俺の家の右隣に越してきたのが雅紀。

同い年だけど、俺は早生まれだから学年は一つ上になる。

でもガキの頃はそんな事は理解出来なくて、何処に行くのも何処で遊ぶのも一緒だったのが急に小学生になって離れたから、入学式の日に俺も雅紀も一緒に小学校に行くと泣いて大人達を困らせた。



「なんでまさきはしょうがっこういかないんだよえーん
「ぼくもしょーちゃんといっしょにしょうがっこういく~えーん



この泣きまくる光景はしばらくの期間、毎朝のように繰り返されて、ランドセル背負った俺と黄色い鞄の雅紀が手を繋いで小学校に歩いて、校門でまた泣いて俺は小学校へ、雅紀は保育園へ。

それこそ毎朝泣くのは収まったけど手を繋いで雅紀が小学校までついてくるのは雅紀が入学するまで続いて、やっと一緒に通える様になったと今度は大喜びで毎朝元気が有り余る勢いで繋いだ手をブンブンと振って歩いてた。

とにかく俺と雅紀は、いつもずっと一緒に居たんだ。



「しょおくんと まぁ は、いつもいっしょのなかよしだね」
「そうだよ」
「しょーちゃんはぼくのいちばんだもん」
「ぼくもいっしょがいいな」



俺の家の左隣に越してきた潤……松本潤。

雅紀より一つ下だけどしっかりしてて、自分も一緒に遊ぶと言っていつの間にか三人でつるむことも増えた。

でも、手を繋ぐのは俺と雅紀。

潤はその後ろを追いかけてきてた。






…………まだ純粋に雅紀と手を繋いでいられたあの頃は、ただ側に居られるだけで幸せを感じてたんだ。