最終のバスを待っている間に
この気持ちを伝えるタイミングは何度もあったんだろう、、
「好きです」と
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華の高校生活も終わりに近づいて来たある日
「ひいちゃん。保乃東京に行こうと思う」
いつも通りバスを待っていると突然そんなことを言ってきた。
「、、東京?どうして?」
「保乃のやりたいことを叶えるには
東京の大学しかないんよ」
「、、そっか保乃ちゃんの夢を叶えないとだもんね」
本当は行かないでって思っていたかもしれない
でも東京に行く決意をした君の背中を押したくなった
それから保乃ちゃんは東京の大学に行くことが決まって、3月には別れることが決まった。
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卒業式まで片手で数えられる程になった頃
何度も二人で最終バスを待ったバス停で
思い出話に花を咲かせていた。
キラキラした笑顔でこんな事があったね!
と笑う保乃ちゃんの顔を見ていると
自分よりも大切で大好きな人なんだと
嫌でも改めて思ってしまう。
溶けるように暑い夏の日も
凍るように寒い冬の日も
保乃ちゃんと沢山向き合って話してきた
今ここで思いを伝えたら、、?
保乃ちゃんはどんな顔をするだろうか
もしかしたら笑って想いに答えてくれるかもしれない。
いや、そんな訳ない
"もしも"なんて何の意味もない
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今日は保乃ちゃんが東京へ旅立つ日
私は地元の大学に通うのだが
ただ通う場所が変わるだけで
ただ新しい友達が増えるだけで
大切な何かを残したまま大人になってしまう
「保乃ちゃん東京に行っても元気でね」
「ひいちゃんもな!またいつでも遊ぼな!」
「あっこれプレゼント」
「ん?綺麗な花やなぁ!嬉しいわぁ
なんて名前なん?」
「ベゴニアっていう花だよ」
「ベゴニア、、ほの初めて聞いたわ
こんな綺麗な花ひいちゃんありがとうな」
「喜んで貰えて良かったよ」
保乃ちゃんが本当に嬉しそうに花を抱きかかえるとタイミングを見計らったように
ホームに別れの音が聞こえてくる
「保乃ちゃん本当にありがとね」
「保乃こそひいちゃんと出会えてよかった」
新幹線は君を乗せてあっという間に
私の元から去っていった。
なんでカッコつけてだよってもう一人の自分があきれてるけど
独りよがりでもいいから
見送った私を褒めてあげたい
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帰り道
保乃ちゃんが好きだと言っていた
桜の木が満開になっていた。
桜がすぐに散ってしまうように
季節はすぐに移り変わってしまう。
出会いも別れもすぐに巡ってしまう
周りに気づかれないように瞼を閉じると
君の声が聞こえてくる
私はそれに耳を傾け記憶に残そうとする。
ずっと桜が散らなければいいのに
せめてもう少し満開でいてくれたらいいのに
そしたら君をずっと想い続けることができるのに
君と別れたあの日は桜月
泣くな 桜月
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桜月、歌詞の感じが大好きです
文章中に出てきたベゴニアという花の
花言葉は
「片思い」「愛の告白」「幸せな日々」
などです。
本当は
「君を忘れない」「遠くにある人を思う」
「追憶」などの意味をもつシオンという
花にしたかったのですが
シオンの開花時期が8月~10月だったので
周年の花であるベゴニアにしました