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「うわ安っす〜、これエエやん」





一旦、日本海側へ出て萩市へと向かうオレとアル中。

ここから休憩所として立ち寄る阿武町と萩には優秀な道の駅があり、特に海産物に関しては群を抜いていると思うのはオレだけじゃあるまい。


「道の駅なんて…」とはオレも思うところだし、普段はトイレか気分転換くらいでしか立ち寄らない。


が、今日泊まる民宿の近くにいい店があるとも限らないし、あったとしても着いた頃には閉店…なんて事はこれまでにも沢山あった。


今日泊まる宿は、二人以上なら素泊まり一泊三千円(一人なら四千円)。

食事は持ち込み制で、ご飯は無料で用意してくれるという。

何それ?最高じゃねーか。






「ホンマやなぁ。でも、まだ着くまでにかなり距離あるし、萩の道の駅で買っていこや」




阿武町の道の駅で激安の海鮮類を目の当たりにし、思わず迷惑系ニーハオ人並に爆買いしそうになるアル中を止め、次の萩にある道の駅で買う事をすすめる素無視系九州人のオレ。

ここに来るまでやはりというか、いわゆる

【ヤエー】と言われるライダー同士の挨拶を求めてくるハイテンション連中にはウンザリするほど遭遇して来たが全て無視。

ま、オレ自身がライダーだという意識が無いのは元より、急カーブなど所構わずアレをやってくるアホ連中には辟易しているのがその理由だ。

そんなに構ってほしいなら、道の駅なんかの駐輪場でバイカー同士じゃれ合えばいいと思うんだが……

ま、みんなそこまで陽気じゃないって事か。メット脱いだら浪人生みたいなのも多いもんな。








【道の駅・萩しーまーと】の海鮮売場。
ありきたりな物から掘り出し物まで品揃え豊富。






「ほらな、コッチの方が良かったやろ?」



【萩しーまーと】というセンスの欠片も無いネーミングな道の駅に着いたのは午後2時。
今夜は干物でも焼きながら晩酌(姐やんの場合は晩酌とは言わない)しようというプランだ。

バーベキューと言えば基本的に肉なんだろうが、オレの場合は仕事で肉ばっかり扱ってるから干物で十分。
もうね、休みの日まで肉なんか見たくもないし食いたくもない。
ホテルの食事付きプランで「メインディッシュは松阪牛のステーキをご用意しております。お肉以外をご希望のお客様にはスズキのポワレをご用意しておりますが、如何されますか?」と聞かれれば、オレは迷わず「後で王将に行くから要らん」と答えるだろう。





「ホンマやなぁ。でも、野菜とかはさっきの所が良かったね」


「出たよ、オンナの野菜カブレが」


「えっ?何それ〜」


「焼肉とかしゃぶしゃぶとかになると、必ず『野菜も…』とか言うヤツ。そのくせ注文してないヤツの皿にも押し付けよんねん。で、最終的には『結構高かったね』ってか?『オマエが余計なモン頼むからや!』って思うわ」


「えーっ!?でも野菜も食べたいやん」


「野菜も食うけど押し付けんなって話やねん。んじゃ食べ放題で野菜ばっか食うか?」


「ぐふふふふ笑 確かに♪」


「ベジタリアンならともかく、田舎によくある【有機野菜ランチ】とか全くそそられへんねん、オレ。出来ればそういうのは女友達同士で行ってほしい。いくら無農薬でも、『今日はがっつりクレソン食べたいな〜』とか思わへんぞ、普通」


「ギャハハハハッ!でも彩り良くて美味しそうや〜ん♪」


「だから女同士で行ったらエエやないかっ!わざわざ金払ってまで雑穀米のお粥とか食いたくないねん。サラダの上に乗っかったカリカリのカボチャを有難がる金沢ギャルかオマエはっ💢」





オレ自身も年齢相応に野菜は欲しくなるが、未だにそこまでこだわって欲する事はない。

何なら野菜ジュースでエエやんという時もあるし、アホな女子アナみたいに「このジャガイモ、甘い♥」等と感激する事もない。

つか、そういうのを見ると『オマエが本当にすきなのはじゃがりこやろ』とツッコミたくなるのだが、それにしても女の人は本当に野菜が好きだな。

あんなに野菜野菜言ってんのに、何で外見は肉食専門みたいになってんのか不思議でしゃあないぞ。






「んじゃ野菜はアンタが食いたいのを買えや、干物はオレが決めるから」


「えーっ、ちょっと待ってよ!イカとか豚とかウインナーとか食べへんの?」














結局そうなるやろ?


















萩市の後は急いで秋吉台へ。
ここでやっと本来の目的が達成出来た。