崩すと直せないのは辛うじて冷静な頭の隅にあったから、触れるのは雅紀のソコだけ。
着崩さないように汚さないようにそっとずらして。
声にならない声が塞いだ雅紀の口から漏れるのも堪らなくて。
神社の裏でバチあたりな事をしてるのは自覚してたけど、若さゆえの勢いは止められなかったから……2人で互いの欲を吐き出した。
「しょーちゃんのエッチ///」
「雅紀だってエロいわw」
ギリギリ浴衣を整えて、また2人で手を繋いで家に帰っていった。
この手の温もりを守るのは、雅紀を守れるのは自分にしか出来ない事だって、その時は思ってたんだ。
………でもそんなのは俺の思い上がりだった。