いまのこの年になって、初めてわかった人生の教訓がある。「あわてることはない」といことだ。かりに1回や2回成功したところで、そんなものは長い人生で、吹き飛んでしまうからだ。
たまたま週刊誌のグラビアを見ていたら「一発屋芸人、一瞬の絶頂」という人物写真が載っていた。レイザーラモンHGをはじめ、ダンディ坂野、長州小力、エド・はるみなどテレビで一時は、人気を独占していたタレントだ。
最盛時の収入は6~7千万円だった人気者もいたが、いまの収入はゼロに近いという。スケジュール表も空白だという。多分、そんなに貯金もないだろうし、お先真っ暗だろう。
誰でも早く出世したいと思うだろうが、いまのように、死にたいと思っても、なかなか死ねない長寿社会になると、なまじの若さでの出世や成功は、かえってその人の人生を誤らせる因(もと)になるようだ。
それは金銭感覚が大きくなるからで、以後、貧しい人生を歩くことはむずかしくなる。それくらいなら、コツコツと小金を貯めていく人のほうが、老いてから、はるかに幸せだろう。
ふり返ってみると、30代、40代でどんなに大きく稼いでも、それが老後に生きることはまずない。いつの間にか雲散霧消してしまうのだ。
現在の日本で、遺産に税金のかかる人は、たった7%しかいない。100人中93人は、どんなに稼いでも、死ぬとき税金の心配など、することはないのだ。それほど長生きしている間に金はなくなっていく。
老後を楽しみたいというのであれば、生きている間、働きつづける以外ないようなものだ。もう1度いうが、若いうちは楽しんだほうがいい。先々のことなど、まったくわからないよ。