前回の話はコチラ↑







(部屋狭いな~……でもま、ガキンチョ経営のゲストハウスなんかは大体こんなもんか。とりあえずシャワー浴びて一息入れよ…)




予約した宿はゲストハウス。

別に可も無く不可も無くというか、個室という名の清潔なウサギ小屋とでも言えばいいのか。

いつも思うんだが、無駄に広い共有スペースを作るんだったら部屋を広くしてほしいよな。





(……あ、やっぱり他にも泊まってるヤツがおるんやな?頼むし夜中は静かにしといてくれよ~)




壁の薄さも値段相応。

シャワーを浴びながらも聞こえる笑い声に嫌な予感はするが、これが夜中まで続く様なら対策が必要だ。

共有スペースは二階だし、この高さなら突き落としても死ぬ事はないだろう。


あ~あ、やっぱ民宿に泊まりたかったなぁ…

館山には前回の関東ツーリングで滞在したが、あの時は温泉付きのリゾートホテルだったか?

肝心の温泉は工事中で入れなかったが、それでも部屋は広々、ベッドは最高だったよなぁ……




その時に泊まったホテルはコチラ↑




オレが知らないだけだったら申し訳ないが、何だかんだいいながらも東京に近い街にしては安宿が少なすぎるな、館山は。

つか、この日は小さな民宿なんかも満室だらけだったが祭りでもあったんだろうか(その割には静かだったが)?





「あ、こんちゃッス♪」




一瞬、『ラ・ポンチャス』に聞こえたのは聞き間違えか?

こんな場所でタイパンツ(タイのナイトマーケットなんかに売ってる薄生地のパンツ)なんかを履いてる時点でアホ確定なのだが、それに加えてロン毛の前髪をチョンマゲ風に括ったビジュアルには、『コイツの親じゃなくて良かった…』と改めて安堵するしかない。




「こんにちは」




反射的に『サワディーカップ』と言いそうになったのを堪えたのは優しさだ。

出来ればこういう格好を日本でしてるアホとは関わりたくないのだが、そういえば千葉にはタイ人が多く住むエリアがあると聞いた事があるな。

コロナ禍で渡タイしにくいという理由から、こっちで疑似カオサンごっこでもやっとるのかオマエは?

それより足の爪を切れ!親指真っ黒やないか汚ならしい。





(あ、ヤベ。もうこんな時間か…)



待ち合わせの時間まであと一時間。

体はヘトヘトだが、久しぶりに女性と二人きりで食事が出来るのだ。グズグズしてはいられない。

店のチョイスはネットで見つけた居酒屋。

前回は不便な場所に泊まり失敗したからな~…

ま、そういう意味じゃ立地だけ最高だな、このウサギ小屋は。やはり駅近は便利だ。





物音やイビキが響き渡るウサギ小屋情報はコチラ↑






「あっ……」


「あっ……」




コロナ禍のせいもあるだろうが、地元の人に人気だというその店は暇だった。

カウンター席の端に座り、景気付けの生ビールを二杯呑み干したところに入って来た女性。

おそらくあの人がMさんなのだろう。





「こんばんは~!アハハハハッ、本当にジュンさんだ~♪」


「どうも初めまして、ジュンです」




思ったよりくだけた感じの女性で助かった。

普段からアホなブログばっかり書いてるもんで、生真面目潔癖な女の人だったらしんどいなという気持ちはあったが、どうやらそれは無駄な心配だった様だ。

つーか若いな~、こんなオジサンで只々申し訳ない。





「お先に頂いてました」


「どーぞどーぞ、お気遣いなく♪」




妄想した病弱娘ではなかったが、こんな風に若い女の子(歳はナイショ)と二人で呑むのなんかいつ以来やったかなー?

いや、店の常連なら20代なんてのもいるにはいるが、そんなのは子供にしか見えない上に、大体は4~5人とかでメシ食って終わりだ。

やっぱ女は30からだな、それ以外は盛りのついたテナガザルにしか見えぬ。





(あ~、ホンマに久しぶりやな~こういうの♪小料理屋の女将もいいけど、やっぱ普通の女の子と呑むのは格別や………あら?何か一気に酔いが回って来た様な………いや、気のせいか?まだ生3杯目やもんな、こんなもんじゃ普通は……)




多分疲労のせいだろうが、軽い立ち眩みの波が来るのは気になるな。

今までこんな事はなかったんだが……





「ふぅ~、結構お腹いっぱいになりましたね。この後どうしましょ?バーかカラオケでも行きますか?」




てな感じで近くのカラオケボックスに入ったんだが、とにかく何つーかその……稀に見る体調不良というか、その前兆みたいな立ち眩みが津波の様に押し寄せて来てね。

頭は下心いっぱいだったんだが、体が全くそれについて行けない状態でさ、いやホント、隙あらば男全開で抱いたろかくらいの気持ちだったのに、実際は2曲くらい歌うのが精一杯だったのだ。

いやホント、マジで情けねーわ。





ま、例えオレが万全の体調だったとしても全力で拒否られたんだろうが、どちらにしても男としては寂しい限りである。





「じゃあ、そろそろ宿に戻りますね。最後に写真でも一緒に撮りましょうか♪」





頬寄せるMさんの匂いが何と良い事か。

あ~あ、体調さえ良けりゃなぁ……














ま、この二日後にはそれどころじゃなくなるんだけどね。













楽しいひとときをありがとうございました。
いつかまた😊