面倒なものは、すべて売れなくなるし、街から消えていくらしい。この20年で見ると、切り花の購入世帯は40%から31%に激減しているという。花は欲しいが、手入れが大変というのだ。すぐ枯れてしまうし、部屋には、飾る場所や花瓶などもないという。

それに、お盆や彼岸などの催事に、買って帰る人が少なくなっているらしい。それというのも、庭や仏壇、床の間などの、花の飾り場所が失われているからだ。これでは花と親しむ機会が減少するのも、当然だろう。以前は母の日、バレンタイン、ホワイトデー、誕生日、クリスマスなどのイベントのたびに、花を贈る習慣があったものだが、近頃は食事するくらいで、花をプレゼントするカップルや若者は、ぐっと減少してしまった。

それに伴ない、古くからつづいていた「〇〇流」という華道に、結婚前の女性が習いに行く習慣も、激減してしまったようだ。以前は女性誌の新年号というと、各流派の師匠がみごとな生け花を披露したものだが、最近はぐっと少なくなってしまった。

このままで行くと、街の花屋さんが、どんどん少なくなっていく。何しろ近頃は、50代の女性がお客のピークとなっており、それ以下のママたちは花離れしているらしい。そうなると、このママたちの娘は、さらに花離れ世代となっていく。彼女たちのアクセサリーは、家の中に飾るものではなく、身に付ける宝石類になっているようだ。

これは「家離れ現象」といって、将来は、日本から外国に移住する前兆だ、という識者もいるくらいだ。仮にそうならなくても、地方から大都市に移る人の数はふえつづけるだろう。故郷の土から離れる人々がふえつづければ、花は立ち枯れてしまう。少々寂しい街の風景になっていくだろう。もちろん家や部屋の中にも、美しい花類は、見えなくなりそうだ。

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