前回の話はコチラ↑







「ガキの遊び場とちゃうんじゃボケ!しばくぞ(゚Д゚)ゴルァ!!💢」









シ~~~~ン…









「すいません」

「あ、すいません…」

「すいませんでしたー」

「すいませんでしたっ」







冗談でも何でもなく、これがもし地元民だけが利用する別府の共同浴場だったらこんな感じが普通である。

幼い子供がはしゃぐ分には何も言わないが(←親が叱る)、中学生以上の兄ちゃん達が騒いでたら常連のジジイが黙っちゃいない。田舎の大人は怖いのである。


『そんな事言っても、もし相手が怖い人達だったら…』


と思う人もいるだろうが、そもそもそこらの銭湯には背中一面に墨の入った連中などいくらでもいるのだ。

で、そういう連中はすっ裸で暴れる事など絶対無いどころか、アイツらは逆に風呂場のマナーはしっかりしている方である(←毎朝の光景)。

普通の人からすれば見た目だけで迷惑に感じる人が殆んどだろうが、実際にはそんな連中よりもマナーが悪いのは一般人の方が圧倒的に多い。というのが、毎朝銭湯に通ってるオレの個人的な感想である。

ま、あんまり居てほしくはないけどね。ああいうのは。






「静かに浸かっとけ💢」






かくいうオレも、実はアメリカ暮らし時代にハリウッドで入れたワンポイントが左肩にあるのだが(その話はいつかまた)、所謂その道の人達が好んで入れている様な和彫りではなく、言ってみれば弁当箱の片隅にばあちゃんが入れたがる甘い豆くらいの優しいヤツが、申し訳ない程度にコンニチワしている。


ま、その程度だろうが何だろうが、そんなモンの入ったオッサンが突然関西弁でブチギレたらガキは怖いだろうな。特にこのフォーホーケーズみたいな真面目っ子達は。






「家族で観光に来てんのか?」



「あ……いえ、友達四人で来ました……」




「そっか、まぁ、はしゃぎたくなる気持ちも解るけど、他に入ってる人がおる時は絶対アカンぞ」




「はい、すいませんでした」






濡れた長めの髪はオールバック風になり、端から見ればガラの悪い金八が説教してる様な感じになってたんじゃないだろうか?

が、元はと言えばこんな所で騒ぐオマエ達が悪いのだ、羨ましいから旅館の浴衣姿でうろつくんじゃないっ!(←ただの僻みかよ)












(さて…と。雨も止んだし、体も温まったし、そろそろ行………んあっ?…)




宿に戻り、荷物を部屋から出そうとした時だった。

猛烈な立ち眩みが全身を襲い、その場にヘナヘナと座り込む偽金八。

ヤッベ、これってもしかして湯中りか?そういや、あんな熱い風呂に長々浸かったのって久しぶりやったもんなぁ……

ま、走って顔冷やしときゃ大丈夫か?






「あら、もう行くの?」


「あぁ、はい、お世話になりました」


「はいはい、気を付けて。安全運転で!また機会があったらねー♪」






岸田今日子の『機会があったら』という言葉に、スナフキンの名言で何か返そうとしたが思い浮かばなかった。

心からの苦笑いがそれだと思って下さい、これからもどうぞお元気で。











その約一時間後











「あ…ったま痛ぇ~っ………絶対湯中りやわコレ……んで……分かってたけどやっぱ寒みぃいい~~っ((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル








湯中りの応急処置としてパノラマラインを薄着走行。風邪引くから絶対真似しないでね。