雑誌に紹介される、しゃれたレストランや料理店の半分は、1~2年でつぶれてしまう。一時的には客は集まるが、固定客をつかめないので、ジリ貧になってしまうのだ。
その点、私の長年の外食経験からすると、味噌汁を出す店でつぶれることは、めったにない。これはなぜなのか?
サラリーマンをがっちりつかむことができるからだ。日本の男には、味噌汁は母の味であり、1日1回は飲みたくなる。だから和食の店でなくても、一向にかまわない。
中華料理店で出しているところもあるし、洋食屋では必需品なのだ。もちろんイタリアンで出す店もある。そしてそういう店ほど、サラリーマンの固定客をもっている。
20年ほど前から、女性の時代といわれ、それに乗って女性向きにした店ほど、あっという間につぶれていく。なぜなら、肝心の食事より、店内装飾や食器類に金をかけてしまうからなのだ。
しかし女性客は浮気で、新しい店がオープンすれば、すぐそっちに移ってしまう。装飾デザインは新しい店ほど凝っているので、当然といえる。
その点、安月給のサラリーマンは、600~800円で洋食に味噌汁、白い飯さえあれば、毎日でもそこに通っていく。実質的なのだ。食器などどうでもいいし、椅子も座れればいいくらいだ。
もし長く保たせないと思うなら、味噌汁さえおいしくすればいい。
私は長年そんな店を愛用してきたが、多分ほかの男たちも同じだろう。