絶対に俺と同じ高校へ行くと雅紀が必死に努力して勉強して成績を上げて、なおかつアメとムチで俺が家庭教を務めて…努めたから無事合格を掴みとって。

詰襟の学生服からブレザーに変わった雅紀の姿に、密かにドキドキする気持ちなのはやっぱり俺が雅紀を好きだから。同じブレザーを自分も着てるのになって思いつつ、こっそりと見惚れてた。



「しょーちゃーん!遅刻するよっ!」
「今行く!」



待ち合わせる必要のない隣合わせの家。

だけど寝坊して遅刻しそうな俺。

いつも雅紀が俺の部屋に向かって声をかけて一緒に自転車を飛ばした。



「しょーちゃんお寝坊さんなんだもん。せっかくの朝デートなんだからゆっくりしたいのにさぁー (*’◇’) 」
「しゃーねぇだろ!ほら行くぞ!」



いつも一緒に居るから周囲も俺と雅紀がワンセットだって見てて。雅紀が言う朝デートって言葉も周囲はそこまで深く考えて聞いてない。そこは雅紀の人徳だった気がする。

新入生にも関わらず先輩や先生達の誰からも可愛がられる雅紀の姿に少しだけモヤッとした気持ちを抱きつつ、同じ高校で過ごす日々を満喫してた。



「はいこれ。お弁当お弁当しょーちゃんの分」
「え?マジ?」
「作れって言ったのしょーちゃんなんだから残さず食べてよねナイフとフォーク
「マジか……さんきゅ」
「くふふ///」



高校の昼飯は弁当か食堂か売店のパン。

雅紀が入学してからは、まさかの雅紀の手作り弁当。

冗談半分で雅紀にねだったのを、雅紀は本気にして作ってくれた。





…………本当に幸せな毎日だった。