ここは……もはや保育園ですが、ちゃんと営業している CAFE クレッセント(笑)

今日は何やら甘い香りが………



「おーちゃ にのちゃ♪ばれたいんどじょクッキー
「お?ばれたいん?なんだそれ?」
「バレンタインですか?」
「あい♡」



萌葱を抱っこした智と和也がカフェに入ってくると同時に緋色がニッコニコで駆け寄り、可愛くラッピングされた小さな袋を手渡してきました。

智と和也はいきなり渡されたそれに驚いていますが、店内に居る面々はその様子を楽しげに見守っています。



「悪いけど受け取ってやってよ。緋色がみんなに渡すって手作りしたんだよ」
「緋色くんスッゴいの!クッキー作ってラッピングの袋にはみんなの似顔絵描いてくれたんだって!」
「あー、緋色のブームが今お絵描きとお菓子作りでさ」



どうやら雅紀(若い雅紀)へ誕生日にプレゼントした似顔絵と翔(若い翔)への誕生日プレゼントで焼いたクッキーを2人が凄く喜んだのが嬉しかったらしく、緋色のマイブームになったようです。

ラッピング用の袋にお絵描きをして、クッキーを作る…といってもクッキー作りで緋色は生地をこねるのと型抜き担当でそれ以外は雅紀(若い雅紀)がやってくれていますが。そして出来上がったものを雅紀(若い雅紀)にラッピングしてもらって誰かにあげる。それが楽しくて仕方ないのでしょうね。



「バレンタインで雅紀が俺にチョコタルト作ってくれてたらさ?それ見てて自分も作ってみんなにあげるって」
「ひいくん みんなにあげうの♪」
「潤くんも貰ったし僕も貰いました」
「翡翠と琥珀は速攻で食べてたな(笑)」



店内を見れば、子供達専用のボックス席で翡翠と琥珀が食べ終えた後の袋を見せあいっこして緋色は自分に作ってくれたと競ってます。



「んと、もーくん あかたんだから ぼぉろ あげゆね?」



クッキーを食べるにはまだ早い萌葱にはちゃんと別のお菓子を準備したみたいです。

皆から聞いた緋色の話と緋色が萌葱にもあげると差し出すのを見た和也は、優しく微笑んでしゃがみこむと緋色からのプレゼントを受け取りました。



「ありがとう。緋色くん」
「えへっ(σ*´∀`)」



緋色はニコニコと嬉しそうです。







「………『おーちゃ』と『にのちゃ』?」
「翔は大野さんと二宮さんって呼ぶからな」
「緋色くんって呼び方にこだわりあるよね」
「名前は呼ぶためにあるんだって言ってたからな。まぁ が『ましゃしゃん』で、翔も『しょーちゃ』だろ?」



緋色のこだわりの一片も見えたのでした(笑)