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日銀「さくらリポート」

桜内文城です。



4月17日に日銀全国支店長会議が開かれ、4月の地域経済報告「さくらリポート」が発表されました。



愛媛県についても、製造業の減産、大型小売・自動車販売の不振、雇用の低迷など、全体として悪化しております。しかし、業種別により仔細に見ると、それ程悪くない所も散見されます。但し、これには一時的な要因に加え、受注残の食い潰しという側面があり、息切れする前に受注回復のための早急な経済対策の実施が必要不可欠です。




今回の「さくらリポート」によれば、景気の現況については据置きとなった東海・中国地域を除く7地域全てが悪化となり、白川日銀総裁も景気の底割れを強く懸念する旨のコメントを付しています。



愛媛県については、製造業における足元減産が継続しており、非製造業においても大型小売店、自動車販売の落ち込みが見られ、景気は悪化しているとの判断です。有効求人倍率も7ヶ月連続して低下しており、雇用環境は厳しさを増しているとの判断です。



しかし、愛媛県全体で見ると、在庫調整は進捗している気配であり、自動車交通量も増加しているとの指摘もなされています。ただ、南予の漁業・海面養殖業については、真珠の低迷、マダイ・カンパチ・ハマチの単価低下による不振が深刻です。一方、晩柑類の出荷量・価格上昇はプラスに働いております。その他、一般機械については輸送用機械、鉄鋼等からの高水準の受注によって稼動水準は落ちておりません。造船も内航・外航ともフル操業の状況と言われております。



このように、愛媛県全体では必ずしも悲観一色ではないとも思われますが、さらに掘り下げてみますと、季節的な一時要因であったり、従来の受注の食い潰しであったりしているようで、回復への足取りを着実にするためには、現在の僅かに残っている明るさが消える前に受注回復に繋がる緊急対策が実施される必要があります。



このために望まれるのは、大きな雇用創出効果が期待される社会インフラについて、「選択と集中」によって前倒しで整備を進めることだと思います。具体的な優先分野としては、地域間格差の是正や、地域活性化のための地方幹線道路等の早期整備、学校・病院等の公的施設の耐震化・省エネ化の促進などが考えられます。また、若い人のみならず、中高年齢層にとっても雇用機会を確保するために、ものづくり中小企業を支援するための教育研修、研究開発、製品化開発支援の予算を充実させる必要があると考えます。