【シムーン】傷と痛み 5着
※台詞:仲間を戦いで失い、自分の未来に迷うネヴィリル、彼女の苦悩を自分で癒せないもどかしさに苛立つパライエッタ、パライエッタへの通じぬ想いを抱き続けるカイム。心の傷を癒す術を見つけることが大人になることなのでしょうか
☆コールテンペストは復活したものの、ネヴィリスはいまだ復帰せず、戦いへの参加はまだ難しいというあたりのお話でした。
というか、正直なところテンポが悪いです。
あるいは狙いとして、一人ひとりのキャラクターが抱える心の傷に焦点を当てて話を進めているのかも知れませんが、それも非常に曖昧だったりします。
そもそも、まずこの特殊な世界の中における常識と視聴者側の常識にかなりのギャップが存在するはずなのに、その部分を埋める説明なしに彼女たちの心情を理解しろ、というのがかなり無理な話だと思います。
例えばネヴィリルは、アムリアを失った後、シヴィラとして残るか泉で性別を得るか悩み続けますが、このあたりからして、見ている方には悩んでいる理由がぼやけてます。
あるいはシヴィラ同士の信頼関係、もしくは恋愛関係についての常識についても同じ事が言えます。どこまでがよくあることで、どこからが特殊なのか、何の説明もないとどれも単なるレズ行為ですし(おい)
オリジナリティ溢れる世界というのはそれだけで一つの魅力になりうるのですが、それは前提として視聴者にその世界観が受け入れられるというのが絶対条件だと思います。今のこの作品では、その大事な部分を省いて話を進めているのが問題ですし、見切った人が多い原因だと思います。
他のものを傷つけ犠牲にしてでも自分の大切な命をつなげたい。でも、それが「生きる」っていうことなのかしら
【RAY】成り代わり 4着
※台詞:斬られようとする桜の木の種を身に宿した少女は、木の「死にたくない」という意志に操られます。生への執念は生物の根源なのかも知れません。
☆とりあえず、この作品が非科学的、オカルト方向的な分野へ進みたがっているのは分かりました。SFとして、それはそれでアリだと思います。ただ、その方面の作品としてみると、むしろ単調な気がします。言い換えれば「ありがち」。せっかく、神の目を持ち、ブラックジャックともコネクションのあるキャラクターが主人公なのに、かなり勿体無い気がします。
しかもタイミングが悪いことに植物の生命ネタは同じ日に「吉永さん家のガーゴイル」でもテーマとして扱っていて、こちらの方が共感できる部分が多いだけに余計に物足りなさを感じてしまいました。