花。Notice of the flower 24 | 嵐-大宮妄想小説-大宮に恋して。

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サクラコ

花。Notice of the flower 24


※Notice※  この作品はフィクションであり実在する、 人物・地名・団体とは一切関係ありません。 また時折不適切、尚、BL要素が含まれる事もございます。 上記の意味が理解できない方、受け止めれない方はそっと静かにこのサイトを閉じて頂く事をお勧めします。 

尚、この話は特殊な内容となっております。
オメガ、アルファ、などご理解できない方は同じくこのページを閉じて頂く事をお勧めします。


サクラコ。


自分の、血統の高い『α』属性として生まれもった存在意識が何かと必死に戦っているのがわかる。何と戦い、どちらが今現在優勢なのか自分の身体を見れば容易に判断出来た。

精通すらしていない大人の男としては未熟すぎる俺の身体がこんなに立派に自己主張をした事なんて俺の記憶の中に果たしてあるだろうか。


『そんな事も、なかったりするんですよ?
………………ほら」』

なんて言いながら、実は一番驚いてるのは俺、そう、俺自身だったりする。


『お爺様から許可が下りるまで忘れずにその薬を飲み続けるのよ』
『母さん、俺、何かおかしいの?俺のせいで母さんは、、、』
………………あの日以来、俺の前から姿を消したの?

母さんと最後に会ったのは、あの病室が最後で
母さんと言葉を交わしたのは電話で話したその言葉が最後。

あれから少し大人になって、俺が飲まされ続ける、薬の成分、効き目、それに伴う副作用について説明を受けた時、俺は父さんに尋ねた事がある。


『母さんとは、今も変わらず
………………番(つがい)のままだよね?』

父さんはそれに対して返事らしい言葉を俺にくれる事はなかったけれど、愛おしそうに自分の薬指に存在する指輪に触れたその瞳は俺にとって充分すぎる答えだった。

だから俺は今日の今日まで薬を飲み続けた。
飲み続けなければならない理由をしっかりと理解した今でも、飲み続けてる。


『抑制剤』


『Ω』属性が無闇矢鱈、そしてなにより突然発情(ヒート)しないように作り出されたその薬は、
性質上、
理由上、
必要性上、最優先で開発が進み、今は安価で安全なものが保険適用内で処方されている。それはもう一つ重要不可欠な『避妊薬』も同様に。

片や、『α』属性に関する薬の開発は極々一部の機関でしか行われておらず、『Ω』属性の薬と比べたら、確実に時代遅れだった。

性質上需要がないから
緊急性がないから
理由が
………………ないから。

だから俺が飲んでいる薬は所詮さっき彼が慌てて飲もうとした『down』と同じような野良薬。そんな野良薬を毎日飲んでいるのだから俺の方がよほど
………………タチが悪い。

臨床も途中なその薬を飲み続けている副作用なのか、それとも意図的なものなのか、俺は目の前の彼みたいな研究者ではないからきっと『その』薬を飲み終えるその日が来るまで本当に詳しい事など知る由もないが

俺は『α』属性に生まれながらも、
成人した今でも、
弱々しい勃起は朝の生理現象程度に、それも極々稀にする程度。



『俺の事、
………………抱いてくれますか?』

もちろん、知識はある。
その工程も、知識の一部として俺の頭にはある。

経験がない。
冗談と言われるかもしれないが男の、『α』属性の象徴である『自慰』で、すら、俺には経験がないのだから。

でも、心が騒つく。
その証拠に、俺の俺は立派に
………………勃っている。

『Ω』属性のヒートなんて普段から見慣れているのに、薬のせいでその独特なフェロモンに充てられる筈などありえないのに。

身体の奥底がとにかくむず痒くて、何かを無性に、吐き出したくなる衝動に駆られた。

そんな感情すら、俺は初めてで。
目の前で荒い息をしながら、虚な瞳で俺を見るその彼に、自分の湧き上がるその『何か』を素直に捧げて見たいと、
………………そう、思った。



大野「私なんかで、出来損ないの私(『α』)なんかで良ければ、貴方を、二宮先生の事を



………………抱かせてください」

既に完全にヒートを起こす寸前の彼の汗ばんだ身体に、俺は恐る恐る、震える唇で
………………口づけをした。