【嘆息】自民党政権には規制改革を断行する力はないのか | 桜内文城オフィシャルブログ「みんなきさいや」Powered by Ameba

【嘆息】自民党政権には規制改革を断行する力はないのか

アベノミクスの3本目の矢とされるのが「成長戦略」である。一昨日、安倍首相は臨時国会の所信表明演説で「成長戦略実行国会」だと大見得を切ったばかりなのに、早くも官僚機構の抵抗に腰砕けとなった姿を露呈した。

本来、既得権益を打破する規制改革、とりわけ国家戦略特区制度は、成長戦略の最大の目玉であったはずである。ところが、本日の読売新聞には「雇用規制緩和特区、断念へ…厚労省の反発に配慮」との見出しが踊った。

そもそも厚生労働省は行政機関の一つであって、国会が議決した「法律や予算の執行」を担当する役所にすぎない。従って、厚生労働省の有する様々な規制の権限は、すべて法律上の根拠を必要とする以上、仮に国会が「雇用規制緩和特区」を設置するという法律を議決したならば、当然、厚生労働省は粛々とその法律を執行すべき立場にある。要するに、現在、国会で過半数を大きく超える議席を有する自民党政権は、行政機関のあらゆる規制の根拠法を改廃する権力を有しているのであって、厚生労働省が反発しようが何しようが、自民党政権に「やる気」さえあれば規制改革が進まないはずがないのだ。

読売新聞の記事によれば、厚生労働省の「雇用規制緩和特区」に対する反論は、労働者の権利保護を掲げた労働契約法などに抵触するといったことのようだが、そもそも労働契約法など既存の法律を改廃する権力を自民党政権は持っているのだから、まったく反論にもなっていない。

自民党は政権を奪還したといっても、「唯一の立法機関」(憲法41条)の議員であることの自覚があるのか。安倍首相の「成長戦略実行国会」という言葉が虚しく聞こえる。