この世界は俺には残酷すぎて。Karte.45 | 嵐-大宮妄想小説-大宮に恋して。

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サクラコ

Karte.45

BL要素含みます




智「なんだ……………これ」

あの男の頬を触れた掌がまるで火傷をしたみたいに
………………熱くてたまらない。

そして頭から離れないのは

暗闇なのにネオンの灯に照らされ微かに反射した澄んだ薄茶色の瞳と
男の癖に華奢な身体
すらっとした細身の足がジーンズ越しに感じられて
チラリと見える鎖骨部分は透き通るよう程に
………………白かった


もう一度あの肌に触れたい。
もう一度あの頬に触れたい。

そしてもっと他の場所を
まだ見ぬあいつの全てを見て もう一度
………………触れてみたい。


まるで
まだ一度も汚れの知らないあの身体に
………………もう一度。


胸が
………………苦しい
胸が締め付けられる程
………………痛む











智「なんだよ………………どうなってんだよ」


時間が経つごとに心臓の高鳴りか早くなるのが自分でもわかる。

開けっ放しのドアから冷たい夜風が俺の身体を吹き抜けるのに
俺の背中にはジットリと自分でも分かる程に汗が浮き出して
………………滴り落ちていく。


俺は今まで何かを望めば自然と簡単に手にいれてきた。
何かを始めようとすれば、何処からともなく俺の方に追い風が吹いて来て
苦労など殆ど無縁だった。

翔の事だって母親と交わした約束を俺が破棄してその禁断の先まで手を差し伸べれば
………………翔はきっと楽になれる。



なのに この感じた事のない不安は何だ。

心の奥底から襲ってくるこの感覚。

今あいつを追わなければ一生俺がどう足掻いても
………………手に入りそうにない

不安感。


俺は
手にいれたいのか?

今出逢ったばかりの
………………あいつを?

感じたことのない不安とその抑えきれない湧き出る感情と衝動を抑えきれず
俺の足先は自然とドアの外に向くと
あいつが走り去った方向に向かって俺は店を飛び出した。






………………ドンッ

翔「わっ!ちょっと、兄さん、何処行くの!?」


もう何も目に入らなかった。
何も聴こえなかった。


俺の頭の中は出逢ったばかりのあいつの事で頭がいっぱいで。

何処にいるかなんてわからないのに
でも今俺が強く求めれば
………………手に入る気がして

あいつに出逢える気がして。


俺はただひたすらに夜の街を
………………駆け抜けた。