脳の時代だという。脳学者と呼ばれる人々はウケに入っている。
大分前になるが、偶然、養老孟司の話を聞いたことがある。人間の本物の脳を手にしていて、聴き手に触らせていたが、その話を聞いて以後も、私の頭がよくなった形跡は、まったくない。
茂木健一郎も、養老教授を上回る人気だが、別に彼の本を読んでも、テレビで彼の話を聞いても、脳が活性化する様子はまったくない。
「勝負脳」の本を読んだら、受験に合格する、学業で成功する、と信じていたら、それこそ人生を、メチャメチャにしてしまうだろう。
ドイツの国立遺伝研究所は、冷静に分析している。両親のレベルが5であれば、子どもの能力は3以下にはならないし、両親のレベルが3であれば、子の能力は3以上には生まれない、という。
だからこそ、脳の活性化が必要だといわれそうだが、私にいわせれば、あまり期待をもたせるのは、かわいそうすぎる。
脳は自分で育てられるといっても、育てるにふさわしい脳がなければ、花は開くまい。それは植物と同じではあるまいか?
私の知人がおもしろいことをいっていた。
「脳の本を読んで理解し、実践できるヤツは、もともと脳力が高いに決まっている。ノータリンが読んだって、チンプンカンプンではないのか!」
その通り。だから私は1冊も読んだことがない。