(こちらは本編です。ぴよぴよ天使は出て参りません。悪しからず。そしてこのお話は、今年の潤くんハピバで書いたお話の相櫻バージョンリメイクです)



最近気温差が大きいけど、今夜はちょい寒?

こういう日は鍋が良いかなぁ……なんて考えてキッチンに立ってたら、棚に置かれた箱にふと目が留まった。



「………うん。今夜は…」



密かな俺のミッションが始まった。



「すげっ。寄せ鍋だ♪」
「今夜はちょっと寒いから鍋にしたんだ」
「さっすが雅紀。よくお分かりで」



仕事を終えて帰ってきた翔は、部屋に入るなり視線が鍋に釘付けで。

ニコニコ嬉しそうに俺にぎゅうぎゅうくっついてくるから、先に着替えるように促して食べる準備を急いだ。



「うんめぇ~♡」
「ほら、そんなに急がなくても無くならないって(笑)」
「だって雅紀の作る料理、すっげぇ上手いんだもん」
「ふふふ。ありがとう」



超特急で着替えた翔は、いつもみたいに口いっぱいパンパンに詰め込んで食べてくれて。

リスさんみたいな翔を見てるだけでも俺は幸せなんだけど……今日はもうちょっとだけ欲張らせてね?

もぐもぐしてる翔から一旦離れて、キッチンへ箱に入ったナイショの物を取りに行った。



「まーさーき?どうかした?」



その場を離れた俺に、翔が不思議そうに声をかけるから急いで翔の元に戻って。

俺の手にある箱を見て、翔は益々キョトンとしてた。



「何ソレ?」
「うん。撮影の日にカメラマンの人からお土産だって貰ったんだ」



そう言いながら俺は箱を開けて中身を取り出すと、それを翔に見せた。



「桜の花びらから取れる酵母で作られた純米酒なんだって。飲んでみない?」
「へぇ……そんなのあるんだ」



純米酒の瓶を物珍しそうに眺める翔。

翔はあんまりお酒に興味が無いけど、こういう珍しい物には興味があるみたい。



「桜華っていうんだって。まるで翔みたいでしょ?桜の様に華やか、って」
「ばっ/// 何で俺///」
「そんなにアルコール度数高くないみたいだから、翔にも飲みやすいんじゃないかな?」
「………じゃあ…飲む」



俺の言葉に真っ赤になって恥ずかしがる翔だったけど、桜の名を持つそのお酒に興味が湧いたのか、おずおずとそう言った。

グラスを翔に手渡して、俺は白ワインにも似た薄い琥珀色をしたその純米酒を注いだ。

翔はしばらくグラスを眺めてたけど、そっとグラスに唇をつけてコクリと一口飲み込んだ。



「甘っ……でも嫌な甘さじゃないか……。酸味もあるし……」



ペロッと自分の唇を舐めつつ味を表現する翔の姿は、可愛いのに色気を感じさせて。

そんな翔に俺は早くもクラクラしつつ、自分もグラスにその純米酒を注いで飲んでみた。



「うん……濃厚な甘さがあるのに強い酸味もあってフルーティー。やっぱり翔みたい」
「だっ///だから何でだよっ///」



くすくす笑って俺がそう言うと、翔は赤くなって俺の事をぽすぽす猫パンチしてきた。

やっぱり可愛いなぁって思って翔の頭を撫でようとしたら、むうって顔をした翔がグラスを一気に空けた。



「あ、こら。一気に飲んじゃ……」
「う"~。俺可愛くねぇもん」



そういうのが可愛いんだけど(笑)

この純米酒は、アルコール度数が通常の日本酒の半分程度だから飲みやすい。

飲みやすいからこそ……




「まぁ~さきっ♡」



あまりアルコールに強くない翔には効果的だよね?やっぱり。



「ん……なんか、あつい……」
「じゃあ……こっち、おいで?」
「ん……んっ///」



ぼぉっとしてる翔をすっぽりと腕の中にしまいこんで、素直に俺を見上げてくる瞳を見つめながら口付けて………







…………すべて美味しく頂きます。