おれは両親と祖母と車で旅行している。リアシートに座る祖母の身体には巨大な金色の珠が埋まっている。よく見ると甲虫のような黄金のプロテクターだ。脚を患った祖母はそれ無しでは歩けないのだという。恐る恐る祖母の身体からプロテクターを外してみると中は空洞になっており、剥き出しの肉と骨が覗いている。おれは驚きプロテクターを自分の身体につけなおす。でも身体だけではだめだ。入れ歯を填めないとおれの歯はぼろぼろなのだ。助手席の松本人志から入れ歯を借りる。松本の歯は全てぼろぼろなので総入れ歯だ。入れ歯は大きく光沢のある金属でできており卵型をしている。かなり高価なもののようで、大事に扱うよう脅しを受ける。それでも歯が無いと困るので無理矢理はめるとその大きさでアゴが全く動かない。無理矢理外そうとして口の中の動脈を傷つけてしまいものすごい勢いで血が飛びでる。時速数キロ。早く止めないと。アクセルを踏む。