前回の話はコチラ↑








「ジュンちゃ~ん♪」


「あ?」


「ドキドキする~♪」




原付(二種)の関門トンネル通行料は20円。

それをカレーに添えられた福神漬けくらい自然な感じで2台分払わされていると、斜め後ろで初のバイク通過にはしゃいでいる恩知らずがマジで鬱陶しい。





「ありがとうね、ジュンちゃん♪」


「アホか、後で500円徴収するからな」


「何でそんなに高いのよー💢」


「さっき金額教えたやろがっ、何でそん時に準備してなかったんや!」




金額なんかどうでもいい。

オレが言いたいのは、『何故その時になってあたふたするのか』という事だ。

人に甘えてばっかりで、軽く礼さえ言っとけば何でも許されると思うなっ。そういうとこやぞ!




(う~ん……この暑さと交通量じゃ岩海苔が危ねぇな。ちょっと怖ぇけど、宗像の手前からアソコ越えて行くか…)




門司から福岡へと延びる国道3号は【渋滞→高速】を繰り返し、更には猛烈な暑さによってオレも少し頭が痛くなって来た。

お化けや幽霊がこの世で一番怖いオレにとっては決死の覚悟だが、ここは思い切って犬鳴峠を越えるしかない。





(犬鳴かぁ……嫌やなあ……)




福岡県民なら誰でも知ってる犬鳴峠。

そこにある旧犬鳴トンネルは映画化されたほどの心霊スポットだが、当時から流れていた噂は基本的に全てデマである。

が、実際にヤンチャなガキ達による◯人事件なども以前は起きており、今ではバリケードが張られて通行不可になっている様だ。





(う~っ、考えただけでも気持ち悪っ💦 姐やんには黙っといてやらなアカンなぁ…)




姐やんの場合はオレより酷い↑






「うん、めっちゃ美味しい~♪




その約2時間後。

『ジュンちゃ~ん、せっかく福岡に来たんやしラーメンが食べたい!』というリクエストにより、糟屋郡にある某チェーン店のラーメン屋で遅めの昼メシ。





「そやろ?こっちのラーメンはな、ネットの評価なんか無視した方が美味いねん。訳の分からん今時の流行りラーメンより、何なら昔っからあるチェーン店の方が絶対外さへんからな」







恐怖の犬鳴峠に小便を漏らしそうになりながら糟屋郡入り。皆さんにも覚えていてほしいが、博多ラーメンは【有名店】と【新進気鋭】の店は避けた方が無難。






「えっ、そうなん?」

「うん、今時の店は昔っからあるコッチのラーメンとは言い難いな。何ならまだ久留米とかの方が昔ながらの博多ラーメンっぽい。後は北九とか」

「何が違うん?」

「そもそも、博多ラーメンっていうのは割とアッサリしてるもんや。関西にある博多ラーメンの店なんか、コッチのヤツから言わせりゃ全部エセやしな。コッテリの意味を履き違えてるわ」

「確かにアッサリしてるなぁ…」

「今は福岡でも【濃厚】とか色々あるけどさ、アホは何でも濃厚なら美味しいと勘違いするやろ?特に乳製品になると」

「ええ~っ!?じゃあソフトクリームは?」

「食わんから知らん」

「ソフトクリーム食べへんの?美味しいのにー!」

「エエ歳こいたオッサンがそんなもんしょちゅう食えるかっ💢 食っても子供と一緒におる時だけや、しかも残して液体化したヤツ」

「食べたいとも思わへんの?」

「思わんな。大体アホっぽいやろ?オッサンがご当地ソフトの写真をインスタとかに上げてるの見ると、何かオレ、めちゃめちゃ哀しくなってくんねん…」←と言いつつオムライスばっかり食ってる人

「アハハハハハッ♪ホンマ、変わってるなぁ、ジュンちゃんは笑」





海苔は余計だが、それ以外は超王道な博多ラーメン。ニンニクが業務用のじゃなかったら最高だったな。美味い。






暫くの間えげつない渋滞に見舞われ、停まってる間に姐やんの相手で暇潰し。
出発してからここに来るまで、ずっとすり抜け無しで来たもんなー。
ま、不慣れな姐やんじゃまだまだすり抜けは危険だ。そこはしゃあない。








「須惠町かぁ……郷ひろみの実家がこの辺りやで」


「えっ、そうなん?じゃあ西城秀樹は?








………な、疲れるやろ?















ついでに案内した故・鉄矢母のタバコ屋。
『ここ、誰のお母さんがやってた店か分かる?』って聞いたら『郷ひろみ!』と自信満々で返って来た。
何にも見てねぇんだな、ホントに…