どうしようもない役人根性! | 桜内文城オフィシャルブログ「みんなきさいや」Powered by Ameba

どうしようもない役人根性!

一昨日の月曜日、政治活動の合間に本業(どっちが本業か微妙ですが)の会計業務に従事していた際、お役人の非常に不可解な対応に出くわしました。僕が財務・会計コンサルティング業務を受任しているある個人の所得税の関連で、その方の顧問税理士と僕の二人で松山税務署に出向いたときのことです。



会計士補という立場で税理士と一緒に出向いたのですが、冒頭、僕から名刺を渡したにも関らず、先方の統括官と調査官は最後まで名刺を渡そうとしませんでした。確かに、同席していた税理士に聞けば統括官と調査官の名前ぐらいはわかりますが、名刺交換さえしないというのは社会人の態度としていかがなものでしょうか。役人の行動原理の一つに「個人として絶対に責任はとらない」というものがあります。大蔵省勤務時代、他省庁と電話で折衝しているときに相手が自分の名を名乗らないことがありました。そのお役人は「組織で仕事をやっているから、自分の名前は名乗らなくて良い」と不可解な言い訳をしていましたが、一事が万事、お役人というものは、自分の言動によって個人としての責任が問われないように最大限の努力をするものです。



それだけではありません、そのお役人二人は冒頭から「守秘義務があるから、個別事案については話ができない」と言い出しました。要は、「お前とは話をするつもりはない」ということです。彼らが「守秘義務」を持ち出す意味が良くわからなかったので確認すると、「税理士の登録をしていない者が同席している席では、守秘義務の関係で個別事案について話はできない」とのことでした。全然、理屈にもなっていないので、僕から「いったい誰に対する守秘義務なのか。自分は財務・会計コンサルティング業務をいわゆる2項業務(公認会計士法2条2項)として受任している。公認会計士法上の守秘義務もある。」と伝えました。それでもなお、お役人二人は「受任を証明する契約書を提出しなければ話はできない」と抵抗する。仕方がないので、同席していた税理士から「受任契約書については明日提出する」という話をして、とりあえずは当方からの説明だけはすることになりました。



再度、僕から「申告など税理士独占業務については当然、同席している税理士が行う。自分は全般的な財務・会計コンサルティング業務の一環として、今回、税務署に問題視されているMS(メディカル・サービス)法人の利益率や仕入率の話をしに来た」と伝えましたが、それでもなお、お役人二人は「個別事案については交渉しない、今日は説明を聞き置くだけ」と最後まで言い張って譲りませんでした。



お役人二人は税務署職員であるにも関らず、恐らくは公認会計士法上の2項業務、そして守秘義務に関する知識もなく、単に税理士の守秘義務だけを盾に「お前とは話をするつもりはない」と言いたかったのでしょう。「税理士ならば自分たちの言うことに従順に従うから、税理士とは話をするが、ややこしい会計士(正確には会計士補)なんかとは話をしたくない」ということだと受け取った次第です。



税務のプロとしての知識もなく、一般社会での礼儀も知らず、個人としての責任が問われないようにだけ一生懸命頑張る。このような役人根性はどうしようもないですね。僕は大蔵省勤務時代に本省の主税局2年、鹿児島の加治木税務署長を1年務めました。かつては国税の仕事に誇りを持って取り組んでいたのですが、今般の松山税務署での出来事はすごく残念に思いました。