例年だと、8月末の土曜日の軽井沢駅は帰京客で混雑するのだが、今年は豪雨と雷雨にたたられたせいか、夕刻にもかかわらず乗降客はさほどでもなかった。



そんなところに、私は東京からやってきたのだが、偶然にも、天皇、皇后両陛下のご一行に出会うことになった。ふつうであれば、黒山のような人だかりになるところを、私はまったく真近で、それこそ1人で顔を合わせるようになってしまった。



表現はおかしいが、私は当時「宮内庁ご用達」といわれた「女性自身」編集長をつとめていただけに、両陛下のご結婚のときから、よく知っている。また「皇太子殿下初めて語る」というインタビュー記事で会ってもいる。



また、『正田家回想録』という連載企画で、皇后の母堂である正田富美子さんにも、たびたび会っているし、お宅にも伺っている。



それだけに皇后というより、正田美智子さんという親近感をもってしまうのだ。天皇は私を見ずに、隣の人たちに会釈を送っていたが、皇后とは目がバッタリ会ってしまい、あちらから、笑顔で会釈していただいて、あわててしまった。



私はほかの人たちより、はるかにくわしく皇后のことを知っているだけに、知人から挨拶されたような不思議な感覚だった。



それにしても、天皇、皇后陛下のご苦労はきびしいものがある。皇后は聖心女子大出の平民ということで、常盤会という皇族、華族の会から強い反発を受けたものだった。



それについて書くことは、別の機会もあろうが、ともかく「お元気で!」と私は心の中で叫んでいた。