【愛媛新聞アンケート】原発関連 | 桜内文城オフィシャルブログ「みんなきさいや」Powered by Ameba

【愛媛新聞アンケート】原発関連

5月14日(土)の愛媛新聞3面に原発関連の緊急アンケートの結果が公表されました。実は結構長文の回答をしていたのですが、紙面では結論の部分のみ掲載されただけでしたので、真意が伝わらなかった恐れがあります。以下、ご参考までに僕の回答全文を掲載します。

【1】今後、原発は推進すべきでしょうか。また、その理由はどうですか。
   ①推進すべきだ    ②推進すべきでない    ③どちらとも言えない

②推進すべきでない。というか推進できない。
(理由)原発の安全神話は完全に崩壊した。今後、日本国内で原発立地を許容する地域があるとは考えられない。また、日本の原発の管理運営能力に疑問符が付いた以上、海外へのプラント輸出も絶望的だと思う。

【2】これまでの原子力政策に問題点があると考えますか。ある場合、どのような点が問題ですか。
   ①ある              ②ない

①ある。
・政府(経済産業省・原子力安全保安院)と電力会社との間で権限と責任の分担が不明確。
・政官業が原発推進の利権を通じて一体化していた。
・原子力災害に対する備えが不十分だったにも関わらず、根拠のない安全神話を巨額の広告宣伝費を使って国民の間に広く周知した。

【3】愛媛県にも伊方原発が立地し、前面海域の活断層や東南海・南海地震での影響・被害が懸念されていますが、震災や津波でどのような対策が必要と考えますか。

・地震の揺れに対する耐震性能の向上。
・津波等によって全電源喪失となっても原子炉の冷却を継続できる「システム」の構築。
・現実的な避難計画の策定。

【4】原発に代わるものとして自然エネルギーに注目が集まりますが、自然エネルギーが原発の代替エネルギーになると考えますか。また、理由はどうですか。
   ①なる         ②ならない        ③どちらとも言えない

現時点では、③どちらとも言えない。
(理由)
・発電コストの面で現時点では自然エネルギーは未成熟。但し、将来性はある。
・地熱や潮力発電、太陽光発電プラントは有望だと思うが、一朝一夕に原発の代替エネルギーになるのは難しいのではないか。

【5】菅直人首相は中部電力浜岡原発の全面停止を要請(8日時点で中部電力は対応未定)しましたが、停止要請を評価しますか。また、理由はどうですか。
   ①評価する       ②評価しない       ③どちらとも言えない

②評価しない。
(理由)
・科学的な検証の結果、政府として全面停止すべきだと判断したのであれば、「要請」ではなく、電気事業法等の法的根拠に基づく「命令」とすべきだった。このままでは原発停止に関する意思決定の責任の所在が不明確になる。
・浜岡原発だけを狙い撃ちにする基準が不明確。原子炉の耐用年数等、客観的に明確な基準によるべき。

【6】浜岡原発以外でも、地震などの被害が懸念される原発があります。伊方原発も含め停止すべきでしょうか。また、理由はどうですか。
   ①停止すべきだ     ②停止すべきでない    ③どちらとも言えない

原発を停止させるべき科学的根拠が提示されない以上、②停止すべきでない。
(理由)科学的根拠に基づかない単なる感情論で政府が民間企業に原発の停止を「要請」すべきではない。逆に、科学的根拠に基づき、政府部内での十分な議論を経て行政権限に基づいて「命令」する場合には、伊方原発を含め停止すべきである。

東日本大震災
【1】政府は6月にまとまる予定の復興構想会議の提言などを受け、2次補正予算案をまとめる方向ですが、2次補正予算成立の時期はいつごろが望ましいと考えますか。また、理由はどうですか。

・できるだけ早く(今国会会期中に)2次補正を成立させるべき。
(理由)
・1次補正の規模は4兆円に過ぎず、20-30兆円ともいわれる復興需要に対応できない。
・1次補正の内容は瓦礫撤去、仮設住宅建設等の緊急対応に限定されており、2重債務問題や原子力災害への対策がまったく盛り込まれていない。これらは一刻を争う問題であり、政権延命や政局を云々している場合ではない。

【2】2次補正予算にはどのような内容を盛り込むべきだと考えますか。
・原子力災害対策費(放射性物質の拡散を防ぐ工事に要する費用、避難地域の土壌改良等に要する費用、被災者への補償を東電に代わって実施する際の費用等)
・事業資金や住宅ローンの2重債務問題への対応に要する費用(金融機関から被災者に対する債権を買取る5兆円規模の基金の設置等)
・漁業者や農業者が集団経営を開始する際、設備投資等に充当する出資金の拠出等。
・被災地の復興に関する都市計画の立案、実施に要する費用。
・復興特区(法人税の減免、規制緩和等)に要する予算措置。

・その他

【補足】2次補正の内容のところで1番最初に挙げた「原子力災害対策費」ですが、実は1次補正ではほとんど計上されていません。具体的には、原子力安全規制情報公聴・広報事業費5.5億円、国際原子力機関拠出金等2.5億円、きのこ原木安全性確保対策事業費1,700万円など、直接原発の安全性の確保には関係のない項目ばかりです。原子力災害対策費の規模も合計でわずか49億円。それも原子炉の安定化や放射性物質の拡散を防ぐ対策、被災者への補償など急を要する内容もまったく含まれていないのが実情です。その意味で、まずは3-5兆円規模の原子力災害対策費が最も緊急かつ重要だと考えているところです。


【3】2次補正予算の財源はどうするべきだと考えますか。
・増税には絶対反対。
・一般会計から国債整理基金特別会計への繰入の一時停止(10兆円)
・労働保険特別会計の剰余金の取崩と一般会計への繰入(5兆円)
・復興基金を設置し、そこで国債に準じる復興債券を発行(10-20兆円規模)。必要ならば日銀による直接引受を実施。